カメルーン VS ドイツ

 注目度:★★
 さすがにサウジ戦のようにはいかないと思ったが、ロスタイムの同点劇なんていう幕切れが待っているとは思わなかったアイルランド戦。ドイツの今の心境はどんなもんでしょう。8-0の高揚から一転して奈落へ。しかしゲルマン魂はこんなことではへこたれない、と信じたい。現実的には引き分けでもグループリーグは突破できる(アイルランドがサウジに勝って、カメルーンと共に勝ち点3で3チームが並んでも得失点差で緒戦の8点がものを言う)。が、カメルーンの方はそうもいかないわけで、確実を喫するために勝ちに来るだろう。勝ちに来るカメルーンに最初から引き分け狙いは危険だ。守りに徹することで相手の攻撃を調子づかしまうからだ。そして調子に乗ったアフリカ勢の攻撃ほど怖いものもない。ドイツはアイルランド戦の教訓を生かし、引いて守るだけでなく前線から攻撃的に守ることを徹底すべきだ。今回のチームは得点力もあることも証明したことだし、ドイツの単純だが確実な攻撃はボディブローのようにカメルーンを疲弊させるはず。信じてるぞフェラー監督。  対して今大会のカメルーンだが、これまでのような粗さが目立たず、チームとして完成度が高まっている。どんなチームにでもある程度やれる、それくらい評価していいチームだ。特にFWのエトゥのスピードと技術はどのチームにとっても脅威。それとコンビを組むのがエムボマなんだから始末が悪い。セネガルほど組織化されてはいないが、個人プレーに走る傾向はだいぶ少なくなったし、まあ、ただでさえ身体能力の高さがあるんだから、それくらいにしてくれよ、って感じ。カメルーンが嫌いなわけでは決してないのだが、ドイツに勝って欲しいし、同じアフリカ勢の中ではナイジェリアを応援する身としては、程々でいいじゃないかと言いたくなる。
 このグループもサウジを抜かしては実は混戦で、しかも実力グループだ。隣のF組が「死のグループ」だとしたら「半殺しグループ」くらいにはなるだろう。というわけで3チームのどこが抜けてもおかしくない。
 というわけで予想は、2-2で引き分け見事ドイツは1位通過、といきたいもんだ。
 注目選手
 ドイツ:とことんヘッドで得点王だクローゼ、ヤンカー、バラック、ツィーゲ、カーン
 カメルーン:浪速の黒豹オフサイドに気をつけろエムボマ、エトゥ、ソング

ナイジェリア VS イングランド

 注目度:★★★
 「死のグループ」は、まさに戦前の予想通り仁義なき殺し合いの様相を呈してきた。その中でいち早く死亡通知を叩きつけられたナイジェリア。そして宿敵アルゼンチンを破り意気上がるイングランド。好対照のチーム同士、士気の違いが歴然の試合だ。
 ナイジェリアは常に「精神面に問題がある」といわれてきたチーム。このゲームも決勝トーナメントへの突破が絶望という状態で迎える試合なだけに、不安要素は大きい。彼ら本来のパフォーマンスが発揮できればイングランドだろうとブラジルだろうといい勝負が出来るはずだが、モチベーションが低下している状態ではあまり期待は出来ない。プレッシャーから開放された分、逆にいい動きになる、ということもありえないとは言い切れないが。
 逆にイングランドはアルゼンチンを破り、決勝トーナメントが目前に来ている。ここでナイジェリアを破れば一位突破の可能性も膨らむ。しかし、対戦相手となるA組の2位は下手するとフランスになりかねないが、そこまで計算できる余裕もないだろう。とにかくナイジェリアに勝利して勝ち点3を積み上げることが最優先。引き分けでも決勝トーナメント進出は確実だが、安易に引き分けを狙うのは危険だ。アルゼンチン戦では残り20分、雪崩のような攻撃によく耐えたが、それを90分続けることはまず不可能。気負わず、普通に戦うことが出来れば、自ずと結果はついてくるだろう。
 ナイジェリアが戦意を持って戦うことになれば、これまでのF組の試合同様、好試合が予想される。しかし、それがなければ消化試合になる可能性もある。個人的には両チームのファンなのでどちらが勝利する、云々よりもいい勝負を期待したい。このゲームを見るために会社は休むし、当日券狙いで電話もするつもりである。大阪だろうが観にいくつもりである。ま、本音はイングランドに勝ってもらって、決勝トーナメント進出を決めては欲しい。お互いに星を潰しあって両者ともグループリーグ敗退という辞退だけは避けてもらいたいものだ。
 というわけで予想は、2-1でイングランド。得点者はオーウェン、ベッカム、オコチャ。
 注目選手
 イングランド:最高のFKを頼むぜベッカム、上り調子だ頼むぜオーウェン
 ナイジェリア:変幻自在のドリブルオコチャ、バク転はジャニーズより巧いぜアガホワ。

