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【2011/11/30】

  米国の科学誌ネイチャー・バイオテクノロジー電子版や報道機関の記事等によりますと、胚性幹細胞(ES細胞)を繰り返し培養すると、ゲノム(全遺伝情報)に変化が起きる場合があることを京都大学や英国のシェフィールド大学などの共同研究チームによる調査で分かりました。

● ES細胞は繰り返して培養すると、ゲノムに変化が起きる
 
  各国で作製したES細胞125系統のゲノムを容器を換えて細胞培養を続ける回数が約50回を超えると、35%で染色体の数や長さが変わりました。
 
  人の場合では23対ある染色体のうち、細胞増殖に関わる遺伝子が集中する20番染色体で変化が目立ちました。
 
  京都大学作製の1系統は168回培養を繰り返しても変化が、ありませんでした。

  ゲノムの変化はがん化の恐れがあり、再生医療に利用可能な安全な細胞を選ぶ目安になります。


【2011/08/25】

  英科学誌ネイチャーなどの記事によりますと、米国のノースウエスタン大学の研究チームがALSの原因を特定したとのことです。

● ALSで神経がまひする原因を特定
 
  ALSで神経がまひする原因は、脳と脊髄内に於いて、神経細胞内のたんぱく質構成要素を再生利用するシステムに機能不全が発生するためということを米国のノースウエスタン大学の研究チームが究明しました。
 
  研究チームによると、この機能不全は、遺伝型ALS、孤発性ALS、認知症を伴うALSの全てで見られたとのことです。
 
  この機能不全の原因は「ユビキリン2」という有機化合物が正常に機能しないことにあります。ユビキリン2は神経細胞内の欠陥や、損傷のあるタンパク質の再生利用を促す役目を持っていますので、ユビキリン2が働かなければ、神経細胞内に損傷したタンパク質が堆積し、神経細胞を著しく破壊することになります。
 
  ノースウエスタン大学のTeepu Siddique(ティープ・シディーク)教授(神経学)は「効果的なALS治療法の発見につながる新しい領域を開きました」、「今後は、ユビキリン2が本来の機能を果たすように経路を制御するか、最適化させる薬剤実験に取り組みます」と語っています。


【2011/05/27】

  各報道機関の記事や、米科学誌 「Cell Stem Cell(セル ステム セル)」電子版(5月26日付)によりますと、大阪大学の研究チームは、マイクロ(微小)RNA(リボ核酸)という物質を使う簡便な方法で人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製に成功したとのことです。

● 安全簡便な方法によりiPS細胞を作製
 
  iPS細胞を作るために従来は、必要な遺伝子を体細胞へ運ぶベクター(運び屋)にウイルスを用いていましたが、がん化の危険性があるため、ウイルスを使用せずに「マイクロRNA」という物質を使用して、安全・簡単に作製する方法を大阪大学の研究チームが発見しました。
 
  研究チームはマウスの細胞を調べて、何の細胞になるか決まる前段階の「幹細胞」だけにあるRNAの断片60個余りを発見。このうち特定の3種を脂肪細胞に振り掛けた際にiPS細胞ができることを確認しました。さらに、ヒトの細胞でも同じ組み合わせでiPS細胞が作れることを確認しました。
 
  研究チームは作製した細胞を「mi−iPS(ミップス)細胞」と名付けました。
 
  今回の手法はiPS細胞が得られる効率が1%未満と低いですが、「現時点では世界で最も安全にiPS細胞を作る方法と言えるので、効率を上げて臨床応用に活用したい」と、研究チームは語っています。


【2011/05/15】

  英科学誌ネイチャー電子版(5月13日付)や各報道機関の記事によりますと、米カリフォルニア大サンディエゴ校の研究チームは、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を遺伝的に全く同じマウスに移植した場合に免疫拒絶反応が起きることがあると発表しました。

