【2】着ものあるき

 着物姿を美しく見せるためには、姿勢はとても重要なポイントだ。
 着付けや、着ものの色や柄、素材にこだわっても、姿勢が悪いと着ものの魅力は半減する。
 特に後ろ姿が問われる。
「背筋は、体の中心線。ここが決まっていないと、だらしなく見えるので、座るとき立っているとき、どんな時でも常に意識しています」
 理想的な姿勢は、
「首筋がスーッと伸びて、背筋が伸びて、首から肩のラインに色気があること。いいかえれば、着物は首と肩で決めるもの」なのだとか。
 振る舞いは「何をするときでも控えめ」がちょうどいいらしい。
 人と向かい合うときには、相手の真正面を少しはずして、体を少し斜めに見せるというのも、重要な魅力のポイントになる。
 神楽坂さんは日本舞踊を今も続けているが、
「日本舞踊は特に、道行き(悲恋物)など、女性の内面を表現したものが多いので、どうすれば魅力的に見えるかというのがよくわかる」という。
 歩き方は、草履と靴とでは、まったく違う。
 靴の文化が長くなり、最近では、着ものを着ていても、裾がはためくくらいの外股、大またで歩いている女性が多くなった。理想的な歩き方は「内股を意識して、左右の内股がすれるような感覚で、歩幅は大きくしないこと」
 
ついでにいえば、階段の昇り降りは、着物姿を美しく見せるときに重要なポイントで、
「上る時も降りる時も、前褄を軽くつまんで少し持ち上げるようにすると美しく見えるし、裾を踏む危険も避けられる」と。
「小股の切れ上がったいい女」というのは、男性が、階段を上がる女性の姿を連想したもので、その時にちょっと見える足首を称して「小股」といったという説がある。
 高峰秀子主演の映画『女が階段を上るとき』という映画のポスターには、まさに、そういうシーンが使われている。
 話を戻すと、
「首筋を伸ばし、背筋を伸ばせば、おのずと肩のラインも美しくなって、後ろ姿もキレイに見える。そうなれば、自然、着物歩きになって、しっとりとした色気や艶、そして魅力が演出できる」と、神楽坂さんはいうのである。


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