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ここは…どこだろ？
気がつけばボクは…不思議な所に立っていた…
………凄く…不思議なんだ…
全然見たことのない所…
でも…何処かで『懐かしい』って思うんだ…
目の前に…緩やかに上へ向かう階段…
振り向いてみても…下に向かった階段…
どうしよう…
迷ったけど…ボクは上へ登ることに決めたんだ…
登りながら…ボクは風を感じた…
登りながら…においを感じた…
そして…少しずつ…ほんの少しずつ…わかってきたんだよ…
ここは…塔みたいなもの…
でも…屋根は無かった…
光が差す…頂上…
風の辿り着く場所…
そして…地球…そのもの…
ボクはそこに…辿り着いたんだ…
すごいよ…すっごく高いよ…
端に寄って世界を見渡せば
一本の…光輝く道が見るよ…
今度は振りかえって逆の方を見渡したんだ…
そこには…細い…そしてたくさんの…糸が…
何処までも…広がってた…
ひゅうぅぅぅぅ
風さん
お帰りだよ…
そうなんだ…
あの道はボクが…ボク達が光の糸を紡いだ…過去だったんだね…
糸は…未来…
ここの風さんに教えてもらったんだ…
ボクは…地球に愛されてるって…
みんな…地球に愛されてるんだって…
ボクのもらったこの翼は…地球に愛された証だって…
でも…もう…返さないとね
ボクは…未来の糸が舞う方の淵に立って…
翼を広げたんだ…
背中が…ちょっとだけ熱くなったよ…
そして…翼が…光輝く粉になっていくのがわかったんだ…
その粉は…
ボクが愛された証…
これから誰かが…誰かを愛するきっかけ…
そして…全てが雪へと変わって…
未来の方に…舞い落ちていったんだよ…
あの雪は…愛の雪…
でも…みんなはきっと気付かないんだろうなぁ…
こんなに…愛されてるって…
それでもいいの？地球さん…
じゃあ、ボク行こうかな？
ボクには『還るべき場所』があるんだ…
ふふふっ…早く…会いたいよ…
……………でも…
…もう少しだけ…
お母さんみたいな地球さんに抱かれていたいな…
そう…さっき降った…あの雪が…
大地に…
地球に…
そして…祐一君や…みんなに融ける頃まで…
いいよね？
ほんのすこしだけ…おやすみなさい…
…………おはよう…………
ｆｉｎ
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