● iPS細胞移植に拒絶反応
 
  研究チームによりますと、マウスの体細胞から作ったiPS細胞を元のマウスに移植すると、遺伝情報は同じはずであるのに、免疫細胞が攻撃する拒絶反応が起きたとのことです。
 
  iPS細胞は、患者の細胞から必要な細胞を作って、患者自身へ移植する場合には、拒絶反応は起きないと考えられてきました。
 
  しかし、マウスの実験では、iPS細胞が別の細胞に分化した際に、一部の遺伝子の働きが異常となり、拒絶反応が起きたとのことです。
 
  研究チームは、iPS細胞を必要な細胞だけに変えてから移植することと、移植した際に免疫拒絶反応をチェックすることが重要と言っています。


【2010/10/30】

  ヒトiPS細胞の臨床研究指針が、まとまりました。

● 厚生労働省はiPS細胞の臨床研究指針を作製し、施行に至る

  厚生労働省は10月29日、iPS細胞を治療に使用するための臨床研究指針を完成させまして、11月1日に施行するとのことです。
 
  指針には「安全性や倫理性の確保に盤石の体制の構築が必要」とあり、新しい技術により安全性を確認し、患者には積極的に正しい知識を伝え、患者団体の意見に配慮することなどを規定。
  また、必要に応じて指針の見直しを行うとしています。
 
  iPS細胞の臨床応用を認めた指針は世界で初めてのようです。


【2010/07/03】

  米科学誌 「Cell Stem Cell(セル ステム セル)」電子版(7月2日付)や各報道機関の記事によりますと、慶応大学などのチームは、再生医療への応用が期待されるiPS細胞を少量の血液から作製することに成功させました。

● 少量の血液からiPS細胞を作製

  慶応大学の福田恵一教授達と、茨城県つくば市の「ディナベック」などの共同研究チームは、血液の中で免疫機能を担うリンパ球のT細胞に、特定の4種類の遺伝子をセンダイウイルスにより組み込みました。その結果、身体の様々な組織に成長するiPS細胞になることを確認しました。そしてこれを「TiPS細胞」と命名しました。
  なお、組み込まれた遺伝子は使用したウイルスと共に自然に消滅したとのことです
 
  研究チームによりますと、人の血液に多く含まれているリンパ球が1000個に対して、iPS細胞は1個の割合で作製されたことになり、0.1ミリリットルの血液があればiPS細胞を作り出せるとのことです。
 
  そして、これまで皮膚などの細胞の採取からiPS細胞の作製までは2カ月半ほど掛かっていましたが、この手法では3週間ほどに短縮されたとのことです。
 
  わずかな血液からiPS細胞を作れますので、皮膚の細胞を採取する手法に比べて、この採血と同じ方法は苦痛が少ないという利点もあります。
 
  iPS細胞を作る際にはレトロウイルスを使うのが一般的でしたが、ウイルスが細胞の遺伝情報を傷つけますので、がん化する危険性が指摘されていました。センダイウイルスは細胞の遺伝情報を傷つけませんので、移植後の安全性が高くなると期待されます。


【2010/04/29】

  各報道機関の情報によると、広島大学と徳島大学の共同研究グループは、ALSの新たな原因遺伝子の解明に成功しました。

● ALSの原因遺伝子の解明に成功

  広島大学原爆放射線医科学研究所の川上秀史教授や徳島大学ヘルスバイオサイエンス研究部の梶龍兒教授及び徳島大学病院の和泉唯信臨床教授達の共同研究グループは世界で初となるALSの原因遺伝子の解明に成功しました。
 
  研究グループは遺伝性のALSに於いて、家族に共通している遺伝子の異常がないか調べた結果、免疫の働きの調節や、がんの増殖などに関係する「オプチニューリン(OPTN)」というタンパク質を作り出す遺伝子の特定の場所に、配列が入れ替わったり一部が欠けたりするなどの異常が起きていることを突き止めました。
 
  そして、オプチニューリン(OPTN)の異常は非遺伝性のALSでも確認されました。
 
  オプチニューリン(OPTN)が変異し機能を失うと、がんや炎症を引き起こすタンパク質「NFκB(エヌエフ・カッパ・ビー、nuclear factor kappa B、核内因子κB)」が細胞内で増殖し、運動細胞を死滅させてALSが発症すると判断されます。
 
