名古屋仏壇

「名古屋仏壇」の製造に携わっている多くの専門職人達の作業工程及び、作業現場を
紹介しています。高品質な「名古屋仏壇」を造るに欠く事の出来ない職種ばかりです。

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「名古屋仏壇」は多くの専門職人達の手による完全な分業制で仕上げられています。
この専門職人達は、通称「八職」と呼ばれ、
「木地」「荘厳」「彫刻」「塗り」「蒔絵」「表金物」「内金物」「箔置」
の八部門がこれにあたります。
しかし「彫刻」部門は「前彫」「内彫」に通常分かれていますし、 この他にも「天井」「呂色」「仕組」の各職が分業化されており、 合わせれば十二職になります。
「木地」から始まり、短い物で約半年、長い物では2年程かけて一本の 「名古屋仏壇」が仕上げられています。

名古屋仏壇の製造工程

工程

製造工程表 木地師について 荘厳師について 天井師について 前彫師について
内彫師について 塗り師について 呂色師について 蒔絵師について 表金具師について
内金具師について 金箔置師について 仕組師について 目次まで行く

名古屋仏壇の木地師達

十分に自然乾燥させた材料を用いて「名古屋仏壇」の基となる型を造る事が木地造りです。
使用する材料は「桧」を始めとし、「さわら」「つが」「ひば」「その他外国材」などで、 合板類も使用しています。前戸及び、台見附の木地見せ部分などには、「けやき」「せん」 などの木目が美しい材料を使用したり、近頃ではプリント合板も使用しています。
「かなばかり」と呼ばれる一寸角の桧材に仏壇一本分の各方向すべての寸法がきざまれた棒 を設計図代わりとして、いつでも同じように寸分たがわぬ木地造りが進められています。
「名古屋仏壇」の最大の特徴として、本体各部分が「組木ほぞ組み」で仕上げられており、 釘一本使用することなく、その姿を型造る事ができる構造にあります。これにより仏壇の 分解が可能になり、各部分単位の交換補修など修理、洗濯を容易に行なう事ができます。 これは各仏壇店頭に於いて近頃氾濫している「名古屋型コピー仏壇」には無い構造です。
「名古屋仏壇」の木地師達は精巧な加工技術を以て、その特徴を継承し続けています。

製造工程表 木地師達の部屋へ入ります

名古屋仏壇の荘厳師達

木地造りと同様、十分自然乾燥させた「桧」「松」などの材料を用い、「かなばかり」と呼 ばれる荘厳部の各方向の寸法が細部にまで、きざまれた八分角の桧材を設計図代わりにして 「空殿御坊様」を始めとする各宗派向けの多種多様な豪華な荘厳造りが進められています。
やはり木地造り同様「組木ほぞ組み」の手法で仕上げられており、組み合わせるだけで複雑 な荘厳部分を組み上げ、単体でも完璧に自立据置く事ができます。
大変に細かく手間のかかる作業が要求される職種であり、現在では海外製部品への依存率が 「彫刻」と並んで最も高い割合を占めるに至り、深刻な後継者不足である事も事実です。
「名古屋仏壇」の荘厳師達は精密な加工技術を以て、その豪華さを演出し続けています。

製造工程表 荘厳師達の部屋へ入ります

名古屋仏壇の天井師達

各仏壇一本毎の寸法に応じ「桧」を始めとした様々な材料を用い、整然とした正方形の格子と、 滑らかな円弧を持った「こえび」を組み合わせた複雑な形状の合天井が制作されています。
すべての部分が完全な組み込み式で、釘や接着剤を全く使用せずに組み上げられています。
大きな格子の中にさらに小さな格子を複数組込んだり、天井面を折り上げて段差を造る事により、 特徴的な美しさと精密さを兼備えた豪華な合天井を「名古屋仏壇」に提供し続けています。

製造工程表 天井師達の部屋は準備中です

名古屋仏壇の前彫師達

木地師が制作した各仏壇の「狭間淵」の形状及び寸法に合わせ、主に柔らかい「松」を材料とし、 「名古屋仏壇」の顔とも言える欄間彫刻を制作しています。
他産地の型には無い「三切り欄間」と「桝合彫刻」の豪華な組み合わせや、「かぶと欄間」など の形状や、「天女」「花鳥」「龍」「獅子」「羅漢」「唐草」等々、多彩な刻柄が存在していて 「名古屋仏壇」の前彫師達の高度な技術が存分に発揮されています。通常は「合釘」と呼ばれる 竹の串により「上彫」と「地板」の2枚の彫刻が組み合わされた合わせ彫りで、奥行きと立体感 を持つ形状に仕上げられた物がほとんどですが、中には一枚の厚板を彫り抜いた物もあります。
言うまでもなく極精密で、非常に手間のかかる職種ですので、現在では海外製部品への依存率が 最も高く深刻な後継者不足に陥っています。

