イングランド VS ブラジル

 注目度:★★★
 いきなり準々決勝で最も注目されるカードが出番です。今大会のカードの中でもおそらく決勝の次くらいに注目されるカードかもしれない。決してセネガルやトルコを軽視するわけではないが、この勝負に勝ったどちらかが決勝に残ることが濃厚。そしてチャンピオンも生まれるかも。なにがあっても見るべし。歴史の証人になるべし。
 戦前の予想はおそらくブラジル有利。ここまで四試合連続得点のロナウドリバウドコンビの好調さはこの試合でも発揮されるに違いない。この二人を含めた、驚異のブラジル攻撃陣を新世紀「カテナチオ」戴冠のイングランド鉄壁守備陣が止められるのか。そこが一番の見所になる。かといってイングランドは始めから守りに入ってしまうと容赦ない攻撃を雨霰と浴びることになり、綻びも出来てしまうだろう。ここは偵察を行ったベルギー戦を参考に、中盤から激しく攻めのディフェンスをすることで対抗して欲しい。要はスウェーデン戦、アルゼンチン戦、デンマーク戦で、得点が入るまでに見せた戦術を取ればいい。そして点が入ったからといって、こえまで守りに入らなければ問題はない。ブラジル相手に1点は安全圏内ではない。2点3点取るつもりで戦うべきだ。
 ブラジルは攻撃陣は言うことなし。問題は守備陣だ。ベルギー戦でも危ないシーンは散見したし、やはりエメルソン不在の穴は大きい。中盤のボランチが穴である。また調子に乗って攻めあがるDFラインのウ裏のスペースはオーウェンにとって美味しいに違いない。意外だったのはこれまでのブラジルの歴史において常に危険視されていたGKが、かなり安定していることである。ベルギー戦ではマルコスの活躍がなければ2点くらい入っていてもおかしくなかった。これはブラジルには好材料だろう。右サイド(ブラジルの左サイド)でぶつかり合うベッカムロベルト・カルロスの対決が楽しみだ。これだけでも見る価値はある。まあ、深く考えずにとりあえず見て欲しい。それくらい期待のある試合だ。
 というわけで予想は、希望を込めて3-2でイングランド。今大会は運があるしね。延長もあるかも。
 注目選手
 イングランド:今度こそFKを決めてくれベッカム、オーウェン、ファーディナンド、キャンベル
 ブラジル:両者とも得点王候補ロナウドリバウド、ロベルト・カルロス、カフー

ドイツ VS アメリカ

 注目度:★★★
 戦前の下馬評を覆すかのようにここまでほぼ順調に勝ち上がってきたドイツ。イタリア大会以来のベスト4、あわよくば優勝まで狙いに入れているはず。対するアメリカはフィジカルとサイド攻撃オンリーで並み居る強敵を跳ね除け、取りこぼししつつなぜか残ってきた。ドイツとしては間違っても落とせない一戦だ。
 実は今大会、未だにアメリカの試合を90分まともに見ていない。だからなんともいえないのだが、アメリカの怖さは本当にフィジカルとサイド攻撃以外ないように思える。個人技でもドイツの方が上だし、これまでアメリカが優位を保ってきた高さに関してもドイツの方が上。どこをどう見てもドイツの勝利は間違いない、と思うのだが。
 何が起こるかわからないのがサッカーとはいえ、出場停止だった3人も戻ってきて万全のドイツとアメリカの勝負で番狂わせが起こるとは考えにくい。あるとすれば油断だが、ドイツはことサッカーに関して油断や余裕を試合中に見せることは殆どない。サッカー大国のプライドもある。ここは全力で潰しに来るだろう。ただ気になるのは、前の試合パラグアイ戦があまりよくなかったことだ。出場停止3人を抱えていたとはいえ、ドイツらしくないサッカーだった。あの試合で修正点を見出し、コンディションも整っていれば問題は起こらない、はず。希望も込めてここはドイツ勝利に3000点。
 というわけで予想は、4-0でドイツ。ポルトガル、メキシコの恨みを晴らしてくれ。
 注目選手
 ドイツ:ロナウドと得点王争いクローゼ、モヒカン剃っちゃったツィーゲ、シュナイダー
 アメリカ:アメリカはホントにキーパーがいいなフライデル、レイナ、ドノバン、マクブライト