  今までALSとNFκBの関連は、ほとんど注目されてはいませんでした。NFκBの抑制剤は既に実用化されていまして、ALSの治療薬開発も可能性が充分にあります。


【2010/03/31】

  産業技術総合研究所は脳波を測定して脳内意思を解読し、意思伝達を行う装置「ニューロコミュニケーター」を開発したと発表しました。

● 脳波測定による意思伝達装置の開発に成功

  独立行政法人 産業技術総合研究所 脳神経情報研究部門 ニューロテクノロジー研究グループが今回開発した「ニューロコミュニケーター」は、意思伝達機能に重度の障害をもつ人に円滑なコミュニケーションができるように頭皮上の脳波を測定して脳内意思を解読し、意思伝達を行うシステムで、2〜3年後に10万円以下(パソコンを除く)の製品として実用化を目指しているとのことです。
 
  開発したBMI(Brain-Machine Interface ブレイン−マシンインタフェース)システム「ニューロコミュニケーター」は、脳波を読み取るために頭部に装着して、コイン電池で長時間稼働する超小型な無線式の「モバイル脳波計」と、脳内意志を解読する高速で高精度なアルゴリズム及び効率的に意思表示を行えるメッセージ生成システムなどで構成されています。
 
  脳内の考えを読み取って操作性に優れ、かつ効率的に意思を伝達できることに、自らの意思を発する手段がない意思伝達機能の障害者に非常に役立つと期待されます。


【2010/01/30】

  科学誌ネイチャー(27日付の電子版)や各報道機関からの情報によると、マウスの皮膚の線維芽細胞から直接、神経細胞を作り出すことに米スタンフォード大学の研究チームが成功したとのことです。

● マウスの皮膚細胞から神経細胞を直接作製

  体細胞から別の体細胞を作るには、ES細胞(胚(はい)性幹細胞)やiPS細胞(新型万能細胞)により、目的の細胞に分化させる方法がありますが、研究チームはマウスの神経細胞ができる時に働く19の遺伝子を選び出し、その中の3つの遺伝子( Ascl1、Brn2、Myt1l )に注目して、これらをマウスの胎児や出生直後のマウスから取り出した線維芽細胞に導入すると、効率よく神経細胞を作製することができました。
 
  また、このようにしてできた神経細胞は情報伝達にかかわる機能的なシナプスを形成することも確認しました。
 
  ヒトの細胞でも可能であるかなどの今後への検討事項も有りますが、直接、別の細胞を作るこの方法は、がん化の危険性を回避でき、再生医療の実現に向けて役立つと期待されます。



【2009/12/03】

  米科学誌 PLoS ONE(プロスワン)電子版(12月2日付)や各報道機関の記事によると、成人の皮膚の線維芽(せんいが)細胞からiPS細胞を作製・増殖させることに、京都大学の山中伸弥教授達の研究グループが成功したとのことです。

● 成人の皮膚組織からiPS細胞を作製

  身体のあらゆる組織に成長するiPS細胞の研究を行なっている京都大学の山中伸弥教授達のグループが、成人の皮膚の線維芽(せんいが)細胞からiPS細胞を作製し、そのまま増殖させることに成功したと発表しました。これまで胎児の線維芽細胞を使って成功した例はありますが、成人では世界で初めてです。
 
  ヒトの線維芽細胞から作製したiPS細胞の増殖には、マウスの線維芽細胞を使用してきましたが、病原体などに汚染されるおそれがありました。研究グループは患者本人に対する医療への応用が目標であるため、より安全な本人の皮膚の線維芽細胞からiPS細胞の作製・増殖実験を4人(0〜73歳)の細胞を使って行ないましたところ、いずれも成功し、さらに人数を追加した場合でも14人中11人の細胞で増え続け、骨や神経などの様々な細胞に変化することを確認したとのことです。
 
  研究グループの高橋和利講師は「自分自身の細胞を使うことで、将来の再生医療に向けて安全性が一歩前進した」と話しています。



【2009/7/01】

● 脳波で動く電動車椅子

  両手足の動きをイメージするだけで、前進と左右旋回の計3方向を95%の確率で制御可能になる脳波で動く電動車椅子を「理研BSI−トヨタ連携センター」の研究グループが開発し、6月29日、文部科学省の情報広場1階ラウンジで、走る様子を披露しました。
 
