愛と妄想の車椅子
某日、テレビで中尾栄一氏の裁判についての報道をやっていた。
今更政治家のスキャンダルなんぞには興味も無いのだが、そのなかで、裁判は、氏の体調に配慮して、脚のストレッチ等をするための時間をとるための休廷を挟んで行われた、との旨の話があった。
当日、氏は車椅子で入廷したそうである。確かに、長時間座ったままというのは健康に宜しい事ではない。一例を挙げれば、エコノミークラス症候群というのも、最近では良く聞く言葉である。
ではあるが、しかし、車椅子というのはそうした面への配慮が為されていないものなのだろうか。
無論、どんなに良く出来た道具を持ってしても、一定以上の負荷がかかれば役には立たないのは理解できる。ここで言っているのは、ただ、「今ちょっと思ったんだけどさぁ、車椅子って、普通の椅子と比べてシートの出来とかどうなのかなぁ」というレベルの事である。
例えば、自動車用シートのブランドとして有名な「レカロ」というメーカーがある。広告を見るに、最新の人間工学に基づいた、足腰等に負担のかからないシートだそうである。
先にレカロについては「自動車用シートのブランドとして有名な」と書いたが、レカロシートは自動車用シートに止まらず、それを用いたデスクチェアなども存在する。であれば、「レカロシートの車椅子」だって、存在を許されて良いのではないか。
「レカロシートの車椅子」。なんともそそる響きだ。レカロシートならサイドサポートもしっかりしているし、ついでにシートベルトも付けてしまえば、車椅子から投げ出される事故も減る事だろう。グッド。
更に妄想を逞しくしてみよう。以前、某誌で車椅子利用者が「下り坂の途中の曲がり角で曲がろうとすると、倒れそうになる」旨のお話をしておられた。「道の段差が苦である」という話も聞く。
よぉし、それなら姿勢の制御とショックの吸収を兼ねて、サスペンション機構を足回りに奢ってやろう。メカ回りをどこに収めるかが問題だが、折良く新聞に載っていた車椅子の写真を見る限り、シート部の下はクロスバーみたいのが一対通っているだけだ。ここに押し込んでしまえ。形式は、当面はストラットか?で、タワーバーに「クロスバーみたいの」の代わりをもさせるわけだ。ダンパーは当然ビルシュタイン製だな。
レカロシート、4点式シートベルト、ビルシュタインダンパー。おお、何か燃え萌えじゃん。
結構重くなりそうな気はするが、何、気にするな。電動アシスト付きハイブリッド車椅子にすればノー問題。あくまで基本は自走ってとこがポイントだ。
あとはコストですか。ま、クルマだって、ヴィッツで充分な用途なのにセルシオを買う御仁だっているわけだし。作れば、多少高コストでも欲しい人はいるよ、きっと。
っていうか、ビジネス云々は別として、「レカロシート、4点式シートベルト、ビルシュタインダンパー装備の電動アシスト付きハイブリッド車椅子」って作ってみてぇー。うおー、チョー萌えー(妄想)。
季節外れの季節ネタ
皆さんがこれを読んでいるのが一体いつなのか、それは私には判らないが、ともかく、これは12月分なので、クリスマスの話を書く。
さて、クリスマスになると、何やら町中でクリスマスソングが鳴りだすわけだが、その中でもありがちなものの一つに「jingle
bells」がある。「jingle
bells,jingle
bells,jingle all the
way」という、あれだ。
この「jingle
bells」のメロディー、フランスでは「Vive
le vent」という歌詞(フランス語訳ではなく、別の歌詞)でも有名らしい。で、その「Vive
le
vent」、歌詞の大意(訳ではなく、あくまで大雑把なイメージ)は、こんな感じのようだ。
雪の積もる真っ白な道
杖を手に歩く老人
歌うが如く木々を鳴らし
冷たい風が吹き抜ける
「風よ吹け、風よ吹け。
風よ吹き荒れろ。
そして木々に歌わせろ。
ノエルを祝ったあの歌を。
あの頃に見たロマンスを」
あくまでも私の理解なので、ひょっとすると大きな間違いが在るかもしれない。よって、興味のある方は各自で元の詞を参照していただきたい。
とまれ、どうにもフランス人という連中は、丁度彼らの言語がそうであるように、一見ラテンのノリで軽〜く生きているように見えて、その実、底に堪った澱のように、何に付けても人生を引き摺らずにはいられない人種であるらしい。
それで彼らは、やたらと「それが人生ってもんさね(C’est
la vie)」とか口にしたりするのだろうか。
なお、蛇足ながら、比較のために付しておけば、「jingle
bells,jingle
bells,jingle all the
way」部分に対応する最も有名な日本語詞は
「新神戸ぇ?」
「”新神戸”て、
”新大阪”やで」
というものである(激ウソ)。