ホルモンってなに?

2006.9.15

ホルモンとは

 生体内の器官で合成され分泌される生理活性物質。極めて微量だが、必要な時に分泌され、一定量を保つように体内で調整されて(恒常性維持)、正常な代謝機能を維持している。
 現在発見されているのは数十種類以上。単独で働くのではなく、複数のホルモンが微妙なバランスを取りながら作用している。
 ホルモン自体はエネルギー源になることはなく、反応に対する命令(伝達情報)は与えるが、反応には直接関与しない。

ホルモンの発見

 1902年、イギリスの生理学者が「セクレチン」や「ガストリン」を発見したことにより、「生体機能は神経によりすべて支配されている」という従来の考え方が覆されて、血中を流れて伝達する物質(ホルモン)があるという新しい概念が生まれた。ホルモンという名前は 「ホルマオ(刺激する)」というギリシャ語に由来する。

ホルモンの分泌

 ホルモンは血液中(体内)に分泌されるため「内分泌」といい、分泌する器官を内分泌器官という。ちなみに、汗腺、膵液腺、涙腺など導管を持つ分泌腺は、導管を経て、体外や消化器官などに分泌するため「外分泌」といい、分泌する器官を外分泌器官という。
 ホルモンは血液中を、そのままの形か運搬役のタンパク質と結合して流れる。
 特定の器官(標的器官)の働きを、調節(液性調節)するが、神経性調節に比べて、時間的に厳密なコントロールができない代わりに、非常に微量で、遠くの器官にも影響を及ぼすことができるという特徴がある。ホルモン以外の体内調節システムには、神経伝達物質、増殖因子、抗体、サイトカインなどがある。
 標的器官には、ホルモン・レセプター(ホルモン受容体)というタンパク質が存在して、ホルモン分子と特異的に結合することで作用する。
 研究が進むにつれて、隣接する細胞に分泌(傍分泌)したり、分泌物がつくられた細胞自体にも働く(自己分泌)場合があり、その場合は血液中を流れない。

内分泌器官(内分泌器)とは

 ホルモンを分泌する器官。ホルモンを分泌(内分泌)する腺であることから「内分泌腺」ともいう。
 血液を通って伝達することが多い内分泌器官内には血管が発達しており、他のホルモンの作用も受けている。
 内分泌器官には、視床下部、脳下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎、膵臓、卵巣、精巣がある。
 他に、視床下部の神経系の組織、心臓、肝臓、腎臓、血管、脂肪組織などからもホルモンは分泌されている。

 *視床下部・・・間脳に位置する。自律神経調節、ホルモン分泌、体温調節、情動やストレス、食欲を感じる中枢。
 *脳下垂体(下垂体)・・・脊椎動物の体内に存在する器官。視床下部の支配を受けて、ホルモンを分泌する。
 *甲状腺・・・のどの前面に、気管を囲むようにして存在している。
 *副甲状腺・・・甲状腺の背側に左右2個ずつ、計4個ある米粒大の内分泌器。甲状腺の機能と関連はない。
 *副腎・・・腎臓の側にある。腎上体(じんじょうたい)ともいわれる。
 *副腎皮質・・・副腎の表面。外側。
 *副腎髄質・・・副腎の内側。

ホルモンの種類

 ホルモンは、分泌する器官や臓器、構造などで分類される。
 構造で分けると、ペプチド・タンパク質系ホルモン、ステロイド系ホルモン、アミノ酸誘導体型などに分けることができる。
 ほとんどのホルモンは産出細胞の中に蓄積され、必要な時に分泌されるが、ステロイド系ホルモンは合成されるとすぐに分泌される。 

目次


アクチビン
アドレナリン
アルドステロン
アンギオテンシン
アンジオテンシン
アンドロゲン
アンドロジェン
胃抑制ペプチド
インスリン
インテルメジン
インヒビン
  
エストロゲン
エストロジェン
エリスロポイエチン
エンテロスタチン
エンドセリン
エンドルフィン
黄体化ホルモン
黄体形成ホルモン
黄体形成ホルモン放出因子
黄体刺激ホルモン
オキシトシン
オレキシン
ガストリン
ガラニン
カルシトニン
  
