フジバカマ(藤袴)

フジバカマ フジバカマ
5個の管状花からなる頭状花(5mm)
1個の花に2本のひげ(長さ6mm)
淡い紫色

科名    キク科ヒヨドリバナ属
別名    エウパトリウム、ヒヨドリバナ、沢蘭、蘭草、らに(蘭)
原産地  中国
花期    8〜10月
花色    淡紅紫色
花径    2mm
草丈    80cm〜200cm
名前の由来 
★「藤袴」は、藤色の花の形が、日本人の穿く袴に似ていることから。
★「蘭」「らに」は、茎葉が生乾きで芳香を発するため。

秋の七草のひとつとして古代から親しまれています。
万葉集には、ただ1首、下記の歌だけです。

《はぎの花 をばな葛花 なでしこの花 をみなえし また藤袴 あさがほの花》
万葉集(巻八・1538)山上憶良

源氏物語にも「藤袴(ふぢばかま)」の巻があります。
ここでは地文には「蘭(らに)の花」、和歌には「藤袴」と表記しています。
夕霧が玉鬘に藤袴の花を添えて贈る場面です。

フジバカマは中国原産で、日本へは奈良時代に渡来したといわれています。
乾燥した葉にはクマリンというさわやかな芳香があり、
中国では、唐の時代には香草として重用されていたそうです。

日本では、奈良時代に茎葉を天日で生乾きさせたものを、
薬草としてもてはやしたようです。
桜餅と似た香りが好まれ、お湯に入れたりしたようです。

 そこで、試してみました。

フジバカマを折って、2日間天日に干してみました。
折ったばかりの生の時は、香りはほとんどありませんでしたが、
干した後に、ドライフラワーにして室内に置いてみたら、やさしい香りがしていました。
これなら香草として十分使えると思います。