免疫ってなに?

2006.8.13

免疫とは

 免疫とは、体内に侵入した異物細胞(病原菌など細菌やウイルス、毒素など)から体を守り、外傷やガン細胞化して傷ついたり、古くなった体内細胞を修復・再生して、体の機能やバランスを正常に保つこと。
 免疫の主な働きである、体内に備わる治癒力を指して「自然治癒力」ともいわれる。
 他にも、交感神経と副交感神経のバランスを保ち、外気温などに合わせて熱を放散・生成し、運動で酸素の消費量が増えてくると心拍を上げて血液循環を促すなど、体内の恒常性を保っている。これらは、自律神経、ホルモン、代謝機能によって行なわれている。
 人間は、生後6カ月頃から自分で「抗体」がつくり出せるようになり、その後、10歳頃までに徐々に免疫力を高めていく。6カ月頃までは、母親からもらった抗体や母乳に含まれるリンパ球などで守られている。

自然免疫と獲得免疫

 免疫には、自然免疫と獲得免疫(適応免疫)がある。
 自然免疫は、もともと体内に持っている、異物細胞に対応できる免疫で、NK細胞、顆粒球、マクロファージなどが働いて、切り傷、疲労、老化、ストレス、ガン細胞の発生などからも守ってくれている。
 獲得免疫は、特定の病原体に感染して初めて取得できる免疫で、サイトカイン、T細胞、B細胞、抗体、補体などが働く。
 ちなみにワクチンは、毒性を弱めたり死滅させた病原体(抗原)を接種して、一度記憶すると忘れないという免疫細胞の性質を利用したもの。

白血球

 免疫力は、主に、異物細胞と戦う「白血球」の数と活性によって決まるといわれている。
 白血球は血液中を流れる細胞の一つで、寿命があり、なかでもリンパ球の寿命は短い。傷口にできる膿は、戦った後の白血球の死骸である。
 白血球の約60%は顆粒球(好中球・好酸球・好塩基球)、約30%がリンパ球(NK細胞・T細胞・B細胞)、約5%が単球である。
 単球は白血球の中で最も大きいが、血管外の組織にも移動できるという性質を持っており、分化するとマクロファージと呼ばれる。

リンパ球

 リンパ球は、NK細胞、T細胞、B細胞の3つに分けられる。
 NK細胞(ナチュラルキラー細胞)は、異物細胞を殺傷する(killer)能力を自然(natural)に持つことから、そう呼ばれる。
 T細胞は、異物を識別して指令を出す「ヘルパーT細胞」と、指令を受けて攻撃する「キラーT細胞」、免疫システムが過剰になるのを防ぐ「サプレッサーT細胞」がある。
 もう一つは、抗体を発射して抗原を攻撃する働きを持つ、B細胞である。
 白血球はすべて骨髄にある造血幹細胞からつくられるが、骨髄から胸腺に行くリンパ球を、Thymus(胸腺)の頭文字をとって
T細胞と呼ぶ。
 胸腺は胸骨の裏側にあり、T細胞を教育する器官でもある。そのため、加齢などで胸腺が萎縮してしまうと、T細胞の異物に対する反応が弱くなり、正常な自己細胞や組織に反応して攻撃を始め、アレルギーなど様々な疾病(関節リウマチなど膠原病)を引き起こしやすくなる。これを、自己免疫疾患という。

サイトカイン

 サイトカインは、細胞(サイト)と、作動因子(カイン)の造語。
 細胞が産出するタンパク質(インターロイキン、インターフェロン、ケモカイン、トランスファー因子など)。特定の細胞に働いて、細胞の増殖・分化、機能発現・抑制を行ない、細胞間の「言葉」のような役割を持ち(情報伝達)、体内の恒常性機能を保っている。

抗体

 体内に侵入した異物細胞(抗原)に対して、特異的に、覆い隠すようにして結合するタンパク質。結合することで異物細胞だと認識しやすくなることからマクロファージや、キラーT細胞の攻撃力を促し、「補体」を活性化させて、体外へ除去する性質を持つ。
 B細胞(リンパ球の一種)から産出される。

補体

 補体は血中を流れていて、普段は眠っているが、異物を発見すると「抗体」の働きを補って、「抗原」の表面に結合して発見されやすくし、免疫細胞(好中球やマクロファージ)を呼び寄せて、最後に異物細胞に穴を開けてパンクさせるタンパク質の一群。