南アフリカ VS スペイン

 注目度:★★
 32チーム中一番乗りで決勝トーナメント進出を決めたスペイン。対戦相手に恵まれた感もあるがここまでは順調な戦いぶりで、得点もしっかり取っている。2試合とも失点しているという守備面での不安は残るが、もともと攻撃力がメインのチームだけにそこは目を瞑ろう。引き分け以上で一位突破。主力を休めて来るだろうが控えの選手層も厚い。まず問題はないだろう。トーナメント一回戦で激突するE組が大混戦で1位と2位でどこが出てくるか全くわからないため、下手な計算も不要。ここはいつもどおり勝ちに来るだろう。
 南アフリカも引き分け以上で決勝トーナメント進出が決定。前回フランス大会ではトゥルシエに率いられながらグループリーグ敗退。ワールドカップ初勝利、初の決勝トーナメント進出に向けて士気は高いはず。最低でも引き分けに持ち込もうとするだろう。どこかのチームとまったく似たような状況だ。勢いがある今、ジャイアント・キリングがないとは言えない。
 しかし総じてスペインが上なのは周知の事実。この試合でスペインの力がどこまで本物なのか見極めたい。特に、油断して足元をすくうようなことになったりしたら…。スペインは果たしてこれまでのスペインと違うのか、しかと見極めよう。
 というわけで予想は、3-1でスペイン。いや三試合とも3-1だったら面白いな、と。
 注目選手
 南アフリカ:4年で成長したぜマッカーシー、見たかトゥルシエ、フォーチュン
 スペイン:レアルコンビラウルモリエンテス、バレロン

メキシコ VS イタリア

 注目度:★★☆
 これまたまさかまさかの一発をクロアチアに食らったイタリアと現時点でグループ首位に立ったメキシコ。他の2チーム、クロアチア、エクアドルにも決勝トーナメント進出の可能性が残る激戦のグループGの結果はいかに。
 このグループなら順当に1位抜けすると見られていたイタリアがまさかの苦戦。さすがはクロアチア、腐っても(腐ってないけど)フランス大会3位のチームである。勝敗を決したのは精神力だったようだ。しかし、これはいつものこと。イタリアはグループリーグではいつも手間取る。それもやはり「油断」という理由で。ここで一旦手綱を締める必要があるかのように。そういった意味ではこれからのイタリアに油断や精神的な弱さは期待できない。嫌なチームになるだろう。
 今大会のメキシコはいい。久しぶりにいいメキシコを見ている気がする。とにかく一人一人のキープ力があり、周りを見る落ち着きがある。したがってボールをしっかりと回すことが出来、相手は焦らされる。エクアドルはまさに術中にはまった感じだった。しかし、相手がイタリアとなるとそう簡単にはいかない。相手はボールを回すことなんて屁とも思わない連中だ。要はフィニッシュさえ防げばいいと思っているだけに、メキシコとしては辛いだろう。攻撃陣が決して悪いわけではないが、今までのように点が獲れないことに自分たちが焦れてしまうこともありうる。ここは粘り強く攻めて欲しい。守備面に関しても不安がある。エクアドルに獲られた一点もDFの高さのなさを露骨に攻められての得点だ。イタリアのFWはビエリ。高さと強さを兼ね備える彼を止めるのは簡単なことではない。正直キツイ試合になることは目に見えている。
 それでもこの対戦、メキシコに期待感を持ってしまう。それほど今回のメキシコはいいのだ。点を獲られても取り返す力というか希望のようなものがメキシコにはある。加えて勝ち点6を既に持っているという余裕。メキシコが精神的に優位な状態で試合を進め、得意ののらりくらり戦法で戦えば、これまた波乱があるかも。
 というわけで予想は、2-2で引き分け。メキシコは1位通過。イタリアはクロアチア次第。
 注目選手
 メキシコ:やっぱり猪口才なブランコ、ボルゲッティ
 イタリア:得点王の可能性大ビエリ、トッティ、カンナバーロ

