ネジバナ(捩花) | |
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花はつりがね形で、直径3-4mm |
このネジレが、花名の由来 |
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科名 ラン科ネジバナ属 別名 ネジレバナ(捩れ花)・モジズリ(捩摺)・ヒダリマキ(左巻) 分布 沖縄を除く日本全土 花期 4〜9月 花径 0.3〜0.4cm 花色 淡紅色・白 草丈 15〜40cm 名前の由来 ★花が、らせん状に ねじれて連なって咲くことから。 「モジズリ」も、もじれて巻く状態の意味。 |
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ワタクシは寵愛を受けております 他の雑草、(いえ、ごめん遊ばせ)野草の皆様には申し訳ございませんが、 ワタクシは可愛がられておりますのよ。 ワタクシがこの家の住人と初めて遭遇いたしましたのは、 もう20年以上も前のことでございましょうか。 住人の静岡の仮の宿(転勤先の社宅)でのことでございます。 住人の苫屋の前にちょっと湿った空き地がございました。 ワタクシはそこに姿を現していたのでございます。 ある夏の日、 ワタクシは、ワタクシの美しさ、可愛さ、 そして、野に在っても身に備わっている凛とした気高さで、 かの住人をすっかり虜にしたのでございます。 ワタクシは、皆様がどうお思いになろうとも、 野のちっちゃな貴婦人だと自負いたしております。 でございますから、このような成り行きになりますのは、当然のことで、 別に自慢げに吹聴することでもございませんが・・・・・・。 住人は、今は定宿(やはり苫屋!)に住んでいるようでございますが、 所構わず野放図に顔を出すワタクシの仲間を、 セッセと鉢や花壇に植え替えているようでございます。 野草の身といたしましては、最上級の待遇でございます。 ここまでが限界ね、ゴザイマス言葉。 アーアー、疲れた!! ちょっと気取ってはみたけど、 喋り慣れない言葉で、舌を噛みそう。 というのも、所詮、アタシは勝手気ままな田舎暮らし、 どんなに背伸びしたって、深窓育ちの上品な蘭お嬢様にはなれないもん。 付け焼き刃では無理ってこと、よく分かったヮ。 |
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どうでもいい話 「ネジバナ」というと、よく引き合いに出される和歌があります。 みちのくの 信夫もぢずり 誰ゆゑに 乱れむと思ふ 我ならなくに (古今和歌集 源融) 小倉百人一首には みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくに (河原左大臣〈源融〉) と出ています。 そして、この「もぢずり」は「ネジバナ」を意味しているという説が流布しています。 そこで調べてみました。 問題は「しのぶもぢずり」です。 「しのぶ」 地名の「信夫郡」(昔の福島県信夫郡)(今は福島市内)と草名の「しのぶ草」を掛けている。「しのぶくさ(忍草)」は、シノブ、ノキシノブの類で、シダ植物の一種。 「もぢずり」 ねじり染めの意。「ねじる」の意の「もぢる(捩る)」の語幹に「すり(摺り)」が続いたもの。 しのぶずり(信夫摺、忍摺) 奥州信夫郡の特産で、忍草の茎や葉を布に摺りつけて捩れたような模様をつけた織物のこと。 つまり、ちょっと私が調べた限りでは、 「この和歌の『もぢずり』は今の「ネジバナ」を指しているとは思えない」 という結論になるようです。 「ネジバナ」の別名の「モジズリ」というのは、「もじれて巻く状態の意味」で、 染物の「もぢずり」と「ネジバナ」とは、直接は関係なさそうです。 (2000/7 記) 以上、やっぱり、どうでもいい話でした。 |
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