葛飾〜1200年の時を超えて〜
正倉院に保存されている奈良時代の戸籍「下総国葛飾郡大島郷戸籍」によれば、当時から葛飾には「とら」さんと「さくら」さんが住んでいたとのことである(朝日新聞2000年8月3日夕刊。なお、4版)。
私は、映画「男はつらいよ」シリーズはほとんど見た記憶が無く、どちらかといえば、葛飾といえば「葛飾柴又」ではなく、「葛飾亀有」であり、「寅さん」よりも「両さん」である。
が、それはともかくとして、寅さんの話をする。
映画では葛飾柴又の帝釈天の参道には「車屋」という団子屋があることになっている。言わずと知れた、車寅次郎の実家である。一方、実際には、それに便乗して(かどうかは知らないが)名を変えた「とらや」という団子屋があるそうである。
ある「そうである」と書いたのは、実際に私が見に行ったからではなく、人の書いたもの(柴田淳「こちらシステムX探偵事務所」OH!X1995年8月号、ソフトバンク)からの引用だからである。
氏の書くところによれば、映画では、その団子屋の裏は、タコ社長の経営する印刷所であるが、実際には、特殊浴場があるらしい。
ちなみに、私はこの記述で、世に特殊浴場という言葉のあることを初めて知ったし、又現在に至るまでそれが、一般性を有する語であるのかは知らない。
前後の記述から察するに、おそらくそれは、かの「世界最古の職業」と称されるものと同じような方面の施設ではないかと思われる。
そこで私は考える。
それが「世界最古の職業」の方々の施設であるならば、奈良時代にも、それはそこにあったのではないか。
そうであれば、1200年の時を超えて、葛飾は人の営みを脈々と受け継いでいることになる。
関係諸官庁の方々には、是非とも近辺の発掘調査を鋭意行っていただくよう、強く要望する次第である(嘘)。



セクハラと金ダライの関係についての考察
言うまでもないとこだが、セクハラというのは、極めて微妙な問題である。
ひょっとすると、上の拙文もそれと感じる向きもあるかもしれないので、ここで書くのは些か不埒なことであるかもしれないが、自戒の意味も含め、記すこととする。
先ずは思い出話を一つ。
某昼豚ホテルの中華レストランで、休憩時間中に、調理師の方が、余り必然があるとも思えないような露出度の高い格好の女性グラビアがついた雑誌を読んでいたことがあった。横をウェイトレスの女性が出入りするようなところであるにもかかわらず、である。
これはセクハラで訴えられたりしないのだろうか、と思っていたのだが、今に至るもそんな事で訴えられたという話は聞かないので、「許容範囲内」ということなのだろう。休憩時間に何をしようと勝手、という恐ろしく個人主義的「水準が高い」思想をお持ちなのかもしれないが。
一を見て十を語るような話は如何かとも思うが、そんなわけで、個人的に私は某蒜噸を余り信用していない。
よって「結婚式は某蛭屯じゃないとイヤイヤ〜ん」とかおっしゃりやがる御方には、頭上から金ダライでも落として、さらには舞台の暗転に合わせて、音楽と共に舞台袖に引っ張っていってやりたいぐらいの感じである。
そんなところだ。

さて本題。
中日新聞(2000年8月8日。なお12版)によると、愛知県警中署では、「お互いをよく知るため」(引用同、以下同じ)に「署員441人の階級と趣味、特技、運転免許の有無、柔・剣道の段級のほか、年齢、身長、体重などを掲載し」た一覧表を、各課幹部に配布したそうである。
この件については、同県警幹部が「善意の取り組みだったが、セクハラが社会問題としてクローズアップされる中、女性の体重まで掲載したことは時代の流れに逆行する」として遺憾の意をコメントしている。
思うに、警察というのは特殊な業務のところであるから、場合によっては女性の体重が必要な情報になることもないとは言い切れない。
更に言えば、女性でなければ良いという話でもないだろう。男性にも年齢、身長、体重を人に知られたくないと思う人はいるだろうに。
まして、今回は「女性の」体重を掲載したのではなく、「女性も」等しく体重を掲載したのだから、これを単に「セクハラ」と片づけてしまうのは拙速に過ぎる(無論、等しく扱えば良いという話ではなく、女性には女性に配慮した扱いは必要だろうが)のではないか。
つまるところ、この件が問題なのは、「健康診断のデータ」や「その他の内部資料」から「本人に無断で記載」して配布されたものである点であろうと思われる。
前掲の幹部氏の発言に敷延して言えば、「善意の取り組みだったが、個人情報の保護が社会問題としてクローズアップされる中、個人情報を無断で掲載・配布したことは時代の流れに逆行する」のではないか、という話である。
だってさぁ、女性でなくても、自分の個人データが流出してたりすんのは、そんなん、気持ち悪いよなぁ。
それだけのことだ。


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