ナズナ(薺)

花径は3mmぐらい 花が終わった後のおなじみの姿

☆花が咲く前の若葉は、食用にできる(七草粥の実やおひたしに利用できる)

☆薬用…利尿剤、解熱剤
三角形の実…5〜7mm

三味線の撥(ばち)の形に似ている
この中に1mm足らずの種がたくさん入っている

科名    アブラナ科ナズナ属
別名    シャミセングサ(三味線草)・ペンペングサ(ぺんぺん草)・ビンボウグサ(貧乏草)
花期    3月〜5月
分布    日本全土
花径    2〜3mm
花色    白
草丈    10cm〜40cm
名前の由来 
    ★ナズナ…諸説ある。
      「撫で菜」…「撫でる菜」、撫でるように可愛い菜の意。
      「夏無き菜」…夏には枯れてなくなるから。
      朝鮮語から来たという説。
      「滞(なず)む菜」ナズナの苗は地面にへばりついて縮こまっていることから。
    ★シャミセングサ
      実の形が三味線の撥(ばち)の形に似ていることから。
    ★ペンペングサ
      実の形が三味線の撥(ばち)の形に似ていることから、
      三味線の音の「ペンペン」を連想して、付けられた名前。
    ★ビンボウグサ(貧乏草)
      種は飛び散りやすく、繁殖力旺盛なために、どんな悪条件の所でも、生える。
      昔は、古くなった藁屋根(わらやね)にまで生えていた。
      貧乏な人は、おいそれと屋根の手入れができないことから。

ボクは、昔から、大人にも子供にも可愛がられているんだよ。
皆も知っているように、春の七草のひとつにも数えられているんだよ。

食べてよし、遊んでよし、さらに薬にもなるんだって。

『枕草子』の「草は」の段には、
「山菅、日かげ、山藍、浜木綿、葛、笹、青つづら、薺、苗、浅茅、いとおかし」とあるよ。
あの清少納言さんに「興趣深い」と言われているんだよ。

だから、「ビンボウグサ」という名前だけは、勘弁してくれよな・・・。

子供のころ、熟した実莢(みさや)をすこーし引っ張って、
ブラブラした状態で振ってみたことあるよね。
あれって、ペンペンとは鳴らなくて、ガサガサと鳴ったはずだよ。

「ペンペングサ」の「ペンペン」は、実を振って出る音を指すんじゃなくて、
三味線の音を指すんだよ。

実の形→三味線の撥の形→三味線→三味線の音→ペンペン

人間って、いろんなことをややこしく連想する動物なんだね。