アサヒ「WANDA・モーニングブラック」

品名:コーヒー
内容量:185g
製造者:アサヒ飲料株式会社

試飲日:2003.03

試飲状況:HOT


モーニングショットが好調なアサヒから、朝専用シリーズの第2段の登場である。モーニング・ブラック。その名のとおり、ブラックコーヒーである。
モーニングショットの成功に便乗して、ブラックにもモーニングの冠をつけて二匹目のドジョウ狙いか、との見方もありそうだが、通常のブラックも残っているようなので、ただ「部長ぉ、こっちにも頭にモーニングをつけちゃいましたぁ、テヘヘ」ということではないようだ。
そういうことであれば、通常のブラックと比べてどうか、という比較も試みるべきだろうとは思うが、生憎と私はそちらの方は飲んだことがないので、あくまでモーニングブラック単独の印象になる。予めご了承いただきたい。

飲む前に、いや空ける前に特筆すべきことが一つ。缶を振らずにゆっくりとお開けください。その旨が記してある。
通常であれば、よく振ってお飲みください、と書いてあるところだが、これではまったく逆である。どういう事かといえば、缶の内部に炭酸ガスが充填されているため、振ると開缶時にそれが飛び出す恐れがある、ということのようだ。
習慣的に振ってしまった私は、開缶時、もぅ、大変なことになってもうたらどないしよー、えらいこっちゃー、などと戦々恐々としながら開けたのであるが、幸いにして人的物的被害を出すことなくオペレーションをコンプリートすることができた。
それはともかくとしても、ではなぜ炭酸ガスなのか、それがコーヒーの品質に影響するところはないのか、という疑問があるわけだが、まあ、まずは飲んでみることにしよう。
「朝専用」、「朝の気つけの一本」などという文句から、さぞかしヘビーなシロモノであろうと見当をつけていたのだが、缶を開けてみると、意外やマイルド系のコーヒーの香りが立ち上ってくる。
もちろん、ブラックであるから、マイルド系とはいえミルク分たっぷりなコーヒーのそれではない。コーヒーそのものの、たとえば深い苦味が特徴のマンデリンやブラジルではなく、コロンビアやコスタリカ、ホンジュラスの類、あるいはモカといった香り、ということである。したがって、コーヒー感が弱いということではなく、マイルド系のコーヒー感を豊かに持った、上質な印象を与える香りである。
なお、実際には、ホンジュラスをメインにブラジルなどを加えたブレンドだそうで、香り高く、いやな感じの残らない苦味、さわやかな酸味の調和した、なかなかバランスの取れたブレンドである。
また、通常、こうした香りの立ち上がりは、アイスのときには弱くなってしまうものなのだが、モーニングブラックの場合、後日アイスで飲んだときでも、缶を開けたと同時に香りが立ち上がってきた、という点は特筆すべきだろうか。こういった系統の香りが好きな人にはこれからの季節もいいかもしれない。
飲んでみてもその印象は大きく変わることはなく、甘やかな香りと、そして缶にも謳われているとおりのすっきりとしたコクとキリッとした苦味のある、きわめてまっとうに作られた良いコーヒー、といった感がある。

ただし、一点。
飲んだ後、何か舌に残る感じがある。さらに、妙にお腹が張ったような感じがする。胃薬のコマーシャルなどで言う、膨満感というやつだろうか。いずれも炭酸飲料を飲んだときの症状に似てもいるので、炭酸ガスの効果なのかもしれない。
朝専用、とはいえ、こういうのを「気つけ」とは言わないだろう。確かに、コーヒーの作用には空腹感を紛らわせる、ということもあるだろうが、食べなくても平気、という事と食べる気になれないのとは大違いだ。
といって、この一事を持って、炭酸ガスを使うのはけしからん、という主張をする気はない。通常、即ちちゃんと扱っていれば、こんな事もないのかもしれない。やはり、缶を開ける前によく振ってしまったのが良くなかったのだろうか。それ以前に、空腹時に飲んだため、単にコーヒーの薬利作用で胃が荒れただけのこと、という説もあるだろう(ただ、後日アイスで飲んだときにも若干ながらその感じがあったので、やはりこのコーヒーの癖なのかもしれない)。いや、その感じとは違うのだけれど。
ひょっとして、朝専用だけに、出勤前にはコーヒーだけでなく、サンドウィチや、せめてスコーンやクラッカー程度の食事だけでもお取り下さいませ旦那さま、という配慮があるのかもしれない。

結論:
空腹時にコーヒーを飲むと、タンニンが胃腸の粘膜を刺激し、胃がもたれる感じがすることがあります。健康のため、規則正しい食生活に留意しましょう

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