製造工程表 前彫師達の部屋へ入ります

名古屋仏壇の内彫師達

荘厳師が制作した荘厳に合わせ、大小、長短、多種多様な形状と刻柄の彫刻を制作しています。
前彫師同様の「合わせ彫り」一枚の地板に順に多くの小彫刻を組み付けて仕上げる「付け彫り」 1つの材料から彫り上げる「丸彫り」細い刻溝を組み合わせた「筋彫り」などの技法を組み合わ せて、1本の仏壇の内側を飾る数多くの彫刻類を取り付け部位毎に彫り分けています。
少ない仏壇でも20箇所程、多い仏壇では40箇所程の内彫が様々な形で取り付けられており、 「天女」「鶴」「龍」「獅子」「鳳凰」「唐草」「千鳥」「楽器」「紋」「波」「蓮花」「象」 など、その刻柄は実に多彩でほぼ宗派向きと、取り付け部位毎に決まった刻柄になっています。
荘厳、前彫、同様に海外製部品への依存率が非常に高い職種でもあります。

製造工程表 内彫師達の部屋へ入ります

名古屋仏壇の塗り師達

「名古屋仏壇」のみならず、あらゆる金仏壇の命とも言える「塗り」を担っている職種です。
「精製本漆」の手塗りから、「化学塗料」のコンプレッサーによる吹付け塗装まで、形態は様々 ですが、いづれも何段階もの工程を経て塗り上げられており、その工程その物にもかなりの違い があります。最近では精製本漆で塗り上げた仏壇そのものも少なくなってきました。
通常の「黒」から「朱」「溜」「木目出し」「梨地」「箔蒔」「虫喰」「白檀」「玉虫」など、 古来よりの数多くの手法があり、仏壇毎、宗派向き毎、塗装部位毎に組み合わされています。
個々の塗り師達の技術の差が最も明確に現れる職種でもあり、「名古屋仏壇」の塗り師達は己の 持つ技術に自信を持ちつつも、更なる技術の熟練と手法の研究に余念がありません。

製造工程表 塗り師達の部屋へ入ります

名古屋仏壇の呂色師達

精製本漆で手塗りをする場合、「たて塗り」と「呂色塗り」の二種の技法に分ける事ができます。
「たて塗り」は塗り面をそのままの状態で仕上げる技法で、「呂色塗り」をした部分に必要となる のが呂色工程で、これを担っているのが「名古屋仏壇」の呂色師達です。
塗り面を炭で研ぎ上げ、漆を塗ってから拭き上げる、この手順を2〜3回繰り返して仕上げます。 呂色後は刷毛跡が消え艶のある塗り面になりますが、良く見れば微細な炭研ぎの跡が確認できます。 主に台見附、前戸鏡面などの「木目出し塗り」部分や、障子框などの色塗り部分に施されています。 化学塗料のコンプレッサーによる吹き付け塗装なら必要ありませんが、「呂色」は仕上げの要とも 言える伝統の技術でしょう。

製造工程表 呂色師達の部屋へ入ります

名古屋仏壇の蒔絵師達

「名古屋仏壇」の引出類、障子、後門板、御文書箱などに描かれている本金消粉による様々な絵柄 や紋を担っているのが「名古屋仏壇」の蒔絵師達です。絵柄に特に制限はありませんが、各蒔絵師 が仏壇店や顧客の希望に応じつつ、得意な絵柄をそれぞれの部分に描付けて行きます。
「平描」「盛上」「沈金」「金泥」「斬金」「螺鈿」「彩色」などの手法があり、「本金消粉」を 始め「白金消粉」「貝」「漆」「さび」などの材料を用いて豪華で繊細な絵柄を描付けています。
最近では印刷技術の進歩により手描きとの見分けが困難な蒔絵風の物や、偽金、偽貝の物が氾濫し、 正確な品質表示無しではもはや済まされない状況になって来ました。

製造工程表 蒔絵師達の部屋へ入ります

名古屋仏壇の表金具師達

「名古屋仏壇」の外側を飾る茶系色付の金具を鍛造しているのが「名古屋仏壇」の表金具師達です。
真鍮製又は、銅製の金属板に、大小様々の特殊な「たがね」を用いて模様を刻み付けて行きます。
「葉」「花」「唐草」などの刻柄が一般的で、「打出」「すかし」「石目」「砂目」「地鎖」など の手法を組み合わせて「木地」に合わせて型を造り、「せんとく」「いぶし」「金すり」「銀すり」 などの手法を以て「色付」して仕上げられます。「八双」「長ずり」などの部分には「電鋳」も使用 しています。
近年ではこの様な手鍛造金具に加えて、手間のかからない機械造のプレス金具にラッカー塗装された 製品が多用されるようになって来ました。

