【ブックガイド】
ここでは、ちょっととても、参考になったり、面白かったりした 本を、紹介してみます。
価格については、手抜きして、手元にある本から表示してしまい ました。ついこのあいだ見つけたものから、もう10年近くも前 に買ったものまで、タイムラグは大きいです。ということなので、 一つの目安とし て見てください。よろしく
題名 作者等 出版社 価格 だからおすすめ
1 百人一首の手帖 久保田淳 小学館 \2,010 この本で、百人一首を覚えました。だから、私にとっては、基本の一 冊になっています。
小倉百人一首には、いくらかの本文異動があって、テキストによって は、いくつかの歌で異なる表現がとられています。このホームページ では、一首を除いて、この「百人一首の手帖」を底本としました。
例外は、58番歌、大弐三位の、「有馬山 猪名の笹原 風吹けば」の歌 です。「百人一首の手帖」では、この歌は、「猪名の篠原」と表記さ れています。ちゃんとルビで、ささはら、と明記してあるのですが、 シロウトの私は、ずっとずっと、イナノシノハラと誤読し続けていた のでした。反省をこめて、ここでは猪名の笹原の表記にしました。
それから、「百人一首の手帖」には、カセットテープ付きのバージョ ンが用意されているそうです。私のようなポカをやらないためにも、 マルチメディアは有効かもしれません。
2 みもこがれつつ 矢崎藍 筑摩書房 \2,900 「物語百人一首」のサブタイトルが、ついています。その名のとおり、 百人一首の作者たちに関するさまざまなエピソードを、古事談などか ら紹介しつつ、歌や作者の時代背景を物語っています。ここに挙げた もの中で、いちばん読んで楽しかった本です。
鶴田一郎さんのイラストが添えられていて、これもすこぶる魅力的で す。
それと、別件ですが、筑摩書房のみなさん、ライアルワトソンの 「未知の贈り物」を、ちくま文庫に入れていただいて、ありがとうござい ました。あ、ほんとに別件だった...
3 原色小倉百人一首 鈴木日出男

文英堂 \560 ホームページを作ろうかしらと思い始めたころに、この本を見つけて、 あ、自分のやりたかったことは、こういうことだな〜と思いました。
出版社の文英堂さんは、学習参考書などを出されているところだった と思います(とおい昔の話なので、よく覚えていなかったりして.. .)。この本も、中高生たちの行き交う参考書のコーナーに置いてあ りました。
そして、これだけ美しくビジュアルに表現してある本が、この価格で 手に入るのなら、わざわざ重たいインターネットで、同じようなこと をする意味はないだろう、と思ったりもしました。
4 百人一首の謎 織田正吉 講談社現代新書 \631 百人一首ははたして秀歌選か、という疑問に始まって、他の多くの勅 撰集に採られている手法を、小倉百人一首にあてはめることで見えて くる、一種の言葉遊び(?)の体系をあぶり出した名著です。
最初はキワモノっぽい本かな、と思っていたのですが、読み進めてい くうちに、その説得力に納得させられました。
5 百人一首全釈 尾崎暢殃

中道館 \1,200 初版が、昭和46年に出ていて、ちょっと古めかしい感じの本です。 これもやはり、参考書のコーナーで見つけたものですが、出色なのは、 各歌についている【鑑賞】という欄でした。歯に衣を着せない文体で、 700年前に成立した歌集の歌が、けちょんけちょんに批判されてし まったり、しています。
自分の好きな歌が、けなされちゃったら大変だ、と、こんなにはらは らした本は、近頃ちょっとめずらしかったりして。



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