音楽つれづれ


音楽について(主にクラシック音楽)日頃感じていることなど、思いのまま書き連ねて参ります。





インターネットでラジオを


今インターネットラジオにはまってる。インターネットラジオの存在は以前から知ってはいたが、ある雑誌でクラシックのチャンネルが あることを知り、聴いてみることにしたのが始まり。プレーヤーは、Windows Media Player、Real Player など。
最初に聴いたのが、その雑誌で紹介されていた、classic fm。ロンドンのFM局で、一日中クラシック音楽を放送している。 夜10時頃はあちらのお昼で。lunch time request という番組をやっている。主に小曲を(大曲の場合は一部)次から次へと流してくれる。 最近久しく聴いていない曲や、懐かしい曲、楽しい曲などなど。嬉しくなって、毎日楽しみになってしまったのだ。
他もあって、RADIO FREE VIRGIN。これは専用プレーヤもあって、こちらでは放送している曲についての情報を知ることが出来る(ただしWindowsのみ)。 などなどいろいろ。日本のラジオ局でクラシックを聴くことはあまり出来ないので、とても貴重で嬉しいことだ。
音質はまあまあで、FMの受信と同じかちょっと落ちる程度。流して聴く分には問題ないと思う(家はISDN)。 ただエアチェックして繰り返し聴くのはちょっと苦しいかな。難点は時々切れること。せっかく興が乗ってきたところを削がれてしまう。
しかしなんと言っても、インターネットで世界のたくさんのラジオを聴くことができるのだから、文句は言えない。 音楽好きにはたまらない世の中になったものだ。
今度はジャズを聴いてみようかな。
2002/04/20





バボラク!


東京都交響楽団の定期演奏会は、会員であるので毎回通っていて、今回も定期演奏会であるから 行ったようなもので、バボラクというホルン奏者がどうとかということは全然念頭にありませんでした。 むしろ指揮のデプリーストに注目していました。
以前この人の指揮でショスタコーヴィチの交響曲第11番を聴いて強い感銘を受けたからです。 オーケストラを鳴らして力感あふれる指揮をしたのです。
当日配られたプログラムによると、ジェイムズ・デプリーストは、1936年にフィラデルフィアに生まれ、ペンシルバニア大学で経済学の学士号と映画とコミュニケーションの修士号を獲得した後、 音楽好きの趣味が高じてフィラデルフィア音楽院の門を叩き、ヴィンセント・パーシチェッティの もとで作曲法を学んだそうです。
1964年にディミトリ・ミトロプーロス国際指揮者コンクールで優勝。そこから、指揮者として歩み始めたようです。 都響には1994年に初客演し、ビロードを引き詰めたような「デプリースト・サウンド」で センセーションを巻き起こしたとあります。以前の印象からなるほどと首肯しました。

最初の曲はガーシュインの「キューバ序曲」。グリエールのホルン協奏曲。最後はバルトークの 管弦楽のための協奏曲。
「キューバ序曲」は始めて聴きましたが、ルンバのリズムが楽しく親しみがもてました。 ミヨーの「屋根の上の牛」を思わせるところがあって、なかなか面白かった。 この人のアメリカ音楽をもっと聴いてみたい。コープランドとかいいんじゃないかな。 友人は、ガーシュインの「ポーギーとベス」を聴いてみたいと言っていました。

次はホルン協奏曲。グリエールは近代ロシアの作曲家。私はこの人の作品は聴いたことありませんでしたが、 曲自体は近代ロシアのロマンティックな曲です。仄暗いロシアの情感たっぷりで、 こういうマイナーなロシアの作曲家の作品は大好きです。
それよりも、ホルンを吹いたバボラク! 最初の一音から、魅せられて、うっとりと聴き惚れてしまいました。柔らかく暖かい音。 それがホール一杯に広がって、とってもいい気持ちになりました。
ホルンはとても難しい楽器だそうですが、そんな技術的なことは微塵も感じさせない、易々と ホルンを操っていました。
音色の美しさといい、世界中から引っ張りだこというのは十分肯けます。 1976年生まれだから、まだ25歳。これから楽しみな人です。

2001/03/02





「ジョコンダ」


仕事の関係で間に合うかわからなかったので、チケットを売りに出していたのですが、 買い手がつかず、結局遅れてもいいからと私自身が行くことになりました。
何とか間に合うことが出来たばかりか、このような素晴らしいオペラ上演に立ち会うことが出来たことを 素直に喜びたい。