チュニジア VS 日本

 注目度:★★★
 ワールドカップのジンクスが背後についているのか、開催国としてベスト16という使命の目前まで来た日本。このままチュニジアにも快勝して出来ることなら1位通過でベスト8まで狙える位置まで行きたいところだ。トシア戦を見る限り、そこまでなら行ってもおかしくはない。ただし稲本が活躍すれば、という条件がつくが。まあ、それがなくともチュニジアには本来の力が出れば勝てるだろう。チュニジアだってワールドカップに出場してきた国だし、アフリカ選手権2位という肩書きは伊達じゃないはずだけど、今大会の2試合を見る限りでは突出した力はないように見える。個人の力に頼りすぎる嫌いがあるアフリカという大陸で、チュニジアのように組織を固め、チームとしてのまとまりがある国が勝ちあがってきた、ということなのだろう。しかし、それだけではワールドカップで勝つことは出来ないのが現実である。
  6月11日の日記にも書いたが、日本はこの試合、2つの点に留意すれば必ず勝てると予告しよう。一つは、サイド深く抉っての攻撃。もう一つは激しいプレッシングである。サイド攻撃に関しては、さらに頻繁な揺さぶりをかけることが出来ればいうことなし。チュニジアディフェンスはほぼ確実についてこれないだろう。それは大会直前の親善試合で明らかだ。また、普段の国内リーグではあまり激しいプレッシングの元での試合を経験していないのだろう。一人一人の技術はあるが、厳しい状況下でそれをこなすことに慣れていない。要するに日本はいつもどおり、得意なサッカー、自分達が目標とするサッカーをすればいいのだ。
 あとはベスト16という目標を目前に控えた彼らがいつもどおりのプレーを出来るかどうかにかかっている。本当に意味での精神力が問われるときだ。勝ち点でも実力でも優位にあるのは日本。ここは自信を持ってロシア戦のような、できればあれ以上の試合をして欲しい。そうすれば自ずと結果はついてくるに違いない。
 というわけで予想は、2-0で日本。大事なのは完封すること。
 注目選手
 チュニジア:スピードに気をつけろジャジリ、ゴドバン、トラベルシ
 日本:なんといっても稲本、小野、中田(浩)、CBは宮本?森岡?

ポルトガル VS 韓国

 注目度:★★☆
 これも見逃せない一戦だ。日本と共に開催国としてベスト16を目標とする韓国。その前に立ち塞がるのは華麗なファンタジスタ達を擁し、上位進出を目論む強豪ポルトガル。ポルトガルは緒戦でアメリカにまさかの敗北を喫したとはいえ、2000年欧州大会ではベスト4の実力の持ち主。大きな難関であることは間違いない。おまけに緒戦の取りこぼしのおかげで負けることが許されない状況なのだから互いに真剣勝負は必至だ。
 しかし、ポーランド戦、アメリカ戦を見る限りでは韓国の調子は非常にいい。ここに来てヒディング監督の思い通りのサッカーが出来ているのではないだろうか。アメリカ戦ではゲームを支配しながら、残念ながら引き分けに終わったが状態はいい。ポルトガル相手に好勝負を演じるに違いない。
 対してポルトガルはポーランド相手に4-0で勝利したとはいえ、まだまだ実力どおりの力を発揮しているとはいえない。原因は主力のフィーゴルイ・コスタがまだ本調子でないこと。ゲームを作り、中盤でボールを支配することのできる二人なだけに、ポルトガルが得意とする早いパス回しの生命線が不安定なのは痛い。しかしこの二人の調子も徐々に上向いてはきている。あとは韓国戦までにどれだけ復調できるかが鍵になるだろう。ストライカーであるパウレタが絶好調なだけに、二人が完全復活すれば攻撃力はとんでもないことになる。
 この試合のキーポイントは中盤での攻防。フィーゴルイ・コスタの二人を、韓国がどこまで止められるか、ここにかかってくる。テクニックではポルトガルの方が上だが、ポルトガルの選手はファールを嫌う傾向があり、激しいディフェンスに弱い。韓国は得意の肉弾戦に持ち込めば、ポルトガルを苛つかせ、自分達のペースに持ち込むことが出来るだろう。DFラインにはここまで綻びも出ていないので、中盤でのボールの出所さえ抑えれば、パウレタも出番はないはずだ。韓国名物執拗なマンマークも有効だろう。最終的には引き分けでも決勝トーナメントへ進むことが出来る韓国は、基本的に守備に専念。あとはカウンター狙いが基本の戦術となるはず。そしてポルトガルはカウンターを苦手としているはず。あとは数少ないチャンスを活かせるか、だ。
 というわけで予想は、1-1で引き分け。ポルトガルはアメリカが負けることを祈るのみ。
 注目選手
 ポルトガル:爆発力は本物パウレタ、本来の位置で勝負できるかフィーゴ、ルイ・コスタ
 韓国:精神的主柱だホン・ミョンボ、ラッキーボーイ・アン・ジョンファン


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