サッポロ「JACK・ブルーマウンテンブレンド無糖ブラック」

内容量:190g
価格:120円
種別:コーヒー
販売:サッポロビール株式会社
ICEにて試飲
「JACK・ブルーマウンテンブレンド無糖ブラック」。長い名前である。よって以降JACKと記す。
突然だが、読者諸氏はGFT(高速フーリエ変換ギター)
というホームページをご存知であろうか。
このページは、ギター奏者の演奏をサンプリングし、FFTにかけて、出てくる波形を紹介しているページである。
そこで村治佳織も取り上げられているのだが、その波形に対する(だと思う)氏のコメント「FFTで一言」に、
「爽やかトーン」という評が記されていた。
彼女の演奏に対する評価としては、私としては妥当だと思うのだが、波形に対して「爽やか」という評価が
出ているのは興味深いところである。
確かに、「爽やか」な波形といわれれば、なんとなくそんなものもあるような気もしてくる。おそらく、
波形を見てその演奏なり音なりをきちんとイメージできる人も、世の中にはいるのだろう。
ところで、だ。「絶対音感」といわれるものがある。恐ろしく乱暴な言い方をすると、その能力を持つ人には、
すべての音が音名なり音階なりで認識される、というものらしい(ちょっと違うと思うが)。
ならば、聞こえてくるすべての音を、波形や、それを表わす数式として認識する、という人もいるのだろうか。
平均律以降の音楽体系による相対的な指標でしかない(かなり違うと思うが)「絶対音感」よりも、
その方がはるかに「絶対」だと思うのだが、いかがなものであろう。
「音を聞くと数式が思い浮かぶ」という方がいらしたら、是非に教えていただきたい。
と、例によってどうでも良い話を書き連ねているが、要するに言いたいのは、このJACKが「爽やか」系だと
いうことである。
とはいえブルーマウンテン「ブレンド」であるから、ブルーマウンテンの優雅な香りや軽やかな酸味といった持ち味は
若干薄められている。したがって、「優雅な香りや軽やかな酸味のコーヒー」というよりは、「コーヒーの、
優雅な香りや軽やかな酸味に振ったもの」くらいに思っておけば良いだろう。あくまで
ブルーマウンテン「ブレンド」として飲むのが正解である。
とはいえ、紛い物といっているわけではなく、ブラックであることもあって、そのキャラクターの一端は確実に味わうことができる。
個人的な話を書けば、アイスの時はあまり苦味の利いたものは好まないせいもあって、最近愛飲しているのもこれである。
では、こいつがお勧めかというと、注意事項が一点ある。
このJACK、ブラックであるのはもとより、さらに原材料はコーヒーだけである。
問題無いではないか、とおっしゃる方もおられるだろう。問題無い。私もそう思う。
が、これはつまり、「コーヒーの酸化を防ぐものが何も入っていない」事をも意味している。そのせいかどうか、実は
時によってはJACKに異なる印象を覚えることがある。全体のキャラクターラインこそ変わらないものの、場合によっては、
いわゆる「出がらしの味」のように思えることもある(もっとも、これは私の方のコンディションのせいかもしれないが)。
したがって、酸化していない、温度管理のしっかり為された、作られてから時間の経っていないものを選ぶのが良である。
こうなると、マスプロダクトの缶コーヒーとはいえ、コーヒー豆やお茶の葉、さらにはワインあたりと同じ事情である。
まぁ、ちゃんとしたものを味わいたければ、ちゃんと自分で足を使うべきということだろう。
ただ、この商品自体が、置いてあるところが比較的少ないのが悩みか。
そうそう、言わずもがなではあるが、さらに一点附言しておけば、上記の理由により、開けたら早めに
飲んでしまうことも肝要となる。よって、缶の原材料表示を見てふ〜むと唸ったり、
一口飲んで長々と蘊蓄を傾けて味わいを語るといったようなマネは、余りお勧めはしない。
もっとも、缶コーヒーでそんな事をするのは、ひょっとすると私くらいのものなのかもしれないが。
愛の缶珈琲遍歴トップに戻る