グアニリン
グルカゴン
グルココルチコイド
グレリン
   
鉱質コルチコイド
甲状腺刺激ホルモン
甲状腺刺激ホルモン放出因子
抗利尿ホルモン
ゴナドトロピン
コルチコトロピン
コルチゾール
コレシストキニン
サイロキシン
サイロトロピン
子宮筋収縮ホルモン
上皮小体ホルモン
神経ペプチド
心房性ナトリウム利尿ホルモン
  
生殖腺刺激ホルモン
性腺刺激ホルモン
性腺刺激ホルモン放出因子
成長ホルモン
成長ホルモン放出因子
成長ホルモン抑制因子
セクレチン
セロトニン
ソマトスタチン
ソマトトロピン
唾液腺ホルモン
チロキシン
   
テストステロン
電解質コルチコイド
糖質コルチコイド
トリヨードサイロニン
トリヨードチロニン
   
ニューロペプチドY
       
ノルアドレナリン
バソプレシン
バソプレッシン
パラソルモン
パラトルモン
パロチン
パンクレオザイミン
ヒト絨毛性ゴナドトロピン
泌乳刺激ホルモン
表皮細胞成長因子
副甲状腺ホルモン
副腎皮質刺激ホルモン
副腎皮質刺激ホルモン放出因子
プロゲステロン
プロジェステロン
プロラクチン
プロラクチン放出ホルモン
プロラクチン抑制ホルモン
   
ボンベシン
  
ミネラルコルチコイド
  
メラニン凝集ホルモン
メラトニン
メラニン細胞刺激ホルモン放出因子
メラニン細胞刺激ホルモン放出抑制因子
メラノサイト刺激ホルモン
モチリン
卵胞刺激ホルモン
         
レプチン
    

A
ACTH
ADH
ANP
C
CCK
CRF
CRH
CT
E
E
EGF
ET
F
FSH
G
GAL
GH
GIF
GIH
GIP
GnRF
GnRH
GRF
GRH
GTH
H
hCG
hGH
L
LH
LHRH
LTH
M
MCH
MIH
MRH
MSH
N
NPY
O
ORX
OXT
P
P
PIH
PRH
PRL
PTH
PZ
S
SS
T
T3
T4
TRF
TRH
TSH
V
VP


副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRH、CRF)
 視床下部から分泌される。
 副腎皮質刺激ホルモンの分泌促進。精神的ストレスで増加する。
 糖質コルチコイドにより分泌が抑制される。

副腎皮質刺激ホルモン(コルチコトロピン、ACTH)
 副腎皮質刺激ホルモン放出因子の指示で、脳下垂体前葉から分泌。ペプチド系。
 糖質コルチコイドの分泌を促進するが、それにより、血中好酸球およびリンパ球は減少する。
 ストレスにより亢進する。

糖質コルチコイド(グルココルチコイド)
 コルチゾール
 副腎皮質刺激ホルモンの指示で、副腎皮質の束状層で産出される副腎皮質ホルモン。ステロイドホルモン。
 血糖上昇や骨格筋でのタンパク質合成の促進。炎症やアレルギー反応の抑制。酸素産出量を増大。筋肉疲労低下。
 グルカゴンの肝臓での糖新生に関わる。

鉱質コルチコイド(電解質コルチコイド、ミネラルコルチコイド)
 アルドステロン
 副腎皮質の球状層から分泌される副腎皮質ホルモン。ステロイドホルモン。
 ナトリウムの再吸収、カリウム排泄、血圧上昇。血液量の調節。炎症の促進。

アンジオテンシン(アンギオテンシン)
 副腎皮質球状帯に作用し、アルドステロンの産出に関わる。ペプチド。
 細動脈を収縮し、血圧を上昇させる。レニン(タンパク質分解酵素)により生成される。
 副腎皮質刺激ホルモンバソプレシンの分泌を促進する。


性腺刺激ホルモン放出因子(GnRH、GnRF)
 視床下部から分泌される。
 黄体形成ホルモン卵胞刺激ホルモンの分泌を促進するホルモン。

黄体形成ホルモン放出因子(LHRH)
 視床下部から分泌される。黄体形成ホルモンを放出するホルモン。ペプチド系

性腺刺激ホルモン(生殖腺刺激ホルモン、ゴナドトロピン、GTH)
 
