サントリー「Boss・HG」
内容量:190g
価格:120円
種別:コーヒー
販売:サントリー株式会社
試飲:2001年10月
HOTにて試飲

(デジカメ故障につき画像はありません)


爽やかなクリア系の地に、鮮やかなブルーの配色。秋冬シーズンを前にした時期に市場に投入されたにもかかわらず、一瞬夏シーズン用のアイス専用商品か、とも思わせるデザインの缶で登場したのが、Bossシリーズの新製品「Boss・HG(以下HG)」である。 なお、よくよく見ればこの缶のデザインは、高山をイメージしたもののようで、よって「HG」とは「ハイ・グレード」や「ハイパー・グレネードランチャー」の略ではなく、高地産豆限定使用(「ハイ・グロウン」)の意との事である。
もっとも、紅茶なら生産工場の標高別に、1300m以上が「ハイグロウンティー(高地産茶)」650m以上1300m未満が「ミディアムグロウンティー(中地産茶)」・・・と区分されるという話は聞いたことがあるが、コーヒーの場合は、そのような区分がされるのかどうかは、寡聞にして私の知るところではない。個別の生産地においては、例えばホンジュラスあたりでは産地の標高によって格付けがなされるそうだが、これとて直ちにコーヒー豆一般の話とは言えないだろう。
したがって、ここでは高地産豆であるならばどうだとか、ハイグロウンとしての指標・指向による評価はできないことを、予めお断りしておく。
とエクスキューズを入れておいて、早速缶を開ける。立ち上ってくる香りはなかなかに豊かである。もっともこれは、これまでの季節がアイスであったことに対し、今回はホットであるせいもあるだろうが。
その香りだが、全体の傾向としてはBoss・セブンに近い性格のもので、それよりはもう少し爽やかな印象を与えるものとなっている。このあたりは、缶のデザインで狙っていた線を実践しているということなのだろうか。
飲んでみての第一印象は、「これって、ウォータードリップ?」という感じだ。もちろんコーヒー感やコクもあるのだが、「コーヒー」の周りを、薄い水のヴェールが包んでいるような、あの一種独特のテイストである。高地産豆使用だけに、ちょうど霧にかすむ深山幽谷のイメージなのかもしれない(爽やかな高原の早朝とか言って欲しいのかも)が、嫌いな人には「水っぽい」という印象を与えかねない危惧はある。なお、あまりコーヒーの刺激に強くない人のために付言しておくと、「薄い」とか「マイルド」とかいう意味ではないので、念のため。
ところで、缶を見返してみても、「高地産豆」の表示はあるものの、「ウォータードリップ」乃至それに準じた表現は無いようである。そこでサントリーのホームページを覗いてみると、「コーヒーアロマを水蒸気で包み込んで抽出することにより、高地産豆ならではの上質な香りを逃さず抽出することに成功しました」とある。水蒸気で包んで抽出。薄い水のヴェールが包んでいるような印象。全くそのままだ。少し出来過ぎの感さえあるな。

結論。ウォータードリップ風がお好きな方はどうぞ。


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