ソフィア国立歌劇場引っ越し公演。いくつかの録音で知られていますが、今回日本初公演。 その中で「ジョコンダ」、12月15日の公演に行きました。
新国立劇場は初めて。大変雰囲気のある内装。これからオペラを聴くんだ観るんだという気持ちを盛り上げてくれます。
舞台装置は、二つに分かれたブリッジ状の階段。これが離れたりくっついたり、向きが逆になったりと 効果的に演出されていました。
歌手、特にジョコンダを歌ったマリア・ドラゴーニ。ナクソスから出ている「アイーダ」で注目していましたが なかなか良い歌手です。悪役で狂言回し的な役所のバルナバを演じたイワン・コンスロフは素晴らしかった。
いくつかのアリア。たっぷりと堪能しました。有名な「時の踊り」の華やかで絢爛なバレエ。
目と耳を十分に楽しませてくれました。まさにグランドオペラ!あっという間に時間が過ぎていきました。
夢のようなひとときでした。

2001/01/04





イギリス音楽も豊かです


クラシック音楽の作曲家の世界では、イギリス音楽は不毛だと言われることがあります(ありました。)。
クラシック音楽を聴く人にイギリス人の作曲家を挙げろと言われて何人挙げられるでしょうか?
パーセル、エルガー、ブリテン。あとは「惑星」のみ超有名になったホルスト。 他に挙げることが出来ますか?
私はイギリス人の作曲家も大好きでして、RVWをはじめそこにも豊かな世界があることを知っています。 私はまだまだ入門者でして、私の聴いたことのない作曲家が沢山います。その中で紹介された フィンジなどという人も良い曲を作っていることを知りました。ここでも奥が深いのです。
これについては、メーリングリストがあります。私も参加していますが、詳しいことについてはこれをご覧ください。

英国クラシック音楽メーリングリスト

さて、昨年の12月10日に新星日本交響楽団というオーケストラがイギリス音楽ばかり集めた コンサートがありましたので、聴いてみました。
イギリス人のグラント・レウェリンの共感に満ちた指揮で、イギリス音楽の醍醐味を(少なくとも 私は。)味わうことが出来ました。
ウォルトンの「宝玉と王の杖」、華麗なマーチ。でも高貴さを失わない。バターワースの「シュロップシャーの若者」狂詩曲。 これを聴きたかった。なだらかな田園風景を思わせる静かな音楽。ちょっぴりもの悲しい。この世界がたまらなくいい。 エルガーの「コケイン」。気品に満ちた音楽。
ホルストの惑星は、鳴らす所は鳴らし、歌うところは歌う。でも節度を持った指揮で全体をまとめていました。 十二分にイギリス音楽を楽しむことが出来ました。

新星日響は、今年の3月で活動を終え、それからは、東京フィルハーモニー交響楽団と共に活動することになっているそうです。 私にとって新星日響として聴くのはたぶんこれで最後になるでしょうが、最後になってこのような素晴らしいコンサート (10月のフォーレの「ペレアスとメリザンド」のコンサートと共に。)を聴くことが出来て良かったと思います。
長い間ご苦労様でした。

2001/01/04





「カーチャ・カバノヴァー」


大変独創的な魅力的なオペラを作曲したヤナーチェク。その中でヴェリズモ的と言われる 「カーチャ・カバノヴァー」の演奏会形式のコンサートが去年の12月9日に行われて、 これを聴きに行きました。
ヤナーチェクの素晴らしい世界をたっぷりと堪能してきました。演奏会形式と言っても 小さな舞台が設けられていて、そこで歌手たちが衣装を着て演技をしながら歌うのです。 後方に大きな布が張られていてスクリーンが映し出されていました。 もう、オペラの舞台上演と言っても良いほどです。
序奏からぐいぐいと引き込まれ、秋山さんの指揮とそれに答えるオーケストラの素晴らしい演奏に、 ただ息をのむばかり。
主要な歌手はチェコから呼んで、もちろん原語上演。カーチャを歌ったアンダ・ルイゼ・ボグザ は素晴らしい歌唱で圧倒的でした。最後の場面、この悲劇をいやが上にもやりきれないものにしている、 カバニハのセリフ。そして一同に礼をして終わる。大変印象的な幕切れでした。
この上演のちょうど2年前、ヤナーチェクの「利口な女狐の物語」を、このオーケストラ、 東京交響楽団と秋山和慶さんの指揮で上演しています。このときも良い演奏会で、私の大好きなオペラの公演が このような素晴らしいコンサートで実現されたことに、大感激したのを覚えています。
今回もこのような充実した内容で「カーチャ」を聴くことが出来ました。 体調が万全ではなく幾分火照った体で(そのせいばかりではないだろうけれど。) 熱を帯びながら家路についたのでした。
次回があるのでしょうか? 大いに期待したい。
2001/01/04





