(「衝撃のイメージ」）
ソロ活動（その１）
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(「衝撃のイメージ」）
EWGので活動を終え、満を持して発表したDanのファースト･ソロアルバム。
巨大なマネキン(?)の支える鏡に写った、黄色いシャツを羽織ったDanの姿が印象的なジャケット。
ちょっと異様に色黒なのと、肩幅の広さはナニゴトという感じもありますが（裏ジャケ写真もかなりお化粧入ってますねえ）、ともあれDanは本作でソロデビューを飾った訳です。
演奏の基本メンバーは、
Dan Hartman
John Siegler (Bass)
John Wilcox (Drums)
で、Danはボーカル、ギター、キーボードの他、曲によってはベースやドラムもこなしています。
両Johnは共にTodd RundgrenのUtopiaに在籍した人たちですが、本作ではドラムのJohnのみその旨のクレジットがされていて、ベースのJohnは既にUtopiaを離れつつあった時期なのかもしれません。
Wilcoxはこの後"4人Utopia"のメンバーとして長く活躍、SieglerはHall
& Oatsのバンドに在籍した他色々なセッションに顔を出していますが、最近では米国版ポケモンのテーマのプロデューサーとして知られています。
両Johnが共演しているアルバムには他にUtopiaの"Another
Live"、Toddの"Faithfull"などがあります。
ゲストとして
Carl Hartman (Whistle)
Edgar Winter (Sax)
Ronnie Montrose (Guiter)
Clarence Clemonse (Sax)
Randy Brecker (Trumpet)
他が参加。
CarlはDanのお父さん。みごとな口笛。
RandyはBrecker BrothersのRandyですが、完全にホーンセクションの一員になっているだけでソロなどはないんでご注意。
ClarenceはE-Street Bandのメンバーとしてお馴染みですね。
さて、楽曲ですが、下記の通り、Edgar Winterと共作の1曲を含めて全てDanの自作曲となっています。
"Hear My Song"(Winter/Hartman)
"High Sign" (Hartman)
"On The Telephone"(Hartman)
"Thank You For The Good Times"(Hartman)
"Lighthouse" (Hartman)
"My Love" (Hartman)
"Shake It Down" (Hartman)
"Love It Too Much" (Hartman)
"If Only I Were Stronger" (Hartman)
"Can't Stand In The Way Of Love"(Hartman)
"The Party's In The Back Room"(Hartman)
"My Love"までのA面とB面では曲想が若干異なっていて、泣きの涙の大ポップ大会のA面に対して、後の活動を暗示する様なソウルフルな味付けのB面、と言いましょうか。
それじゃあロックはどこに行ったの、ってえのが最大の問題点だったのかな、という気がしないでもないのですがね。
当時まだ日本ではこれはロックだ、これはポップスだ、というような区別がけっこう大事な時代でして、この種のものはなかなか受入れられる"場所"が無かったのだと思います。
下に引用するローリングストーン誌の評、基本的に誉めてはいないワケなんだけど、いまこれを読むと却って聴いてみたい、という興味を持つ方がいるかもしれませんね。
Review from Rolling
Stone, November 4th 1976:
Dan Hartman, who wrote Edgar Winter's hit "Free Ride",
could give Eric Carmen a run for his money in the singles market,
since almost everything on his debut album is reminiscent of one
or more proven commercial formulas. A multi-instrumentalist,
Hartman shows a knack not just for writing hooks, but for
arranging, playing and producing them in a wide variety of AM
radio styles. If his solo vocal tracks reveal a Burton Cummings
sound alike, his multiple vocals skillfully imitate Orleans
("Hear My Song"). Wings ("High Sign""On
The Telephone"), Chicago ("Lighthouse"), the Four
Tops ("Cant Stand In The Way Of Love") and Hall and
oats ("If Only I Were Stronger"). But where Carmen's
eclecticism charms with aggressive opulence, Hartman's less pushy
imitations align more candidly with rock's "bubblegum"
tradition. The difference may be crucial to Hartman, since today's
commercial rock scene is a horse race which demands that every
new cat, in order even to place, must fight to outdo the
competition, not merely keep up with it.
Stephen Holden
本作残念ながらCD化されて居らず、また他のコンピレーションCDなどに含まれている曲も有りません。