メマツヨイグサ(女待宵草)
この草丈は、2m以上あり、一本の株で、
上の方で、枝分かれをしています。

これは、午前10時頃、写したものです。
花はしぼんでいます。
一夜花です。
前夜に咲いた花は、
次の日の夕方(6時頃)には、
茶っぽくなって、さらに小さくなります。

春先に芽を出した見覚えのない草を、伸びるに任せてみました。
しかし、あまりに大きくなるので、途中で、
引き抜こうかと、何度も思いました。
でも、ここまで我慢したのだから、
花が咲くまで、付き合おうと思い返しました。
こんなにかわいい花が咲くとは、
予想外でした。
花径は4cm

夜、開花します。
観察したところによると、午後8時頃から、
咲き始めます。
(7時50分には、まだ咲いていませんでした。)
つぼみが割れたと思ったら、
見ているうちに、すっと開き、
1分位で、完全に開花
しました。

開花に立ち会うことが出来て、感動!
花には、芳香があります。

この写真は、
夜8時頃、開花した枝を切って、
室内で写したもの
です。
(戸外は暗くて、写真を撮るのが困難ですから。)

科名    アカバナ科マツヨイグサ属
別名    アレチマツヨイグサ(荒地待宵草)
花期    8〜9月
分布    日本全土
花径    2〜4cm
花色    黄色
草丈    1〜1.5m
原産地  北アメリカ……帰化植物……明治後期に渡来したという。
名前の由来
     ★「マツヨイグサ」…夕方、月を待って花が開くので、宵を待つ草と表現した。
      (吉田金彦「語源辞典」)

マツヨイグサの仲間
どれも、帰化植物。
特に「オオマツヨイグサ」は北アメリカ原産の植物をもとに、ヨーロッパで作り出された園芸種だと言われている。(山と渓谷社「日本の野草」)

マツヨイグサ(待宵草)・・・・・・・・・草丈(30〜90cm)   花径(3cm)
オオマツヨイグサ(大待宵草)・・・草丈(80〜150cm)  花径(8cm)
コマツヨイグサ(小待宵草)・・・・・草丈(20〜60cm)   花径(2〜3cm)
メマツヨイグサ(女待宵草)・・・・・草丈(30〜150cm)  花径(4cm)



名前を決めるのに、大変迷いました。
いろいろ資料を読んだり、ネットで調べたりしましたが、なかなか、わかりません。
最終的には、花の大きさが4cm位なので、メマツヨイグサ(女待宵草)だろうと、思いました。

竹久夢二「宵待草」

待てど暮らせど来ぬ人を
宵待ち草のやるせなさ
今宵は月も出ぬそうな
夢二のいう「ヨイマチクサ(宵待草)」という名前の植物はないそうだ。
しかし、「マツヨイグサ(待宵草)」の異称として通用しているようだ。

夢二が、どの「待宵草」を指しているのか、
はっきりしない。
「オオマツヨイグサ」のことを「宵待草」や「月見草」と言うと書いてある資料が多くあったが・・・。
太宰治「富嶽百景」

〜〜〜〜前略〜〜〜〜

・・・・・・ことさらに、月見草を選んだわけは、富士には月見草がよく似合ふと、思ひ込んだ事情があったからである。・・・・・・

〜〜〜〜中略〜〜〜〜

・・・・・・老婆も何かしら、私に安心してゐたところがあったのだらう、ぼんやりひとこと、「おや、月見草。」さう言って、細い指でもって、路傍の一箇所をゆびさした。さっと、バスは過ぎてゆき、私の目には、いま、ちらとひとめ見た黄金色の月見草の花ひとつ、花弁もあざやかに消えず残った。
三七七八米の富士の山と、立派に相対峙し、みぢんもゆるがず、なんと言ふのか、金剛力草とでも言いたいくらゐ、けなげにすっくと立ってゐたあの月見草は、よかった。富士には、月見草がよく似合ふ。・・・・・・

〜〜〜〜後略〜〜〜〜
ここでいう「黄金色の月見草」とは?

ツキミソウ(月見草)
花色・・・・・・白または、淡桃色
草丈・・・・・・30cm
花径・・・・・・5cm

ヒルザキツキミソウ(昼咲き月見草)
花色・・・・・・白のちに淡桃色
草丈・・・・・・30cm
花径・・・・・・3〜5cm
日本では、野生化している。

いわゆる「月見草」は白花で、
黄金色の花ではないので、
ここでは、
本来の「月見草」を指しているとは思えない。
月見草と同じアカバナ科の黄色い花の大きい「オオマツヨイグサ」を指していると、いわれている。

「オオマツヨイグサ」を
一般に「宵待草」「月見草」と呼び慣わしているそうだ。
ひとりごと

竹久夢二「宵待草」、太宰治「富士には月見草が似合う」から、夢二のことを調べ、「富嶽百景」を読む羽目になりました。
じっくりと調べる時間がないので、資料を読めば読むほど、私の頭は混乱してきました。
文学者は植物博士ではないので、文学として書かれたものが植物学的に正しいかどうか、検証する必要はないのかもしれません。
それに、本気に調べると、研究論文が書けるほどの課題かもしれませんね。
私には、とうてい手に負えないものです。
というわけで、世間でいわれていることをまとめた内容になりました。