a〜haを聴いて


東京国際フォーラムで行われた、a〜haのコンサート聴いてきました。
年代的には私が高校生の時、爆発的に人気を博したバンドらしい。 らしいというのは、当時自分はクラシックばかり聴いていたから、 洋楽についてはほとんどわからないのです。 こんな世間とずれた自分が、最近ロックを聴き始めて、「ああおもしろい」 と思い始めています。最近初めて聴いてビートルズにはまっていると言ったら、 この年代(30代)ではやばいよ、と言われてしまいましたが、 良いものはいつ聴いてもいいんだと開き直っています。
さて、a〜ha。初めて聴いたとき、ものすごく気に入ってしまいました。 「テイク・オン・ミー」、「クライ・ウルフ」、「ハンティング・ハイ・アンド・ロウ」 「リヴィング・デイ・ライツ」などなど... 今回、東京でコンサートを開くというのでとても楽しみにしていました。

熱気あふれる会場の中、いよいよ彼らの登場。歓声とともにみんな総立ち! この雰囲気、今まで無かった経験だけに(これで2回目)とても新鮮。 ヒット曲が次々と歌われ、踊ったり、手拍子打ったり(これって結構快感!) 体全身で音楽を感じました。 友達のライブの時も感じたのだけれど、演奏者は聴衆との一体感を求めるんだなあと思いました。 会話をしたり、アクションを起こしたり。 聴衆もそれに答えて、手拍子打ったり、一緒に歌ったり。 音楽を通して会場全体が一体となって、その場に居合わせた幸せをかみしめる。 ああ、楽しかった、素晴らしい一夜だったと、あとで思いだすのです。

クラシック音楽のコンサートでも(というより舞台で、演者、奏者なりが演じたり演奏したりするもの すべてそうでしょうが。)聴衆、観衆の態度というか熱意のようなものが、舞台の上に 跳ね返って、演者を励まし勇気づける、ということがあるようです。 それによって、より素晴らしい舞台になったりするでしょう。 一体感というものも生まれます。ホールを包み込んで、あったかい気持ちになります。

ロックコンサートでは直接的で、生理的。とってもわかりやすくて親しみやすい。 体全身で感じるから、原初の音楽もこうでなかったか、と思わせます。 私自身、全身で受け止めることが出来ました。
今回、ちゃんと歌えたよ。ワンフレーズだけだけどね。

2000/11/20





東京トロイカ合唱団


東京トロイカ合唱団、河地良智指揮で、ラフマニノフの晩祷、聴いてきました。
この曲にかける情熱、愛情がよく伝わってきて感激しました。 この曲の真価をよく知って、演奏する団体があることは私にとって大きな喜びでした。
初演は他の団体ですが、全曲演奏したのは日本ではこの団体だけだそうです。 しかも、これが3回目。ロシアの他の宗教曲にも興味がありますが、これからこの曲に絞って 演奏活動して行くそうです。また、演奏会があったら行きたいと思っています。

慈しむように歌い、こちらも味わうように聴いていきました。教会スラヴ語、幅広い音域 1オクターブ低い音を出せるバスが必要とされる、演奏されるのが困難な曲をこのレベルまで 引き上げるのは並々なら無い熱意と努力が必要だったことでしょう。
これからもいつまでも活動を続けてと、願わずにはいられません。
アンコールは第6曲の「生神童貞女や喜べよ」(訳が生硬で取っつきにくいですが。)。 一番聴いてほしい曲だそうです。イコンのマリア像が思い浮かぶ美しい曲です。

2000/10/08





ラフマニノフの晩祷


ラフマニノフの晩祷という曲をご存じでしょうか。アルトとテノール独唱を含む 無伴奏混声合唱曲です。ロシア正教会の典礼の中に徹夜祷というのがあって、 その中の典礼文から15篇を選んで作曲した曲です。 ピアノ協奏曲などとは、趣が異なり、重厚で荘厳な曲です。
メロディアからでている、スヴェシニコフ指揮ソビエト国立アカデミー・ロシア合唱団 のいささか古い録音で聴いています。重厚なバスの響き、よく訓練されたアンサンブル。 この曲を慈しむように歌っています。
この曲はラフマニノフのなかで、独自の存在でしょう。非常な傑作だと思っています。 もし彼のピアノ曲がすべて忘れ去られても、この曲が残っていればラフマニノフの名前は 永遠に残ると思います。でも事実はこの晩祷が長い間忘れられていたようです。
いまでは、他にもいろいろ録音があるようです。まだ聴いていないのですが、 他の団体がどのようなアプローチをしているのか非常に興味があります。 滔々と流れる河のように、劇的に、美しく、あるいは優しい姿を見せてくれます。 アルカイックな響きと独特の旋法で、聴く人の心を捕らえて離さない、 不思議な魅力を湛えています。
私は、いっぺんでこの魅力にとりつかれてしまいました。折に触れて、聴き続けています。 今回、東京でこの曲のコンサートが開かれます。是非聴いてみたいと思って今からとても楽しみです。
2000/09/03