  電動車椅子にはノートPCクラスの脳波解析システムが搭載されていて、頭にかぶった帽子の電極5個で脳波を検知し、これまで数秒は必要とされた脳波の解析時間が0.125秒で済むようになりました。
 
  研究グループは「手を上げる」などと念じるとき、脳の運動野と呼ばれる部分のうち、ある特定の場所の脳波が小さくなることに注目し、脳波と行動との関係をプログラムしました。さらに、ほおを膨らませると、ほおに着けたセンサーが筋電位をとらえて緊急停止する安全策も組み込んでいます。

参考:  【2008/11/17】の記事もご覧になってください。
 


【2009/6/25】

  文部科学省はヒトのiPS細胞作製法と臨床研究のロードマップを発表しました。これは、国民への説明と早期活用を促すことと解釈できます。ただ残念なことは、ALSに関する内容が無いことです。

● ヒトのiPS細胞作製法と臨床研究のロードマップを文部科学省が発表

  文部科学省は6月24日、あらゆる細胞や組織になり得るヒトのiPS細胞の研究について、安全で品質の高いiPS細胞作製法を確立させる年数と、iPS細胞から作製した細胞の患者への臨床研究を始める年数を示した「研究ロードマップ(行程表)」を発表しました。
 
  患者への臨床研究を始める主なものは、
 ・ 心筋 : 5〜7年後
 ・ 脊椎損傷やパーキンソン病の中枢神経系 : 7年後以降
 ・ 筋ジストロフィーの治療等の骨格筋 : 10年後以降
 ・ 肝臓や膵臓の細胞の再生 : 10年後以降
 


【2009/5/30】

  米科学誌 Cell Stem Cell(セル・ステムセル)電子版(現地時間 5月28日付)の記事によると、ヒトの万能細胞(iPS細胞)の作成に、遺伝子を直接使わない方法で、米韓の研究チームが成功したとのことです。
  【2007/11/21】の記事や【2008/07/27】、【2008/08/02】、【2009/03/06】の記事もご覧ください。

● 人間の万能細胞(iPS細胞)を遺伝子を使用せずに作製することに成功

  京都大学の山中伸弥教授達が最初に開発したiPS細胞の作製方法では、ウイルスを使って4遺伝子を細胞に組み込みますが、遺伝子に、がん遺伝子 が含まれているなど、細胞ががん化することがありました。
 
  ハーバード大学のKwang-Soo Kim(キム・カンスー)准教授達の研究チームは、今回、この4遺伝子を人間の培養細胞に導入し、培養細胞からiPS細胞への変化を促すたんぱく質を含む抽出液を取り出して、新生児の皮膚細胞を培養しました。
 
  培養を続けると 8週間後にiPS細胞ができ、マウスに移植すると神経や筋肉などの組織となりました。iPS細胞と皮膚細胞の遺伝情報は同一で、外部から遺伝子が入っていないことも確認しました。
 
  ただ、従来のiPS細胞作製方法に比べて効率が 1/10と低く、「作製方法の改良が必要」と、研究チームは言っています。
 


【2009/3/12】

  国内の報道機関や、米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)のオンライン版の記事によると、理化学研究所などの研究チームが、遺伝型ALSのマウスによりALSの進行メカニズムを一部解明したとのことです。

● シュワン細胞がALSの病態に関与することを世界で初めて発見

  理化学研究所と科学技術振興機構は、カリフォルニア大学サンディエゴ校や、フランスの国立保健医学研究所との共同研究により、ALSのモデルマウスを用いて、運動神経の軸索を取り囲むグリア細胞のシュワン細胞がALSの病気進行に関与することを発見しました。
 
  シュワン細胞は、神経栄養因子である IGF-1(Insulin-like Growth Factor 1 : インスリン様成長因子)を産生していて、この産生が活性型変異SOD1の発現に依存していることを突き止めました。
 
  「シュワン細胞では、SOD1の酵素活性が保たれていることが運動神経の保護に重要で、神経栄養因子IGF-1の産生とともに、シュワン細胞での活性酸素の除去が、ALSの進行を遅延させる治療の可能性として期待されます」と、研究チームは語っています。
 
