カラスはどこまで賢いか
カラスはどこまで賢いか、という話が、ままある。曰く、彼らは、いかなる防止策を労しても、ごみ箱をあさっていく。又曰く、カラスは、路上を走る車を利用して、硬い殻を持つ物でも割ることができる。
で、ある調査。
中身の見えない複数の容器のうち、マルを書いた容器には餌(食べ物)を入れ、バツを書いた容器には、何も入れないで置く。
と、数度の試行の後、カラスはマルの容器のみを漁るようになった。故に、カラスはマルとバツの区別がつく。同様に、連中はマルと三角、六角形と八角形の区別もつくとの話である。
さらにさらに、彼らは何と、「機」と「械」の区別もでき、「墜落」と「堕落」も見分けるという結果が出ている。
まったく、カラスはどこまで賢いか。別に、読めんでいるわけではないだろうし、その意味するところを認識できているわけではないのだろうけど。私なぞ、アラビア数字も満足に識別できないこともある(主に、自分が殴り書きしたものを何日も経ってから読み返すときなど)というのにねぇ。。



Business Now
アメリカ流のMBA教育、なんていうと、私はどうも「如何にして中身の無い自社株式を高く売りぬくか」とか「"ここまでなら大丈夫"な粉飾決算」なんてやってそう、と思ってしまうのである。
まあ、私がどう思うかなんてことはどうでもいい事ではあるのだが、12月17日各社新聞報道によると、日経の子会社が不正経理を行っていた、とのことである。これがグローバルスタンダードというヤツなのだろう。そういえば、バブル期には「株式投資をしないヤツは馬鹿だ」だの「持ってる土地にビルを建てない経営者は失格」とか言う言説が罷り通っていたっけか。
挙句が本業は堅調でも、っていう黒字倒産の頻発だな。時代の潮流というのは、そういうものなんだろうな、きっと。
さて、グローバルスタンダードの行く先は。



消去法の女王
最近のCM女王は、菊川怜(表記が違うかもしれないが、同定可能な範囲なら気にしないように)だそうである。
確かに、テレビを見ていると、CMの度といって良いほどに、とにかくやたらと出てくる印象でさえある。内容も様様で、あるいは芸風が広いといって良いのかもしれない。
が、正直「これは人選、違うだろう」、「使い方、間違ってます」と突っ込まずにはいられないものも多々ある。
実際、どういった過程で菊川氏が起用されるに至っているのかといえば、大きな理由は「マイナスのイメージではない」ところに加えて「学歴が学歴なので、大企業の上のほうの層の覚えがめでたい」ということだそうだ。端的には、「デフレ下で、企業がリスクを怖がるため」とCM総合研究所は言う。つまるところ、不況下で広告費も厳しいんで、下手な博打は打てない。とりあえず、上司から怒られないようなものを、という感じか。
嘗て、広告も打たずに物が売れるか、と言った御仁もいたそうであるが、あっちの世界には、上司の顔色窺ってるような広告で物が売れるか、という空気はないものなのだろうか。まあ、広告代理店にもクリエイター方面にも、クリエイティビティのある人材がそうそう転がっているわけではないという事情はわかるんだが。



5分と9万円
全国平均にして、国民一人あたり毎日約5分の時間と、9万円のお金を無駄にさせられている。
何の話かというと、国土交通省のまとめによる、渋滞による損失である。つまり、平均すると、渋滞に巻き込まれることで、毎日5分の時間を無駄にし、年間にして9万円の無駄を強いられている、という話だ。尤も、これは路線バスなどに専用機器を装着し、渋滞データを集め、渋滞で余計にかかった時間に労働単価(2300円/H)をかけただけの数字であり、実際に種種の効果を考えれば、当然この程度の数字ではない、ということになる。一説には、日本全体で2兆円の損失が出ているとも言われるのが渋滞の効果である。
では、たとえば毎年2兆円の事業費をつぎ込んで道路の拡張やバイパスの整備を行えば、収支はトントンで、はるかに満足度の高い結果が得られる。然るに、あと2兆円、毎年の道路事業費を増やすべきである。そしてそれは、政府支出と雇用の増加につながり、景気対策、社会安定化対策にもつながる、一挙三得、四得の方策である。
・・・なんてことも言えそうにも思えるが、そもそもが「国民一人あたり毎年9万円」と「政府支出を2兆円」で収支がトントンってのは乱暴だろう。それならば、そのマイナスの解消に使いますよ、ってんで一人あたり9万円の増税にしないとマズイだろう。さらにいえば、渋滞解消策は、何も道路建設だけでもない。ベッドタウン部の駅近くに駐車場を確保したりしてパークアンドライドの促進、とかの方がスマートだろうに。
まあ、国交省が出してきたんだから、もっと道路を、っていうお話なのかもしれないけどさ。



法と正義の経済学
東京では石原知事が都心のど真ん中(余談だが、"ど真ん中"という表現は関西オリジンであり、東京スタイルとしては、"まん真中"などと表すのが正しいらしい)に刑務所を作ろうとして非難囂々だったようだが、ところ変われば事情も変わる、地方へ行けば刑務所の誘致合戦なんてものまであるのである。
もちろん、刑務所にオトコのロマンを感じるマニアの所業ではなくて、刑務所受け入れに伴う補助金と、職員、家族の移転による人口増、地域の活性化を見込んでのものである事は言うまでもない。
本来なら、刑務所なぞはNot in my backyardな施設なのだろうが、まあ、歳入が伸び悩み、財政が苦しくなれば、奇麗事ばかり言ってはいられない、ということだ。
同じく犯罪者収容施設がらみなのだが、米ケンタッキー州では、財政難を理由に拘置所に拘置されている受刑者数を減らすことを決定したそうである。軽犯罪者や非暴力的犯罪による短期の受刑者567人を釈放することで経費の削減を図るものである。なお、受刑者一人あたりに係る経費は一日およそ29ドルという話だ。
「まあ、連中はすぐに戻ってくるさ」とは同所の職員の弁。リスクとコストのトレードオフ。600万ドルの赤字財政とも言われる同州とすれば、確かに、それも一つの正義ではある。


愛ゲーの表紙に戻る