黄体形成ホルモン(黄体化ホルモン、LH)
 性腺刺激ホルモン放出因子の指示で、脳下垂体前葉から分泌される。糖蛋白。
 排卵を起こす。プロゲステロンの分泌を促進する。
 黄体とは、卵巣内に、月経周期の黄体期に一時的に発達する内分泌器管。
 精巣では、テストテトロンの分泌とともに、精子形成を促進する。
 卵胞刺激ホルモンも性腺刺激ホルモンの一つ。

プロゲステロン(プロジェステロン、P)
 成人女性において、卵巣、脳下垂体前葉で合成され分泌されるステロイドホルモン。女性ホルモン。黄体ホルモン(プロゲスチン)。妊娠中には胎盤からも分泌される。
 受容体のタンパク質に結合して複合体を形成し、DNAの特定の部分に結合して遺伝子の発現を変化させる。これにより、子宮内膜や子宮筋の働きを調整し、乳腺の発達などに関わる。
 血糖値を正常にし、体脂肪の減少、利尿作用、他のホルモンバランスを調整する役割もある。

アンドロゲン(アンドロジェン)
 副腎皮質、精巣、卵巣から分泌されるステロイドホルモン。男性ホルモンの総称。
 テストステロンを含めて数種類ある。
 成長促進、男性の第二次性徴など。卵胞刺激ホルモンとともに精子形成を維持。骨髄での赤血球産出の亢進。
 エリスロポイエチンの活性。

テストステロン
 精巣、副腎から分泌されるステロイドホルモン。男性ホルモン。
 筋肉の発達、体毛の増加、声変わりなどを促す。


アクチビン
 性腺、脳下垂体、胎盤で産出される。
 卵胞刺激ホルモンの合成と分泌を促進する。

インヒビン
 性腺、脳下垂体、胎盤で産出される。
 卵胞刺激ホルモンの合成と分泌を抑制する。

性腺刺激ホルモン(生殖腺刺激ホルモン、ゴナドトロピン、GTH)
 卵胞刺激ホルモン(FSH)
 性腺刺激ホルモン放出因子の指示で、脳下垂体前葉で合成、分泌される。糖蛋白。
 性ホルモン(エストロゲン)の分泌を促進するホルモン。
 精巣では、アンドロゲンとともに精子形成と男性ホルモンの分泌を促進する。
 卵巣内では、アクチビンによって未成熟の卵胞の成長を刺激し、成長するとインヒビンを分泌して産出を遮断する。アクチビンは酵素によってホルモン産出を促進する。
 黄体形成ホルモンも性腺刺激ホルモンの一つ。

エストロゲン(エストロジェン、E)
 卵胞刺激ホルモンの指示で、卵巣、脳下垂体前葉、胎盤から分泌されるステロイドホルモン。卵胞ホルモン。女性ホルモン。
 思春期の第二次性徴を促進し、排卵の準備、妊娠維持の働きがある。エストロン(E1)、エストラジオール(E2)、エストリオール(E3)に分けられる。
 カルシウムが、骨から血液に、過剰に溶け出すのを抑える働きもある。
 男性ではテストステロンを元につくり出される。


ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)
 妊娠中に胎盤から分泌する性腺刺激ホルモン。絨毛とは、母胎の胎盤から出ている枝状になった海綿様のもので、胎児と物質交換をする役目がある。
 妊娠に重要な、卵巣(黄体)のプロゲステロン合成を促進する。


プロラクチン放出ホルモン(PRH)
 視床下部から分泌される。
 プロラクチンの分泌を促進する。妊娠、運動、睡眠でも促進される。

プロラクチン抑制ホルモン(PIH)
 視床下部から分泌される。
 プロラクチンの分泌を抑制する。

黄体刺激ホルモン、泌乳刺激ホルモン(LTH)
 
プロラクチン(PRL)
 脳下垂体前葉から分泌するホルモン。ペプチド系。
 プロラクチン放出ホルモンで分泌促進、プロラクチン抑制ホルモンで分泌抑制される。
 プロゲステロンの分泌や、妊娠の維持、乳腺の発達、摂食促進などに関わる。男性では生殖器の発達を促す。精神的ストレスや身体疲労で分泌が促される。
 妊娠中は、黄体形成ホルモン放出因子の分泌を抑制する。