製造工程表 表金具師達の部屋へ入ります

名古屋仏壇の内金具師達

「名古屋仏壇」の内側を飾る金渡金付の金具を鍛造しているのが「名古屋仏壇」の内金具師達です。
「雲」「花」「葉」「鳥」「唐草」「菱」「木爪」などの刻柄が一般的で、表金具師達と同様に、 銅製の金属板に大小様々の特殊な「たがね」を用いて模様を刻み付けて行きます。手法に於いても 「打出」「すかし」「砂目」「ななこ」などを組み合わせて型を造り、金渡金して仕上げています。
「名古屋仏壇」には特徴的に非常に多くの内金具が取り付けられていて、その豪華さを演出する一翼 を担っています。金渡金には「本金艶渡金」「本金渡金消ニス仕上」「本金消渡金」を始めとして、 「クロム渡金」「白金渡金」などの色付方法があり、部分的には「地彫」「電鋳」なども用いられて います。特に「地彫」はそれ自体が伝統的な金属工芸品とも呼べる代物で非常に高価な金具です。
やはり表金具同様、近年ではこの様な手鍛造金具に加えて、手間のかからない機械造のプレス金具に 金渡金した製品が多用されるようになって来ました。

製造工程表 内金具師達の部屋へ入ります

名古屋仏壇の金箔置師達

「名古屋仏壇」の「名古屋仏壇」たる由縁を持った工程を担うのが「名古屋仏壇」の金箔置師達です。
極薄い本金箔を竹製の箸で正確に仏壇の各部分に張りつけて行きます。「艶置」「重置」「半艶置」 などの手法があり、「本金消粉」「白金消粉」などを「前戸裏」「様廻」「面」「彫刻」などの部分 によっては蒔き仕上げる事もあります。特に金箔を使用せずに全ての部分を「本金消粉」で蒔き仕上げ た仏壇を「総粉仕上」と呼んでいます。「名古屋仏壇」の特徴の一つに「重置」があり、本金箔を艶 を抑えた落ち着いた箔艶で置き仕上げた部分が多くなっています。
他の職種同様に、やはり手間のかからない機械によるスタンプ箔置工程や、メッキ箔置工程も登場し、 一般の人が見ても区別できないような製品も多くありますが、その耐久性にはかなりの差があります。

製造工程表 金箔置師達の部屋へ入ります

名古屋仏壇の仕組師達

「名古屋仏壇」製造の最後を担っているのが「名古屋仏壇」の仕組師達です。仕組師達は各職により 仕上げられた製品を工程順に受け渡し、回収し、全てを集め、一本の「名古屋仏壇」に組み上げます。
表金具、内金具を取り付けた後、彫刻を組み付け、荘厳を組み上げ、本体を仕組み、蒔絵を取り付け やっと完成です。「木地造り」から始まり、完成まで短い物でも6カ月、長い物なら数年がかりです。

製造工程表 仕組師達の部屋へ入ります

言いたい放題の編集後記

本当の意味で手造りの「名古屋仏壇」は現在ではもう貴重品となりつつあります。それは、良質の材料 と多くの手間をかけて仕上げられる為に、価格の面で海外製や国内他産地製の「名古屋型仏壇」に対抗 する事ができません。対抗上、名古屋地区で製造されている仏壇の中にも「名古屋型仏壇」と同じ様な 材料を使用し、同じ様な工程で仕上げられた製品が存在している事も否定しがたい事実ではあります。
現在「名古屋仏壇」として販売されている仏壇の中でも、とりわけ普及品と呼ばれる仏壇の大多数は、 本来の「名古屋仏壇」ではなく海外や国内他産地で製造され、極度に機械製品を集積して仕上げられた 「名古屋型仏壇」です。仕上げ状態もさる事ながら、使用材料、製品の品質、組み立て方法に至るまで 本来の「名古屋仏壇」とは全く違います。仏壇を使い捨てるのでは無く、確かな品質の仏壇を何度でも 修理、洗濯して後世に伝え残すのも名古屋人気質の一つです。「名古屋型仏壇」はその構造上分解して 洗濯が出来ません。時代が必要としている製品として、信仰心の失われつつある現在の風潮に見合って 登場してきた「名古屋型仏壇」ですが、高品質な「名古屋仏壇」を望む方もあるやも知れません。一般 の人にも解りやすい正確な「産地表示」と「品質表示」が、すでに手遅れとの想いも禁じえませんが、 せめて名古屋地区の各仏壇店の店頭に添附される日が待ち望まれます。

洗濯 倉庫
「名古屋仏壇」が売れなければ、その部品も発注出来ません。部品を注文しなければ、職方の仕事もな くなります。仕事がなくなれば職方もいなくなります。職方がいなくなれば、「名古屋仏壇」はもう造 れなくなります。「名古屋仏壇」が造れなければ、「名古屋仏壇」は消滅します。「名古屋仏壇」の持 つ優れた伝統技法を後世にも伝える為にも今一度、我々仏壇店としても考えてみたいと思います。

がんばれ!!「名古屋仏壇の匠達」

名古屋仏壇の表紙ページ 名古屋仏壇の匠達(ここです)
名古屋仏壇の概要 名古屋仏壇の各部名称
名古屋仏壇の種類と宗派 名古屋仏壇の??(増設予定地)
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