ペット・ショップ・ボーイズ


17日に、ペット・ショップ・ボーイズを聴いてきました。以外に思われるかもしれませんが、結構好きなのです。
でも、ロックコンサートは初めて。驚くことばかりでした。まず初めに持ち物検査。カメラとか録音機器を持ち込ませないようにということですが、クラシックでは無いことです。 (録音している人はいますが...)
一番驚いたのがアナウンス。クラシックコンサートではせいぜい時計のアラームを鳴らすなとか、携帯の電源を切れという程度ですが、舞台に駆け寄るなとか、椅子の上に立つなとか、極めつけは休憩時にお酒にライターで火を付けるなとか、もう吃驚仰天! (でも過去にそういうことしたヤツいたんだろうなあ。)
好きなので結構アルバムを聴いていて、とても楽しめました。もちろん総立ちで、思わず体が動いて、気が付いたら、みんなと一緒に叫んでいました。 残念なのは歌詞を知らないので一緒に歌えなかったこと。
今回、過去の集大成ということでヒット曲のオンパレード。NewYork City boyもやりました。もちろん最後のアンコールはGo West。

いや〜、最高に楽しいあっという間のコンサートでした。 年齢層も様々で幅広く聴かれているなあと思いました。クラシックとテクノ。相反しますがどちらも音楽。音を楽しむことだと思っています。

2000/06/24





ヤナーチェク!


ヤナーチェクをご存じでしょうか。チェコの作曲家。ブルノから一生出ることがなかった、田舎教師の作曲家。 モラヴィア地方の民謡を生涯かけて採取した熱意の人。年下の人妻を愛し続けた色好み(純粋と言うべきか)。

去年、彼の傑作オペラ「イェヌーファ」上演で話題になりました。私は残念なことに観に行けなかったのですが、 行った人によると、とても感動したと言っていました。

彼の代表作というとやはり、「シンフォニエッタ」と「タラス・ブーリバ」ということになるでしょう。 ヤナーチェク節とも言える、聴けばすぐ「ああ」と思える、ヤナーチェク独特の世界があります。 彼が生涯かけて集めた民謡の影響かもしれませんが、それをそのまま使うことはせず、彼のなかで消化して、 ヤナーチェク独自の世界を作り上げていきました。

私は「タラス・ブーリバ」が好きなのですが、もの悲しく始まるところから、未来を信じて勇壮に終わるところまで、 一気に聴かせてくれます。聴いていて、とても熱いものを感じます。長い悲劇を乗り越えようとする、エネルギーを。

以前に、アルフォンス・ミュシャ(ムハ)(彼もモラヴィアの人)の絵画展でスラブ叙事詩のなかの「聖アトス山」を 観たことがありました。ミュシャはアールヌーボーの画家として有名ですが、チェコスロバキアに戻ってからは、 民族的傾向を強めていきます。この「聖アトス山」を観たときの感動、感銘は、この「タラス・ブーリバ」を 聴いたときのそれと共通するものがあります。民族の血。たぎるものを。 でも、ヤナーチェクは言っています。それぞれの民族はそれぞれ自分の民謡を大切にすべきだ。そうすれば世界を束ねることができると。

ヤナーチェクは素晴らしいオペラ、ユニークなオペラを沢山作っています。「イェヌーファ」、「カーチャ・カバノヴァー」、「利口な女狐の物語」などなど。 人間の心を描いています。その目は優しさに満ちています。ヤナーチェクの音楽に彩られたこれらのドラマの効果は絶大です。

現在、これらのオペラのCDは国内盤では廃盤で、輸入盤でしか聴けないのはとても残念なことです。 そう言う意味でも、去年の「イェヌーファ」上演はヤナーチェクのオペラを知らしめる絶好の機会だったことでしょう。 これを機に復活を切に願うものであります。

演奏会形式では、最近少しずつではありますが演奏される機会が増えてきました。 今年の12月にも「カーチャ・カバノヴァー」を演奏会形式で、東京交響楽団が演奏します。 私は既にチケットを手に入れて、今から楽しみです。 ところで、ヤナーチェクの愛好家がホームページを作っています。 是非ご覧になってください。

