ソロ活動(その2)

Who Is Dan Hartman And Why Is Everyone Saying Wonderful Things About Him?


さてこの長々としたタイトルの盤は一体なんであるか?
恐らく相当なファンの方でもご存知ないと思いますが、これは"Images"と同時期にラジオ局に配布されたプロモーション盤のようでありまして、収録曲は下記の通り、DanがそれまでEdgarやJohnnyに提供した曲を集めたもの。
従って本来ソロ盤の中に入れるのは筋違いかもしれませんが、ま、数少ないDan名義の盤の一つということで紹介させて下さい。

Side1

"Free Ride"
(Hartman)
The Edgar Winter Group
Lead and background vocals, introduction rhythm guitar by Dan Hartman
"Easy Street"
(Hartman)
The Edgar Winter Group
Bass guitar - Dan Hartman
"Rollin' 'Cross The Country"
(Winter/Hartman)
Johnny Winter
Bass guitar, rhythm guitar - Dan Hartman
"River's Risin'"
(Hartman)
The Edgar Winter Group
Lead and background vocals/acoustic rhythm guitar, bass guitar - Dan Hartman
"Diamond Eyes"
(Winter/Hartman)
The Edgar Winter Group With Rick Derringer
Lead vocals, background vocals by Edgar Winter & Dan Hartman

Side2

"Hangin' Around"
(Winter/Hartman)
The Edgar Winter Group
Lead and background vocals/rhythm & bass guitar - Dan Hartman
"Tell Me In A Whisper"
(Winter/Hartman)
Edgar Winter
Drums: Dan Hartman, Engineer & co-producer: Dan Hartman
(Winter/Hartman)
The Edgar Winter Group With Rick Derringer
Lead and background vocals/bass guitar - Dan Hartman
"Can't You Feel It"
(Hartman)
Johnny Winter
"One Day Tomorrow"
(Winter/Hartman)
Edgar Winter
Drums, bass guitar, rhythm guitar, background vocals - Dan Hartman

Danの担当楽器などの表記はこの盤に記載されているのをそのまま写しておりますが、面白いのはEdgarの"Jasmine Nightdreams"からの2曲でドラムを担当、と書かれているところでしょうか。元版には詳しいクレジットが表示されていないので、これも貴重な資料ですね。
同様、"Free Ride"(ここに収録されているのはアルバム・バージョン)のところに、イントロのギターはDan、とはっきり書かれているのも面白い。
Ronnie MontroseでもRick Derringerでも無かったワケです、あれは。

ライナーノーツにも面白いことが色々と書かれていますので、少し長くなりますが翻訳してみますね。

 キャリアの或るポイントにおいては、全てのアーチストは新しいアーチストである。うち何人かはしかし、他より新しさがちょっぴり少ない。
 指摘しているのはDan Hartmanの例だ。"Images"はDanのファーストアルバムだが、その歌声とソングライティングのスタイルは、彼のEdgar Winter Groupにおける成功により、既に米国ロックンロール界ではおなじみのものになっている。
 Danは1972年の1月にEdgarと合流すると、歌唱、曲作り、ギターとベースの演奏、そしてプロデュースという多面な才能によってたちまちバンドの重要な一部となった。
 "They Only Come Out At Night"はEWGの最も成功したアルバム(200万枚近くを売りいまだに売れつづけている)だ。このアルバムでの曲作りはDanとEdgarによって公平に担当されている。「Danはぼくに、コマーシャルな曲を書くことについていろいろ教えてくれた」とEdgarはいう。「彼はいつもラジオを聴いているんだ」。Danはグループのヒット曲"Free Ride"と"Hangin' Around"の作者でありリードシンガーであった。
 Dan Hartmanはペンシルバニア州ハリスバーグで1950年12月8日に生まれた。1963年にはローカルグループでキーボードを弾き始めた。17歳の時、ペンシルバニアのボールドウインスタジオでロックバンドのプロデュースを始めたが、その時までそのスタジオはゴスペルのレコーディング以外に使われたことはなかった。
 1971年の夏、Danは13のオリジナル曲を、全ての楽器を自分で担当して録音した。彼は自分の作品を何人かの業界関係者に送ったが、その中に含まれていたのがSteve Paulだ。Steveはテープを聞いてDanにEWGの結成を進めていたEdgar Winterのオーディションに参加するよう求めた。Dan曰く、「ぼくにはエレクトリックレディスタジオから仕事のオファーがあったんだけど、ある晩ホテルの部屋でEdgarとジャムってるときに二人ともそいつが気に入ってしまったんだ。」EdgarもDanの作品が気に入ったが、「でもいちばん重要なのは、Danはばっちりな人材だった、ってこと。彼はバンドという枠のなかでやりながら自分自身をいろいろなやり方で表現できる人間なんだ。」
 Steve Paulは、Dan Hartmanは多彩な音楽的才能と、成功に欠かせない忍耐力と自己コントロール力を完璧に兼ね備えていると考えている。Danに感じた強い第一印象についてSteveは、「彼はテープを送ってきた。そこには"Free Ride"を含む13曲が入っていて、全部Dan Hartman作だった。テープのクレジットにはDanが全ての楽器、リードギター、ベース、ドラム、ピアノ、オルガンを担当し、リードボーカルとコーラスもつけていると書かれてあった。テープのプロデュースとエンジニアも自分。よくできていたよ。それから、手紙とラベルの情報も自分でタイプしたんだけど、そのタイピングも完璧だった。」
 DanがEWGのメンバーとして書いた多くの曲がシングルとしてリリースされている。"Shock Treatment"の"Easy Street"や"River's Risin'"、"The Edgar Winter Group With Rick Derringer"の"People Music"や"Diamond Eyes"(共にEdgarとの共作)がそうだ。
 DanはEdgarのソロアルバム"Jasmine Nightdreams"でもEdgarと密接な協力を行った。彼は2つの曲("One Day Tommorow""Tell Me In A Whisper")を共作、コプロデューサーとエンジニアも務めている。
 "Who Is Dan Hartman And Why Is Everyone Saying Wonderful Things About Him ?"は、Dan Hartmanの才能を再度紹介するために制作された。Danのブルースカイからの初LP、"Images"を補足するものとして番組作りの材料に使っていただきたい。両方のアルバムの作品の相乗効果で、リスナーにDanの才能のいろいろな面を理解してもらえるだろう。

ふう。
このLPを手に入れたときはさすがに嬉しかったなあ。ブルースカイは結構特別なプロモ版を出していて、"Together"の頃のJohnnyとEdgarのインタビュー版、デビュー当時のDerringerのライブなどが知られていますが、いずれも現在の入手はかなり困難みたいです。
ちなみにこの盤、ワタクシは渋谷ファイヤー通りのHi-Fi Recordさんで手に入れました。感謝!

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