アトラク・ナクア
クラーク・アストン・スミスが作り出したクトゥルフ神話の蜘蛛の神
しかし同名のこのアリスソフトのゲームでは違う意味として
アトラク・ナクアを捉えているように思えるのです。
とはいえ、その存在を最近知った為、ゲーム本体を手に入れそこなった私は内容を知りません。
せいぜい知っているのは主人公の名が比良坂
初音で、その正体が蜘蛛の化け物だということ。
それじゃなんでそんなこと言えるのかといえば、
ネットで拾ってきたこの作品のmidiデータからの印象です。
非常に上質なBGM…………
恐怖がターゲットであるクトゥルフ神話のイメージなど微塵も感じません。
このBGMを聞きながら
『もしかしたらアトラク・ナクアって別の意味があるんじゃないか?
シナリオライターに他の意図があってつけられた名前かもしれないなあ、(名前から別の意味を読み取ったとか)
単に主人公が蜘蛛だからじゃなくて………』
そんなことをぼけ〜っと考えていたある日
『もしかしたら!』といえるような説明ができる解釈が閃きました。
アトラク・ナクア………この不可解な言葉について私の推理はこうです。
ATLACH−NACHA
↓
AT + LACH + NACHA
AT:ATOROPOS
アトロポス:免れがたい女
ギリシア神話の運命の三女神の長女
『運命の糸を切る者』
LACH:LACHESIS
ラケシス:分け前をはかる女
ギリシア神話の運命の三女神の次女
『運命の糸を測る者』
NACHA:ARACHNE
アラクネ:蜘蛛
ギリシア神話の怪物
女神アテナとの機織り競争に実質勝利したものの
(アテナは神の栄光を織物に綴り、アラクネは神の闇の姿を綴った)
負けを認めぬ女神に蜘蛛の姿にさせられた哀れな女
当然蜘蛛なのだから『糸を紡ぎ織る者』となります。
さて、ここに名としては出てきていませんが運命の三女神の三女は
CLOTHO〔クロートー:紡ぎ女、cloth(織物)の語源〕で
彼女は『運命の糸を紡ぐ者』です。
つまり
アラクネ = クロートー
と見なせます。
結論
ATLACH−NACHAとは
アトロポス + ラケシス + クロートー(アラクネ)
つまり運命の三女神(Moerae 英名the Fates)そのものを表します。
『たった一人で人の運命の糸を紡ぎ、測りそして切る(蜘蛛の姿を借りた)女神』なのでしょう。
では、彼女の運命は?
彼女自身が紡ぐのでしょうか?
彼女自身が測るのでしょうか?
そして彼女自身がそれを切るのでしょうか?
それとも………彼女自身が自分の運命の糸に絡め捕らわれているのでしょうか?
アラクネのように………
『運命を弄ぶ女神』でありながら自身もまた『運命に弄ばれる哀れな女性』……………
それがATLACH−NACHA?
それが初音?
音楽から聞きとれる印象では、
彼女が自分の宿命と対決しようとしているように聞こえるのですが…………
一説では運命の女神達は冥界にいるといわれています、
だから彼女の姓が比良坂〔黄泉比良坂:よもつひらさか(この世と黄泉の国との境界)〕
なのでしょうか?
ああ!そういや、この黄泉比良坂でイザナギとののしりあった時から
イザナミは『人の死(運命)を定める女神』になったんだっけ!
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