Leos Janacek Page

余談になりますが、私が好きな作曲家の一人、ヴォーン=ウィリアムズも民謡を採取しています。 (こちらはイギリスで。)ヤナーチェクと考え方が似ていて、私なりに共通項があります。

2000/06/12





J.S.バッハの傑作を聴いて


6月1日に、ヘレヴェッヘのミサ曲ロ短調を聴きました。 今日も素晴らしかったです。

連日の公演で疲れも少し見えましたが、でも底力のすごさを見せつけられました。 さらりとしているようで、強靱な力を秘めた、そんな演奏だと思いました。 指揮、合唱、管弦楽どれもすばらしい。 忘れられない一夜となりました。

ミサ曲ロ短調はマタイとはまた違って硬質な印象を受けます。 神への高らかな賛歌、という感じでしょうか。 宇宙のような広がりを感じさせます。 J.S.バッハの最高傑作、最高峰といわれる作品2曲を続けて聴く機会をもてて 本当に良かったと思います。

バッハの良さ素晴らしさを改めて確認することができました。 バッハを聴くことは心の糧です。 カンタータも素晴らしいのですが、いずれ語る機会もあるでしょう。

2000/06/03





ヘレヴェッヘのマタイ受難曲


5月30日に、オペラシティ・コンサートホールへ行って参りました。 ヘレヴェッヘ指揮コレギウム・ヴォカーレによる演奏で、J.S.バッハのマタイ受難曲を聴きました。 バッハのすべてがあるというマタイ受難曲、心ゆくまで味わうことができました。キリスト教信者ではな いので、本当に理解したとは言えないのかもしれませんが。

エヴァンゲリストを歌ったマーク・パドモアはほんとうに素晴らしい歌唱でした。キリストの受難の物語を 共に泣き、深い悲しみを持って語っていきました。

ヘレヴェッヘの指揮は時には劇的とも言えるほど激しく、またあるときは優しく慰めるように包んでくれました。

児童合唱は東京少年少女合唱団で、本当にうまくて綺麗な声でした。第1部の合唱では天上の合唱の声のようで美しかった。

テンポは早めでした。古楽器の割にはそんなに軽い音はしません。ずんずんと進んでいって劇的だから 何か起こりそうな、そんな予感がしました。 最初の合唱で目がウルウルしてしまい、これはたまたま会場で会った知人も同じ事を言っています。 素晴らしかったです。

ヘレヴェッヘは言葉を大事にしていました。それに、間合い。深い共感と愛情を持ってバッハに臨んでいることが、私のような者にも良くわかります。 器楽の面でも耳を楽しませてくれます。ああ、こんなに素晴らしいところがあったんだ、と認識を新たにすることも。 リヒターは別格として、バッハは古楽の方がいいなあ、と思います。 精神という点では楽器は関係ないかもしれませんが、音の豊かさという点では当時の楽器の方がいいというのが、私の思いです。

そう言うことも含めて(精神も含めて)今回のマタイは、楽しめました。楽しめたという言い方より、堪能した、感動したと言うべきか。深いところで、心の芯を揺さぶられました。 このような体験は、私にとって人生の大きな喜び。

2000/06/01





ヴォーン=ウィリアムズのフロス・カンピそしてヴィオラと管弦楽のための組曲


ヴォーン=ウィリアムズらしい静かな流れ。ヴィオラの独奏がとても美しい曲です。 言葉のない合唱とヴィオラが絡み合って、荘重な雰囲気が流れていきますが、4曲目にはいると民謡風の音楽が管弦楽で演奏されます。この節回しヴォーン=ウィリアムズらしいなあと思います。合唱とヴィオラ、管弦楽と繰り返されていき、新しく優美で高貴な旋律が静かに流れていきます。 だんだん高揚していって合唱へと受け継がれていきます。最初の気持ちが繰り返されて、そして静かに終わります。消えいるように。

神秘的な雰囲気を持った曲です。 ヴォーン=ウィリアムズの曲のなかには、静かで優しい雰囲気を持った曲があります。

ヴィオラと管弦楽のための組曲も、そんな感じの曲で大好きです。 旋律が優しい。民謡から取っているのでしょうか。聴いていて心が安らぎます。 とくに、ヴィオラと管弦楽のための組曲はヴィオラの暖かい音色が、気持ちいいです。 舞曲もあって耳を楽しませてくれます。3つの部分に分かれていてそれぞれ、優美なところと弾むところがあります。

夜一人静かにこれらの曲に耳を傾けると、心が静まり、日頃の疲れ憂さを忘れることができます。 「ああ、ヴォーン=ウィリアムズっていいっ! どんなにマイナーでも一人静かに聴いて行くぞ。」






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