無差別テロに遭遇した話
判例・通説に依れば、「傷害」とは「人の生理的機能を害すること」だそうで、例えば、殴り付けて骨折させたり、腫れさせたりするのは勿論のこと、嫌がらせの電話でノイローゼにしたり、風邪をうつしたり、果てはキスマークを付けたりするのも傷害に当たるらしい。
であれば、「森(喜朗)さんが辞めない限り、株価は上がりませんよねぇ」などと言いながら、ゴホゴホと帰宅ラッシュの車内で咳き込んでいたサラリーマン氏などは、あれはある種の無差別テロと言うべきモノであったろうか。



脱税に遭遇した話
アンダーグランドな所でドラッグの売買をしている輩、という言い方は聞こえが悪いかもしれないが、地下街にあるさる薬屋さん(多分、薬局ではない)の話である。
お店の入り口のところにはこう記してある。曰く、「消費税は頂きません」と。
言いたいことはわかる。精々が内税法式の表示をしているか、消費税相当分の値引きをしているかと言ったところで、別に消費税の申告をしないという話ではないだろう。まぁ、課税対象になる売り上げが3000万以下なら納税しなくても良い(制度変わったか?)ので、そう言った意味では申告をしないかもしれないが(些か旧聞に属するが、八田達夫氏に依れば、事業者の68%が免税対象になるそうだ。ついでに言うと、業種によっては、例えばチェーン展開しているそれぞれの店舗を独立の事業者として、免税枠に入ることで「節税」を計ったりしているという話もある。なので、この薬屋さんが免税枠である可能性は少なくはない。以上、参考「消費税はやはりいらない」東洋経済新社、1994)。
何れにせよ、「俺は消費税なんて反対だから、その分の税金なんて払わないぜ、ヘイヘイ」という決意表明でもないだろうから、どうでも良い話ではある。
ところがこの薬屋さん、なんとも「日本国の法律、制度を遵守し、日本国民としての義務には全面的に従います」ってな感じの名前なのである。
いや、良く出来た話で。


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