免疫細胞の働き
・自然免疫と獲得免疫

 細菌やウイルスなどの侵入は、まず鼻や口の粘膜で防たげられる。
 酵素の一つ、「リゾチーム」には、細菌の細胞壁を分解する作用があり、溶かしているように見えるところから溶菌酵素といわれる。涙、鼻汁、唾液、母乳などに含まれている。

 NK細胞は、ガン細胞の発生や、異物細胞(自分の細胞と認識する印が無い細胞)が侵入していないか、常に体内を見回っており、異常を発見したら独自の判断で攻撃して破壊する。そのため、初期段階で異物細胞を殺傷するNK細胞の活性が重要といわれている。

 
マクロファージ(大食細胞、貪食細胞)は、病原体はもちろん、チリ、ホコリに至るまで、見つけると、持っている酵素で殺菌処理して自分の体に飲み込むように取り入れる。肺の中に呼吸とともに取り込まれた異物を飲み込み、寿命のつきた赤血球や白血球、血小板でできた血液凝固物なども処理する。異物細胞を見つけると、発熱して体温を上昇させることで攻撃力をUPする。しかし、結核菌などに対する殺傷能力は弱い。

 好中球(顆粒球)は、大きな細菌(食中毒菌、ピロリ菌、コレラ菌、結核菌、破傷風菌、赤痢菌など)を見つけると、酵素などで溶かして食べる。そのためマクロファージと同じく、貪食細胞といわれる。
 好酸球(顆粒球)は、主に、寄生虫などにとりついて動けなくし、アレルギー反応などにも関与する。
 好塩基球(顆粒球)は、好酸球や好中球を異物細胞に引き寄せる働きを持つ。

 体内に持っている「自然免疫」で異物細胞を殺傷できない場合には、マクロファージは「獲得免疫」にレベルを進める。

 マクロファージは、ヘルパーT細胞に異物を発見したという信号(サイトカイン)を放出し、それにより、リンパ球が増加する。
 
 サイトカインにより活性化されたNK細胞は、ガン細胞の増殖を抑制し、細菌やウイルスなどを攻撃する。マクロファージは、NK細胞が破壊した細胞を食べてくれる。

 キラーT細胞は攻撃を始め、B細胞は抗体を生産する。しかし、これらの細胞は、活性化するまでに時間がかかる。
 T細胞とB細胞は異物細胞を記憶して、再侵入の時に備えるという役割も持つ。  

加齢などによる免疫機能の低下

 体内では、ガン細胞が毎日生まれているが、免疫機能で抑制されている。
 しかし、20歳を過ぎた頃から、免疫細胞の機能が低下してくる。
 環境悪化なども免疫力低下を招き、加齢による胃腸の衰えからくる腸内の細菌バランスの乱れも、免疫力低下の原因とされている。
 免疫力が低下すると、生活習慣病やアレルギー症状を発症したり、感染症にかかりやすくなり、ガン細胞を抑制する力も弱くなる。
 免疫力の低下だけでなく、免疫のバランスが持続的に崩れることで、副交感神経が優位になると、リンパ球が増えてアレルギーなどを引き起こし、交感神経が優位になると、顆粒球が増えてガン細胞が活性するなど、疾病も引き起こされやすくなる。

免疫のバランスを整え、向上させる

・ストレスを溜めない。
 (ストレスは、リンパ球の機能を低下させる副腎皮質ホルモンを分泌する)
・笑うことを心がける。
 (脳が刺激されて免疫細胞を活性化するホルモンが分泌される)
・食品添加物などを避けて、バランスの良い食生活を心がける。
 (体内細胞の健康を保つ)
・適度な運動を心がける。
 (適度な運動は免疫細胞、特にNK細胞を活性化させる)
・睡眠を十分に取る。
 (睡眠不足で免疫細胞の働きが低下し、十分な睡眠は、メラトニンを分泌させて有害物質の発生を防止する)
・喫煙や、大量の飲酒などの習慣を改善する。
 (毒素を体内に入れない)
・冷房や冷たいものを飲むことなどで、体内温度を下げないようにする。
 (血行が悪くなると栄養素や老廃物を運ぶ働きが鈍り、代謝活動の機能も低下して、腸内で有害な菌が増殖する) 
・薬に、過剰に頼ることはやめる。

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