スペイン VS 韓国

 注目度:★★★
 イタリア相手に素晴らしいサッカーを展開し、開催国としてだけでなく純粋に世界の強豪として名を挙げた韓国。共済国としては羨ましいやら寂しいやら。ポルトガル、イタリアに続いての相手は、これまた優勝候補のスペイン。簡単に倒せる敵ではないが、今の韓国の勢いを見ているとどこが相手でも互角以上に渡り合える気がする。サポーターという大きな味方(つまりは審判も見方)につけて、なるかベスト4。
 対するスペインもアイルランド相手にまさに死闘を演じ、これまでの精神的弱さを払拭したように見える。苦しい戦いを勝ち抜いたことで勢いにも乗ってるし、自信にもなったはず。この韓国という強敵を下せば優勝もありえない話ではない。ラウルを筆頭に攻撃陣の調子は相変わらずいい。だが、怪我が深刻でないのかどうかが心配だ。モリエンテスイエロという高さがあるので韓国はセットプレーに要注意。イタリア戦でビエリに食らった一発をくれぐれも念頭におくことだ。ただ、スペインはアイルランド戦でも露呈したが、激しい試合に弱さを見せることがある。韓国はこれまでどおり、最初からガンガンに飛ばすことで相手の戦意を殺ぐことが勝利への必要条件だろう。アン・ジョンファンというラッキーボーイもいることだし、この試合もまた目が離せない一戦になることは間違いない。アジア初のベスト4(アフリカでさえ成し遂げていない快挙だ)、いや、ここまで来たら決勝まで行って欲しい。日本が敗れても夢はまだ続くのだ。
 というわけで予想は、2-2でまたもPK。カシージャスとイ・ウンジェの一騎打ちだ。
 注目選手
 スペイン:まだ得点王は諦めるなラウル、メンディエタ、イエロ、カシージャス
 韓国:乗ってるぜアン・ジョンファン、ソル・ギヒョン、ホン・ミョンボ、パク・チソン

セネガル VS トルコ

 注目度:★★
 うーん、正直地味な準々決勝。どちらも初のベスト8、どちらが勝っても初のベスト4ということで注目度は高いが、他の3試合に比べるとレベルが落ちるのは否めないだろう。特にトルコは日本戦を見る限り、あまり調子も良くなさそう。とりあえず単純にどちらが勝つか、という点に注目はあつまりそうだ。
 ただ、セネガルは面白い。波があるのが勿体無いが、上向いたときの攻撃力は相手がイタリアでもブラジルでも通用するだろう。特にディウフの個人能力の高さはズバ抜けている。今大会後、セリエAやプレミアリーグからお声が掛かってもなんら不思議はない。対するトルコはハカン・シュキルよりもハサン・シャシュの方が上り調子。二人のストライカー対決。ただ、セネガルはファディガがいないのは痛い。快速FW陣を後ろから操れる選手がいるのといないのでは大きな違いだ。スウェーデン戦ではアンリ・カマラが個人技でも突破したが、中盤からのスルーパスがあればもっと簡単に崩せただろう。トルコDFがセネガル攻撃陣のスピードのついていけるのか、勝負の分かれ目だ。個人的にはついていけないと思っているのでセネガル有利の判定。トルコは二人のFWをバシュトゥルクがいかに巧く使えるか。そして得意のミドルシュートが打てるのか。おそらく弾の打ち合いになるだろう。早く弾切れしたほうが負け。そう考えると見てて面白い試合になるのかもしれない。レベルが低いとか野暮なことを言わず、点取り合戦を楽しみたいものだ。
 というわけで予想は、3-2でセネガル。セネガルは強いよ、ホントに。
 注目選手
 セネガル:個人プレー満載ディウフ、アンリ・カマラ、コリー
 トルコ:打点が高いぞハサン・シャシュ、ハカン・シュキル、バシュトゥルク


shaka / shaka@diana.dti.ne.jp