ネスレ「ネスカフェ・サンタマルタX」

品名:コーヒー
内容量:190g
販売者:ネスレ日本株式会社
発売元:大塚ベバレジ株式会社
試飲日:2003.10

試飲状況:ICE


X、といえば最近ではNHKの「プロジェクトX」なのかもしれないが、今回取り上げるXはプロジェクトXでもなければガンダムXでもなく、もちろん後のX-JAPANでもなければCLAMP(でしたっけ?)の漫画でもない。ネスカフェ「サンタマルタX」。そいつが今回のXである。
さて、社会人アメフトリーグのオフィシャル飲料でもなければ(知らんけど)、ソフトバンクの某誌によって魂に烙印を押された人間が開発したわけでも(多分)ないこのコーヒーのどのあたりがXなのか。
どうも、缶の記載による「すっきりした後味を生み出す中煎りと、香りを引き立てる深煎りの豆を、焙煎後にブレンド」したスプリットローストなる製法の、クロスオーヴァー具合を持ってXと称しているのではないかと思われる。尤も、新製品であるからには「未知数(ユーザーにとっての)」の暗示するXでもあるのだろうが。
実際に飲んでみると、なるほど、2種類の焙煎をブレンドしているだけあって、「すっきり感」と「奥行きのある味わい」の両方を確かに感じる事ができる。この辺りは、上記の(私の勝手な解釈に過ぎないわけだが)狙いどうりで、Xの面目躍如といえる。
ただし、この手のブレンドは「厚みのあるコクや苦味を感じさせながらも、後味はすっきり」というのが理想なのだろうが、このXに関して言えば、むしろ「すっきりとした飲み口だが、ゆっくりと苦味が広がってくる」という感じになっている。これはこれで悪いとは言わないが、普通に考えたら、やはり狙いとは逆なんだろうなあ、という気はする。
Xばかりにかこつけてきたが、このコーヒーはサンタマルタの名も継いでいる。その事からもわかるように、基本的なキャラクターラインはサンタマルタのそれで、重厚な苦味はないものの、しっかりとした酸味が特徴のコーヒーといえる。
もちろん、基本的な線こそ同じとはいえ、そこはさすがに新製品で、相変わらず全粉乳や脱脂粉乳が使われているにもかかわらず、ネスレの缶コーヒーに私が感じていた「粉っぽさ」は殆んど感じなくなっている。この点は、素直に好印象といっていい。

さて、相変わらずと言えば、缶には相変わらず「よく振って開缶後は、すぐお飲みください」と記されているのだが、これに、せめて「よく振って」と「開缶後は」を読点で分けるべきではないか、と言う指摘をする事は、「中島みゆきは、しばらくNHKに足を向けて寝られないんじゃないか」などと心配をするのと同様、余計なお世話と言うものだろうか。


結論:サンタマルタをより一層洗練させ、かつ前記のようなクロスオーヴァーなテイストを与えたもの。なるほど全く「サンタマルタX」。

愛の缶珈琲遍歴トップに戻る