フランス VS セネガル

 注目度:★★★
 2002年日韓共催ワールドカップの記念すべき開会試合である。というわけで注目度は3つ星。
 この試合意外に面白いことになるかもしれない。というのもセネガルは他のアフリカ系国家と違い、身体能力やフィジカルに頼るサッカーを標榜していないからだ。むしろ、代表選手の多くがフランスリーグで活躍しているということもあり、本国フランスのエスプリさえ感じるサッカーをする。そのことは昨年11月の日本代表との親善試合(0-2で日本の敗退)を見ても充分に理解できる。それはそれで個人の力に頼らずに組織で戦うサッカーということで素晴らしいのだが、この場合、相手国が本家本元のフランスであるから分が悪いのは当然。もし、見事に噛み合い、おまけにフランスが緒戦ということで力を入れてきたら大差の試合になることも考えられる。日本がサンドゥニで出遭った悲劇(0-5で大敗)がセネガルに待ち受けていることも考えられる。逆にフランスが緒戦を堅く戦ってきたとしたら、2-0、セネガルが死ぬ気で守りだけのサッカーに走れば、1-0という結果も考えられる。セネガルにしてみれば、その他のウルグアイ、デンマークとの勝ち点差を考慮に入れるべきだろうから、この試合はとにかく守る。そして得失点差を如何に少なくするかが予選リーグ突破のカギを握るだろう。観戦者としてはがっぷり四つに組んで戦う姿が見たいのだが。
 というわけで予想は、2-0でフランス。
 注目選手
 フランス:全員、じゃなんなので、ジダン、アンリ、ヴィエイラ、ウィルトール(攻撃陣)
 セネガル:ディウフ、ファディガ

アイルランド VS カメルーン

 注目度:★☆
 この試合はズバリ、アイルランドの堅守とカメルーンの個人技の戦いになる。カメルーンはシドニーオリンピックでも優勝し、ここのところ波に乗っている。だが、ビザ発給問題で来日が遅れたりと相変わらずアフリカ特有の今日のゴタゴタが足を引っ張っている。カメルーンの選手の身体能力とスピードとアイルランドの激しいタックルやフィジカルの正にぶつかり合い、という試合になるだろう。アイルランドとしてはカメルーンがリズムを作るまでに、とにかく倒して倒して倒しまくり、相手の苛立ちを誘いたい。さすればカメルーンは自爆し、アイルランドの楽勝になるはず。しかし、それが上手くいかずにカメルーンが乗ってしまったら…。
 というわけで予想は、難しいところだが、欧州予選を見る限りアイルランド有利。ということで、2-1でアイルランド。
 注目選手
 アイルランド:世界一の闘将、ロイ・キーン、イアン・ハート、マカティア
 カメルーン:エムボマ、ジェレミ、ソング

【追加情報】  なんとアイルランドの精神的主柱であり、今大会注目選手の一人であったロイ・キーンがマッカーシー監督との確執が原因で強制帰国。これは痛い、痛すぎる。直前の親善試合では両国とも好調な様子。翻って私の予想は2-1でカメルーンに変更。

ドイツ VS サウジアラビア

 注目度:★☆
 個人的にドイツは好きなので星2つでもよかったのだが、一般の注目度はこんなものだろう。サウジはまたしても予選リーグ突破が難しいグループに入った。アジアの先駆者としては頑張って欲しいが正直難しいだろう。アジアカップの決勝では日本を苦しめたが、当時と比べると戦力はダウンしている。サウジの苦戦は必至。といいたいところだが、ドイツも不安材料は山積み。直前に来て主力の怪我が響いている。特にダイスラーがW杯絶望となったのは致命的。正直、FW陣は今ひとつなだけに、ここは「つまらない」と言われても嘗てのガチガチサッカーからカウンターで一発、という試合運びでもいいからとにかく勝ち残って欲しい、というのがファンの偽らざる心境だ。ドイツが守りに徹すればサウジは手を足も出ないはず。しかしここできっちり勝ち点を取っておかないと、ドイツとしては後が苦しいのも事実。とにかく前半はひたすら守り、チャンスがあればカウンター。後半は高さと強さを生かして早めに前線にロングボール。こういった戦いになるだろう。サウジとしてはカウンターに対してのカウンターがチャンス。しかし、中盤での勝負は圧倒的に分が悪い。ここはサウジとしても守りに徹するしかないだろうから、凡戦の気配濃厚。うーん、注目度はひょっとしたら星1つかも。ただし、両国のキーパー、カーン対デアイエの対決は要注目。
 というわけで予想は、1-0もしくは2-0でドイツ。ただ、番狂わせも…あって欲しくない。
 注目選手
 ドイツ:これまた世界の闘将、オリバー・カーン、ツィーゲ、バラック
 サウジ:アル・デアイエ、シャハラニ