  この成果は、シュワン細胞を正常化するなどの方法で、ALSの治療法の開発に大きく寄与することが期待されます。

参考
シュワン細胞
 末梢神経系に特異的に存在するグリア細胞で、神経細胞の細胞体からは、神経情報を出力するための神経繊維からなる軸索(Axon)が伸びていて、ヒトの運動神経の軸索は最長で1mに及ぶものがあります。軸索の周囲には髄鞘(ミエリン)という絶縁体が何重にも巻きついて神経伝達の効率を高めていますが、このミエリンは末梢神経ではシュワン細胞、中枢神経ではオリゴデンドロサイトによって作られていて、一本の軸索につき、約1,000個のシュワン細胞がその周囲を取り巻いています。また、シュワン細胞は神経栄養因子を産生したり、神経損傷時に軸索再生を促進したりする働きがあります。
 
SOD(スーパーオキシド・ジスムターゼ)
 【2008/02/06】の記事をご覧ください。
 
IGF-1 (Insulin-like Growth Factor 1:インスリン様成長因子)
 成長ホルモンの刺激により分泌されるペプチド(様々なアミノ酸が決まった順番で、つながってできた分子の系統群)で、全身のほとんどの細胞がその影響を受けます。神経細胞では、その生存や機能維持への効果が知られ、ALSモデルマウスにおける運動神経保護効果も示されています。
 ALS患者を対象とした臨床治験が長年行われてきましたが、最近の研究結果では、その有効性に関して否定的です。
 
活性酸素
 活性酸素と呼ばれるものにはいろいろな物質があり(酸素からできている活性酸素は4種類)、電子を受け取ることで、より安定な状態になろうとする状態の物質を言いますが、近くにあるあらゆる物質から強力に電子を引き抜こうとします。電子を取られた物質は不安定になりますから、隣から電子を奪おうとします。これが1秒の何千分の1、何万分の1というスピードで連鎖的に発生します。細胞膜や遺伝子などは、この現象に出会うと、簡単に打ち崩されてしまいます。
 
グリア細胞
 【2008/02/06】の記事をご覧ください。
 
オリゴデンドロサイト
 グリア細胞の一種で、脳や脊髄などの中枢神経系の組織でミエリンと呼ばれる薄いシート上の構造物が伸び出していて、神経軸索を何重にも巻くことで、軸索を部分的に絶縁しています。絶縁によって、軸索内を伝搬する電気的活動を飛躍的に速めることができます。
 


【2009/3/06】

  抜歯した「親知らず」の歯胚幹細胞から万能細胞(iPS細胞)を作ることに岐阜大学の研究チームが成功したとのことです。

● 抜歯した歯胚幹細胞に2つの遺伝子を組み込むことにより、iPS細胞を作製

  3月5日、東京都内で開かれた日本再生医療学会総会で、岐阜大学の研究チームは抜歯した「親知らず」に含まれる歯胚幹細胞に2つの遺伝子を組み込んで、iPS細胞を作製することに成功したと発表しました。
 
  親知らずの歯胚幹細胞にはiPS細胞作製に必要な4つの遺伝子のうち2つの遺伝子がもともと存在し、残りの2つの遺伝子を組み込むことで効率は低いけれどもiPS細胞を作ることができました。しかも、3つの遺伝子を組み込んでみると、皮膚細胞からiPS細胞をつくる方法に比べて、作製効率が約40倍にもなったとのことです。
 
  親知らずは、一般には抜歯後に捨てられるため入手し易く、「iPS細胞作製の有力な材料になるでしょう」と、研究チームは語っています。

参考:  2006年3月8日に開催された日本再生医療学会総会のシンポジウムにて、産業技術総合研究所の研究チームが、大阪大学薬学研究科と協力し、抜歯した親知らずの歯胚組織から未分化な間葉系幹細胞を単離・増殖して試験管内で骨、肝臓、神経へ誘導することに成功し、更に動物実験により骨組織と肝臓の再生に成功したと発表しています。

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  私は医学に関する知識を持ち合わせておりませんので、医学的な記事の翻訳内容には、本意に沿わない部分もあろうかと思います。
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