ワタ(綿)(棉)(草綿)

朝方の花(一日花)
中心がえんじ色のアジア綿の花
綿の木
夕方には花の色が変わる 《コットンボール》《綿の桃》(2.5cm)
《コットンボール》
熟して綿花(綿の実)ができた
この中に10個前後の種が入っている
半分に切った種子
(小豆くらいの大きさ)
左の写真は
クリーム色一色のアプランド綿の花

科名    アオイ科ワタ属
原産地   熱帯アジア・熱帯アメリカ
花期    6〜10月
花色    淡い黄色
花径    2.5cm
草丈    60〜100cm
名前の由来 
 ★衣類などのなかに詰めるためのワタ(腸)の義。
  ハラワタ(腸)のワタの転用と見られる。

アオイ科のワタ属の総称で、
フヨウ(芙蓉)やアオイ(葵)やハイビスカスやオクラと同じ科。
花は一日花。

ワタの花には2種類あります。
真ん中がえんじ色で、全体にクリーム色・・・・・・アジア綿
クリーム色一色・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アプランド綿

ワタは繊維作物として最も古くから世界中で栽培されているものだそうです。
インドの遺跡のモヘンジョダロ(紀元前2500〜1500年頃)から、
綿布が発見されているそうです。

日本には、『日本後紀』に「平安初期(799年)に三河の国に漂着したインド人が
綿の種を持ってきた」という記録がありますが、栽培はすぐ途絶えました。

15世紀末以降中国から再輸入されて、一般に栽培されるようになりました。
江戸時代には関東以西の各地で栽培されていました。
しかし、明治以降、日本が、世界で主要な綿産業国になり、
安く、品質の良い綿花を大量に輸入するようになったため、ワタの栽培は衰退しました。

ワタに関係する語句
  ・綿花(めんか)・・・種子についている毛、つまり繊維のこと
  ・木綿(もめん)・・・綿を原料とした織物、つまり綿織物のこと
  ・真綿(まわた)・・・蚕(かいこ)の繭(まゆ)を引き伸ばして、薄い綿のようにしたもの。
              つまりくず繭で作ったもの。動物性。
              綿が普及する以前は、「綿」といえば「真綿」のことだった。

※綿の桃(わたのもも)・・・コットンボール、花のあとに出来る丸い実のこと。
                桃の実のような形であることから「綿の桃」という。
                これが熟して、乾燥してはじけると、中から白い綿が出てくる。

ワタの実の利用
  ・綿毛・・・布団の綿・糸・織物
  ・綿実・・・食用油・乳牛の餌(油粕は有機肥料として利用されている)
  ・綿実の殻・・・・キノコ栽培の培地に利用