アルゼンチン VS ナイジェリア

 注目度:★★☆
 死のグループF組の口火を切っての対戦。アルゼンチンは何と言っても優勝候補の一角なだけに負けられない。しかしナイジェリアも波はあるが乗ったら無敵に変貌するチーム。これはもう見てみるまでわからない。順当に行けば戦力的にはアルゼンチンのが上。今大会のアルゼンチンとフランスはハッキリ言って隙がない。負けるとしたら油断か、相手が絶好調だったか、どちらかだ。ナイジェリアはどこまでコンディションを整えて戦えるか、そこにかかっている。前述したようにノッてしまえば無敵になることもあるだけに、選手のモチベーション次第か。前回大会ではリーグ緒戦でスペインを4-0で降したこともあるだけにアルゼンチンも油断は出来ない。あまり噛み合わないチーム同士だがハイレベルな攻防が見られることは間違いないだろう。個人的にはバティストゥータの出番はあるのか、が注目。冷静に考えればクレスポだよなあ。
 というわけで予想は、アルゼンチンが優勢ならば3-1、ナイジェリアが絶好調なら逆に3-1。でも読めん。当たらんと思う。
 注目選手
 アルゼンチン:全員、ではあれなので、クレスポ、ベロン、シメオネ、バティストゥータ
 ナイジェリア:カヌー、オコチャ、ババンギダ、オリセー

イングランド VS スウェーデン

 注目度:★★☆
 死のグループF組のもう一試合。因縁を感じるのはイングランドのエリクソン監督はスウェーデン人だということ。これでイングランドがもし負けるようなことがあれば、また一部のフーリガンがエリクソンを批判することもありうる。順当にいけばイングランドが辛勝、ということになるだろうが、スウェーデンは侮れない上にW杯では大物食いをするので有名だ。'94年のアメリカ大会ではあれよあれよで3位になってしまったという前歴もある。またイングランドの戦術は高さを活かしたカウンターに必ずしも強いとはいえない。先日の日本対ノルウェーの試合を見ても分かるように単純ながら絶大な真価を誇るのがあの戦術だ。イングランドとしてはDFの高さ、フィジカルがスウェーデンのFW陣に負けている、というわけではないが両サイドが前線まで上がって攻撃することが前提となる戦術のため、その裏を取られやすく、センタリングを上げられやすい、という欠点を持っているのだ。スウェーデンとしてはお国柄である堅守、カウンター(それもセンタリングからヘディングシュート)というお家芸を如何なく発揮してくるだろう。FWのラーションの得点力も怖い。イングランドはとにかく中盤を支配し、スピードで相手を翻弄することが勝利への道。そのためにはサイドからのセンタリングよりも中盤でためてからオーウェンへのスルーパス、という方が得点の確率は高く、失点の危険性も少ないだろう。最大の注目はベッカムが緒戦から登場するかどうかということなのだが。
 というわけで予想は、希望も込めて2-1でイングランド、しかし番狂わせの可能性は否定できない…。
 注目選手
 イングランド:世界の貴公子・デヴィッド・ベッカム、オーウェン、キャンベル、ジェラード
 スウェーデン:ラーション、リュングベリ

スペイン VS スロベニア

 注目度:★★
 ワールドカップの度毎に優勝候補に挙げられながら常に苦杯をなめてきたスペイン。今回こそ、という意気は高い。四年前にも無敵艦隊の呼び声が高かったが、今回は更にスケールアップ。確かに顔ぶれだけ見れば優勝も可能だろう。しかし、身に付いた負け癖が簡単に治るものかどうか。攻撃陣はラウルを筆頭に非常に魅力的だが、対してディフェンス陣は年齢が高いだけにスピードに不安は残る。イエロを中心としたDFがどこまで安定できるかが鍵。スロベニアはハッキリ言ってしまえばパッとしないチーム。しかし、欧州予選を無敗でプレーオフを勝ち抜いた粘り強さは要注意だ。4年前と殆どメンバーを変えずチームの熟成度、組織力を高めた結果だろう。とはいえスペイン相手では分が悪い。ここは引き分け狙いでひたすら我慢。しきれれば勝ち点1、でなければ順当にスペインの勝利。  というわけで予想は2-0スペイン。だが、スペインは緒戦弱いからなあ…('98大会ではナイジェリア相手に1-4で負けている)。
 注目選手
 スペイン:ラウル、イエロ、カニサレス、メンディエタ
 スロベニア:ザボビッチ、ノバク

