品質保持期限の期限の問題
新聞報道に拠れば、然る中堅乳製品メーカーが、品質保持期限の改ざんを行っていた、との事である。
同社は、1月10日に市の給食センターに納入し、返品された業務用ヨーグルトを、営業部次長(当時)の指示により、「1月23日」の品質保持期限を「同24日」から「2月1日」までに書き換え、数度に分けて出荷した、とある。

品質保持期限が書き換えられていたことは問題である、とする。
と、ここで当初の1月23日まで(製造から2週間)というのは、あくまで同社側の設定した目安期間である。
きょうび、品質保持期限の日から日付が変わったら、突然に食物が腐敗を起こす、などと思っている人もいないだろう。品質保持、という点でいえば、製造から1ヶ月たっても(つまり、同社が書き換えた「2月1日」どころか「2月10日」くらいになっても)、問題ないそうである。
品質保持期限の「期限」が不当な表示になっていた、という問題であれば、ここに問題はあるだろうか。

もちろん問題はあって、そもそも最初に返品された理由は、その製品の一部が、食品衛生法で定められた「10度以下」という基準を満たさない14から18度の状態で保管されていたためである。
これはわかりやすく法令違反であるし、何より食品衛生上の問題がある(とはいえ、18度という温度にどの程度のリスクがあるかというと・・・)。例の雪印の件の教訓は業界に全く活かされていないという事だろうか。

かかる問題はあるにせよ、「品質保持期限改ざん」のリードでは、改ざんされた後の「品質保持期限」の「期限」が「品質保持」の「期限」の範囲内である以上、論点のミスリードになりかねない。こんな危惧は、あまりに一般読者の理解力を侮った考えだろうか。

・・・などと思いつつ冷蔵庫を開ければ、製造日から3日の品質保持期限が切られている生鮮食料品が、既に期限切れ5日の状態で鎮座ましましている。
「ダイジョウブでしょ、変なニオイしてないし」
ああ、生活者は強いのである。でも、それは違うだろ、おかん。



即効マニフェストへの道・副作用注意
今となっては別に珍しいことではないのかもしれないが、東京都の特養老人ホームで、従業員に残業をさせたにもかかわらず、割増賃金を支払わなかったとして、同園を経営する社会福祉法人の理事長が逮捕されたとの事である。
なお、サービス残業で経営者が逮捕されたのは、この事件が全国ではじめて、とある。
もちろん、逮捕されたのはこの事件がはじめて、というだけで、サービス残業自体は、ほぼすべての企業で常態化しているといっても過言ではないだろう(中には、仕事もないくせに、付き合いで残っているだけ、というのもまた、ほぼすべての企業で常態化しているというのも、一面の事実ではあるのだろうけど)。コンプライアンス、という掛け声はどこにいってしまったのだろう。
このデフレ下で、きちんと残業代をつけていたら企業の競争力が云々言う経営者もいるのだろうが、法令違反しか打つ手がないようでは、このデフレ化で、そんな無能な経営者をのさばらせておくのは、それこそ企業の競争力に深刻な悪影響があるのは目に見えている。一刻も早く市場から退場頂くのがベターなビジネスソリューションである。
それどころか、一般的なワークシェアリングなら、今の社員(従業員)にも痛みは出るだろうが、サービス残業の撲滅なら、社員の取り分は減らない。そのうえ、民間シンクタンクの試算では、サービス残業の撲滅で百数十万から二百万の雇用が創出されるそうである。

今回(2003年)の衆院選における自民のマニフェストでは、まず今後二年で300万の雇用創出、とある。大方達成である。福祉・介護の分野で雇用創出、とか言ったって、実際には雇用(求人)が少ないことより、需給のミスマッチが大きな問題であることからすれば、このデフレ下に、これは美味しいと思うのだが。如何でしょう。ソーリ、ソーリ、ソーリ!



極楽泡天国
自動車業界、というと、ひょっとして油にまみれて機械をガシガシ、というイメージの方も居られるかもしれないが、今回、トヨタ自動車系のアイシン精機が、「泡のお風呂」を開発したそうである。
「泡のお風呂」といっても、従来の入浴剤を浴槽のお湯に入れた上で泡立てる従来のものと違い、こちらはお湯と入浴剤の混合液に空気を送り込んで撹拌し、泡だけをお風呂に満たす仕組みだという。
さらにさらに、こいつはカッコだけの「泡のお風呂」ではなく、使用水量は通常の「浴槽にお湯を張る」式に比べ30分の1程度で済み、また水圧による心臓等への負担も少なく、高齢者・心肺系の疾患のある方にも適した、いわゆる「人と地球に優しい」いまどきトレンドの王道を行く、「ナウなヤングにバカ受け」アイテムである。

もっとも、考えられる弱点として、湯船にバラの花を浮かべて「バラのお風呂よ〜ん」とかできなさそうとか、ワイン風呂とか紅茶風呂でやったら色が嫌そう、などが考えられる。
で、デモンストレーションで体験したモデルさん(イベントコンパニオンですか?)の言。
「雲の中にいるみたい」
ん〜、ちょっと良いかも。


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