【4】着物彩り -2-

 フランスの有名なデザイナー、クリスチャン・ディオールが来日した時、能の美しさに感嘆し、特に「白足袋の動きに無限の空間をみる」といったそうだ。
 着物はそれほど奥深く、洋服のセンスではとらえられないものがある。
 神楽坂さんはいう。
「帯と着物は、どちらも主役でありながら、それでいて溶け合って、着る人を魅力的に見せるもの。その組み合わせは、実践で身につけていくしかないのです」
 基本だけでも教えてほしいというと、
「着物は四季を着るものだから、それを意識することです。たとえば1〜4月頃までは、その季節を表す色や花を基本に。色でいえば鴇色(薄いピンク)、花は菖蒲やオミナエシ。6〜8月は、紫陽花などを基本に、色は薄青、山葵色(わさびいろ)など、爽やかで涼しい色を選ぶこと。寒い時期になると帯は、白や銀色のものは避けて。着物と同系色の帯はお互いがぼかしあうので避けたほうがいいでしょう」と。
「着物には原色ではなく、淡い色彩が多く用いられています。ですから、同じ淡い系列の補色(反対色)、たとえば、鴇色の着物なら、淡い薄青色系の帯を締めれば、キレイな彩りになります。言葉では表現しづらいのだけれど…」
 そして、
「洋服は人工色で、着物は自然色。自然の中で咲く花は咲き乱れても溶け合いますが、人工的なものは、色を組み合わせるほど、けばけばしくなる。洋服と着物の色は、その差ではないかしら」と付け足した。
 百花繚乱、陰影礼賛、あるいは、わびさび。
 あらゆるものを内包しながら形を整えていく日本文化の奥深さの特質が、着物に表れているのかもしれないと感じた。


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