イタリア VS エクアドル

 注目度:★★
 今大会ではフランス、アルゼンチンに次ぐ優勝候補イタリア。昔はスロースターターで有名で、リーグ戦は今ひとつということも多かったが、現在の勝ち点システムになってからはその傾向も薄れてきた感がある。そして今回のメンバーはとにかく強い。カテナチオで知られる堅守(今ではこの呼び名は正しくないが)は当然のこととして攻撃陣も凄い。どこをとっても穴はなし、イタリアに勝つにはイタリア以上のチームを作るしかないわけだ。おそらく準決勝までは余裕で勝ち残るだろう。エクアドルもなかなか面白いチームだし、その得点力とフィジカルは見逃せないが、如何せんイタリアの敵ではない。ここはとにかく得失点差を気にして頑張れ。だが、この国の良さは決して勝負を最初から諦めるような態度を取らないと言うことでもある。だが、今回ばかりはそれが致命傷になるかも…。
 というわけで予想は、3-0でイタリア。展開次第ではもっと大差もありうる。そのくらいイタリアは強い。
 注目選手
 イタリア:ローマの王子・トッティ、デルピエロ、マルディーニ、っていうか全員
 エクアドル:デルガド、アギナガ、カビエデス

日本 VS ベルギー

 注目度:★★★
 正直、私は日本代表に対する愛着は薄い方だと思う。しかしまあ、ここは注目度三ッ星ということでいきましょう。日本にとっては予選リーグ突破云々と言う前に、まずはワールドカップ初の勝ち点を取って欲しい。つまりは引き分け以上を。そのためには守備的(意識はあくまでも攻撃的)な戦術でもここは目をつぶりたい。となると注目の両サイドは先日のスウェーデン戦通り、左に服部。右に小野もしくは明神という形がいいのではないだろうか。それからベルギーのフィジカル、高さを考えた場合、フラット3は、中央に森岡(秋田)、右に秋田(松田)、左はいつもの通り中田浩二の可能性が高い。ベルギーは、強い。調子が上がっている。先日はフランスにアウェーで勝利までもぎ取っている。フランス選手のコメントを聞いてもベルギーは相当強いことが窺えたし、個人的にはここは頑張って引き分け狙い、というのが無難ではないだろうか。まだ次戦のロシア戦のほうが勝てる見込みはある気がする。そうは言っても地元でのワールドカップ。私も含めた無責任な大多数の国民サポーターは勝利を求めているだろう。引き分けで許される雰囲気ではない。しかし、ここはあえて引き分けでよしとしませんか?。っていうかトゥルシエが冷静にそう判断してくれることを祈る。
 というわけで予想は、0-0もしくは1-1。勝てるなんて言えません。
 注目選手
 日本:この試合では、稲本、戸田の両ボランチ、森島かな
 ベルギー:デブリーゲル、ウィルモッツ、ソンク

韓国 VS ポーランド

 注目度:★
 個人的にはフース・ヒディング監督が韓国代表をどのように変身させたのか非常に気になる試合だが、世界的には注目度はこんなものだろう。ここ最近の韓国代表はとにかくDFが安定している。昔の特攻精神の塊だった韓国代表が嘘のようだ。この大会では堅い試合を見せてくれるだろう。ポーランドは先日の日本代表との親善試合を見る限りでは強さを感じられなかった。欧州予選突破をいの一番に成し遂げたとはいえ他のヨーロッパ勢に比べると見劣りするのは否めない。韓国の選手達がヒディング監督のプランを確実にこなせば勝機はあるはずだ。少なくともベルギーと戦う日本よりは可能性が高いと思う。問題は決定力不足。日本のそれ以上に深刻だ。ポーランドの堅守を崩すことはなかなか難しいだろう。チャンスはセットプレー。勝利も引き分けも狙えるが、それも全てはポーランドの黒豹・オリサデベを止めることが出来る、という前提があってこそ。彼を乗せたら彼一人にやられてしまう可能性もある。まあ韓国はマークに強いからね。
 というわけで予想は、2-1で韓国。もしくは1-1。ポーランドはオリサデベ次第。
 注目選手
 韓国:ホン・ミョンボ、ファン・ソンホン、ユ・サンチョルのJリーグトリオ。
 ベルギー:オリサデベ、デュデク


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