お前のモノは俺のモノ!?

by詠月(SELENADE)




「ううむ…やっぱ危なくて、
 おちおちしまっとられんなぁ」

「どうしたの、詠月?」

「最近…貯めてた道具がちょいちょい無くなるんだよ」

「ふうん」

「それが不思議なことに、減るだけじゃなくてたまに
 へぼい武具なんぞが増えてたりするんだ……
 どうしてだろ?」

「…それは、多分ボス戦が近いのよ」 (さらっと)

「へ?」

「苦労してるみたいだから大目に見てあげたら、
 まんざら他人でもないんだし…」

「??」



「ところで詠月、その剣だけどさ」

「これか…へへ
 ついさっき神龍のひげで強化したんだ。
 天尊破魔刀だぜ!」 (きらり〜ん)

「わぁ、すっごい!! ちょっと見せて〜」

「ほいな」



「切れ味よさそう…良い剣なんだよね?」

「ああ、これ以上ってのは無いさ、間違い無く!」

(…さては神龍、二度掛けしたわね)



「ほぃっと♪」 (倉庫に剣を投げ込みっ)

「おわー!
 なにしやがる〜!!」

「手…すべっちゃった」 (てへっ)

「今さっき言ったばっかしだろが!!
 無くなったらどうするんだ!!」

「ごめんね〜」 (軽!)

「はよ取出さんと!!
 ……れ!
 ……無い……無い無い無い無い無い〜〜!!!」



「うぅ…俺の…俺の…
 人生の集大成がぁーーーーーー!!」

(そんなおおげさな…)





《翌日》



「あ、詠月…倉庫にね」

「倉庫のことは言うな!!
 へん!
 どうせ…代わりにヘボヘボな武具が入ってたとかだろ!」

「ちがうよ!
 あの剣、ちゃんと倉庫に戻ってるよ」

「なに〜!!!」





「おあ!
 あった、あったぁ!!
 いとしの天尊破魔刀ちゃん!」



「れ? 柄になんか結んであるぞ
 ……折りたたんだ紙…?」

「何か書いてあるかもよ〜、
 開いてみてっ」

「矢文じゃないっつーの」

「開いてみてったら!」

「はいはい」



「……えーと、なになに…
 ……『ありがとう』……??」

(うん!! やっぱり分ってくれてたんだねっ)



「一寸待て!! これお前の字じゃないか!?
 さては……美花(メイファ)!」

「えぇ!!
 ちがーう!!
 あたしじゃない!!」

「いたずらにも程があるぞ!!」

「うわああん!!(泣)
 あたしじゃないもーん!!」





☆劇終☆

2000/08/13UP


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