甲状腺刺激ホルモン放出因子(TRH、TRF)
 視床下部から分泌される。ペプチド系。
 甲状腺刺激ホルモンプロラクチン成長ホルモンの分泌を促進するホルモン。

甲状腺刺激ホルモン(サイロトロピン、TSH)
 脳下垂体前葉から分泌される。糖蛋白。
 甲状腺刺激ホルモン放出因子により分泌が促進される。チロキシントリヨードチロニンの分泌を促す。
 日中は分泌が低く、夜間に高くなる。

チロキシン(サイロキシン、T4)
 甲状腺刺激ホルモンの刺激で分泌される甲状腺ホルモン。
 糖の分解吸収の促進。脂肪酸の合成と血中放出により、コレステロール濃度を下げる。骨髄で造血亢進。成長ホルモンの合成を促進。

トリヨードチロニン(トリヨードサイロニン、T3)
 甲状腺刺激ホルモンの刺激で分泌される甲状腺ホルモン。
 糖の分解吸収の促進。脂肪酸の合成と血中放出により、コレステロール濃度を下げる。骨髄で造血亢進。成長ホルモンの合成を促進。


成長ホルモン放出因子(GRF、GRH)
 視床下部から分泌される成長ホルモンを促進するホルモン。
 摂食促進。
 睡眠や運動、ストレス、低血糖などで分泌が促進される。
 ソマトスタチン(成長ホルモン抑制因子)とは逆作用をする。

成長ホルモン抑制因子(GIH、GIF、ソマトスタチン、SS)
 視床下部、ランゲルハンス島(D細胞)、消化管の内分泌細胞などから分泌される。ペプチド系。
 主に、成長ホルモンインスリングルカゴンガストリンセクレチン甲状腺刺激ホルモン分泌抑制や、消化管からの栄養吸収を抑制する働きがある。成長ホルモン放出因子と逆作用をする。

成長ホルモン(GH、hGH、ソマトトロピン)
 脳下垂体前葉から分泌。成長ホルモン放出因子により分泌が促進され、成長ホルモン抑制因子(ソマトスタチン)により分泌が抑制される。
 タンパク質の合成、骨・筋肉・内臓の成長、脂肪分解、遊離脂肪酸放出を促進する。インスリンとは逆に、ブドウ糖の取り込みを抑制し血糖上昇。肝臓からのブドウ糖放出を亢進。ソマトメジン(成長ホルモンの成長促進作用を仲介する因子)の合成促進。


インスリン
 膵臓のランゲルハンス島(膵島)のβ細胞(B細胞)から分泌される。ペプチド。名前は、ラテン語のinsula(島)に由来する。
 主に、糖の代謝を調整し、血糖値を下げる。グルカゴンとは逆作用。
 ブドウ糖、アミノ酸、カリウムの取り込み、タンパク質の合成、脂肪組織で糖の取り込みを促進する。グリコーゲンや脂肪の合成促進、分解抑制。
 アセチルコリンで分泌促進される。アドレナリンノルアドレナリンソマトスタチンで抑制される。

グルカゴン
 膵臓のランゲルハンス島のα細胞(A細胞)で生合成されて分泌される。ペプチド。
 糖の代謝に重要な機能を持ち、インスリン同様、血糖値を一定に保つ作用がある。ただしインスリンとは逆作用で、血糖値が下がると分泌が促進される。
 ブドウ糖の取り込み、タンパク質の合成を抑制。肝臓でグリコーゲン分解を促進、取り込みを抑制し、血糖値を上げる。脂肪分解を促進。肝臓での糖の新生促進では、糖質コルチコイドが関わる。
 インスリン成長ホルモンの分泌を促進する。アセチルコリンで分泌が促進され、セクレチンソマトスタチンで分泌が抑制される。


