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高血圧

 〜血圧とは〜    

 血液を全身に送る為に心臓は強い力で血液を動脈に送り出します。血圧とは心臓が送り出した血液が血管壁を押す圧力のことです。上の血圧(収縮期血圧)は心臓が血液を動脈に送り出している時(収縮期)の血圧で、下の血圧(拡張期血圧)は心臓が血液を送り出し終わった時(拡張期)の血圧です。

 血圧は普通、高血圧、低血圧のどちらかに大別されることが多いでしょう。ところが実際には、書店などで見かける本の約90%以上が高血圧に関する内容です。これは、低血圧に比較して高血圧の重要性が注目されているということに他なりません。実際に、高血圧は最もポピュラーな疾患の1つで、日本人の50歳以上では50%が高血圧の範囲に入っていると言われています。高血圧を放っておくと、脳卒中や心臓病、腎臓病などの合併症を引き起こす恐れがあります。しかし、高血圧は自覚症状が少ないこともあり、血圧を良好にコントロール出来る人は少ないのが現状ではないでしょうか?高血圧は生活習慣病の代表的な疾患で、その原因はストレス、肥満、運動不足、塩分の摂り過ぎなど、色々です。

 

●高血圧の基準●  

 最近は基準値は厳しくなり、WHOに於いて、上が135、下が85と2003年から改定されました。

高血圧の原因●

 高血圧の80%は原因不明の本態性高血圧とされ、そのうち約40%に遺伝が関係し、その他は生活習慣だと言われています。あとの15%は習慣性高血圧と言い腎臓に関する血圧、残る5%は副腎などから分泌されるホルモンの異常と言われています。原因が明らかな高血圧のことを二次性高血圧といい、手術などで起きることもあります。体質、遺伝、両親が高血圧など、家系的に高血圧が多い場合は、リスクが高くなりますので、注意して早期に発見することが大切です。

●血圧って一日中同じ?●

 血圧は1日中変動しています。通常、血圧は夜間低く、朝方から上がり、昼間最も高くなりますが、朝方高いのが早朝高血圧です。早朝高血圧は、脳卒中や心筋梗塞の発症に深く関係していると考えられています。そのため、早朝高血圧の注目度が増しているのです。昨今では、性能も上がり、普及の目覚しい家庭用血圧計ですが、そのパンフレットにまで早朝高血圧が取り入れられている程です。血圧計をお持ちの方は、起き抜けの血圧を測るようにしましょう。

 患者さんからの訴えで良く耳にするのが、家で測ったら正常なのに、病院で測ってもらうと高く出るというものです。その原因として最も考えられるのが、白衣高血圧、診療所高血圧と言われるものです。名前の如く、白衣を見たりすると緊張度が高まり、血圧が上がってしまうのです。あまり心配な場合、また何ヶ月も続く場合には、24時間血圧を付けて測りますが、殆どの人が安定しているようです。

 また、年齢を重ねるにつれて動脈硬化が進行します。動脈硬化は、太い動脈を風船に見立て、風船のゴムが硬くなった状態に例えられます。硬いゴム風船を膨らませても(収縮期)風船が硬いためあまり膨らみませんので、風船内の圧力が上昇します(収縮期血圧)。膨らませるのを止めると(拡張期)、膨らみが悪い風船からはすぐに空気が抜けて風船の圧力が低下します(拡張期正常または低血圧)。

 これが最大血圧のみが上昇する「収縮期高血圧」の主な原因です。従って最大血圧から最小血圧を引いた脈圧が大きくなるのは、太い動脈の動脈硬化の程度を反映しているとされ、最近では脈圧が大きいのも危険とされているのもこの為です。

 

 では、何故このような現象が起きるのでしょうか。何と言っても第一は食事です。特に塩分の摂り過ぎが最重要課題と考えられています。日本人の食生活は漬け物や味噌などの保存食に代表されるように、非常に塩分の摂取量が多くなりがちです。殊に高齢者の高血圧症が多いのは、この食生活が原因と言われてきました。まずは塩分を減らすことが必要です。1日の塩分摂取量としては、いくつか説はありますが、概ね7g前後が理想とされています。

 

また、精神的ストレスも血圧にかなり影響してきますので要注意です。日頃から適度な運動を心がけて心身をリラックスさせるようにしましょう。

これら高血圧原因の2つのタイプ、本態性高血圧、2次性高血圧が続くようであると、脳、心臓、腎臓、動脈などにかなりの影響を与えますので、よく検査することをお勧めします。また、薬物療法も大切な治療です。

 

〜降圧剤の種類と食品の関係について〜

薬物療法と一言に言っても、降圧剤の中には色々な薬があります。何の原因で血圧が上がっているのか、それによって薬が違います。また、薬の中には、食べ物によって、その効果を消してしまったり、逆に強めてしまったりするものもあります。食べ合わせによっては危険を伴う場合もあり大変重要な問題ですので、ここで代表的な例を挙げてご紹介します。

例えば、フェロジピンを主成分とする降圧剤(カルシウム拮抗剤)ですが、この薬は、心筋の緊張を和らげるとともに、冠動脈を拡げて血行を改善し、末梢血管を拡張して血圧を下げる作用があります。この薬を服用している人は、グレープフルーツを食べると、グレープフルーツの中に含まれるナリンジンという成分がフェロジピンを代謝する酵素の働きを弱め、フェロジピンの血中濃度が上昇してしまいます。このため薬が効きすぎて血圧が下がり過ぎてしまい、めまい等を引き起こすことになります。健康効果が高く話題にもなったグレープフルーツですが、この種の降圧剤を服用中の方は注意が必要です。

 

 また、血管拡張性降下剤(主成分塩酸ヒドララジン)は、末梢動脈の筋肉に作用してその緊張を緩め、血管を拡張することによって血圧を下げる薬です。この薬を、亜鉛を多く含む食品(特にレバー、蠣、ホタテなど)と一緒に摂ると、降圧剤の作用が増強して、頭痛、関節痛、起立性低血圧などの副作用が出る場合があります。

また、交感神経中枢抑制剤の主成分メチルドパは、中枢神経に作用して、末梢交感神経の働きを低下させ、末梢血管を拡張して血圧を下げます。薬を服用した後に、肉や魚、卵などの高タンパク食を摂ると、タンパク質に含まれるアミノ酸が胃壁からのメチルドパの吸収を阻害し、その結果、降圧剤の効果が低下してしまうのです。この種の薬を飲んだ後は、高タンパクの食品は食べない方が良いと思われます。

この様に、全ての薬には作用と副作用があり、その効果を正しく生かすには食品との関係性も重要です。降圧剤は大変効くものですが、食べ物や飲み物によってはこわいものになってしまうのです。降圧剤の種類は大変多く、ここに取り上げたものはほんの一部です。服用の際には専門の先生と良く相談して、安全に効果的に薬を利用して頂きたいと思います。

 

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