副甲状腺ホルモン(上皮小体ホルモン、パラトルモン、パラソルモン、PTH)
 副甲状腺(上皮小体)の主細胞から分泌される。
 血中のカルシウム濃度が低下すると分泌が促進される。
 血中カルシウムやリン酸の調節をし、血中のカルシウム濃度を上げるホルモン。
 破骨細胞を活性化して骨吸収を促進する。血中からカルシウムを奪うリンを、腎臓で排泄。腎臓で重炭酸イオンを排泄して、血中でカルシウムを抱えているアルブミン(血漿タンパクの一群の総称)からカルシウムを放させる。血中カルシウム濃度を上げる働きのあるビタミンDを腎臓で合成し、腎臓から排泄されるカルシウムを抑制する。

カルシトニン(CT)
 甲状腺の濾胞細胞などから分泌される。ペプチド。
 血中カルシウムの濃度を下げるホルモン。血中のカルシウム濃度が低下すると分泌が抑制される。
 腸管からカルシウムを吸収。腎臓からカルシウムを排泄。
 糖質コルチコイドで合成が促進される。


ノルアドレナリン
 副腎髄質から血中に放出される副腎髄質ホルモン。神経伝達物質。
 米名ではノルエピネフリンと言う。
 交感神経の興奮に反応して、血管を収縮させ、血圧上昇、脂肪分解を促し、熱産出量が増大する。「逃走ホルモン」あるいは「闘争ホルモン」、また、「怒り」で分泌が促進されるため「怒りホルモン」とも呼ばれる。

アドレナリン
 副腎髄質から分泌される副腎髄質ホルモン。神経伝達物質。
 1900年、高峰譲吉氏(消化酵素ジアスターゼの発見者)と上中啓三氏が、世界で初めて結晶化することに成功した。発見の際の諸事情により、米名ではエピネフリンと呼ぶ。
 交感神経の興奮に反応して、血中に放出されると心拍数や血糖値(ブドウ糖の濃度)を上げて、心臓、肝臓、骨格筋の血管は拡張し、皮膚や粘膜の血管は収縮、気管支や消化器の運動低下など、全身の器官に応答を引き起こす。脂肪分解を促し、熱産出量を増大する。
「逃走ホルモン」あるいは「闘争ホルモン」、また、「恐怖」刺激で分泌が促進されるため「恐怖ホルモン」とも呼ばれる。
 低血糖でも分泌される。
 インスリン分泌を抑制する。

エンドルフィン
 脳下垂体から分泌される。
 鎮痛作用など、モルヒネ様の作用があるため「脳内麻薬」と呼ばれる。
 2つのグループにより、1975年に発見され、スコットランドで、エンケファリン(ギリシア語の「脳」)、アメリカでエンドルフィン(脳内モルヒネの略)と名付けられる。

ボンベシン
 記憶に関与する。

セロトニン
 脳の松果腺から分泌される。トリプトファン(アミノ酸)から生合成される。小腸の粘膜に多く存在する。
 腸の筋肉に作用し、消化管に大きく影響している。
 ストレスを感じると摂食を抑制する。中枢神経系では、精神活動に関与する。脳内に増えると眠気を催し、集中力を低下させる。
 プロゲステロンエストロゲンにより活性される。

メラトニン
 脳の松果腺、脳下垂体中葉から分泌される。
 トリプトファン(アミノ酸)からセロトニンを経て、合成される。
 性腺刺激ホルモンを抑制し、思春期以後は退化させる働きを持つ。
 サーカディアンリズム(概日リズム)や、光刺激により調節され、夜は分泌量が高く、昼は低い。

オレキシン(ORX)
 視床下部で分泌される。神経ペプチド。
 摂食を促し、睡眠に関与する。1998年に発見。

ニューロペプチドY(神経ペプチド、NPY)
 摂食(炭水化物)促進。記憶に関与する。

抗利尿ホルモン
 バソプレシン(バソプレッシン、VP、ADH)
 視床下部からの指示で、脳下垂体後葉に貯蔵、分泌される神経ホルモン。
 利尿を妨げる。
 腎臓の細胞膜にある受容体を介して伝えられ、アデニル酸シクラーゼを活性化させる。利尿を妨げるのは、脱水症状やショックを受けた時に循環血漿量が低下し、生体内から体液の喪失を防ぐため。
 腎臓の水分再吸収促進。尿量抑制。血管を収縮して血圧上昇させる。

オキシトシン(子宮筋収縮ホルモン、OXT)
 視床下部からの指示で、脳下垂体後葉に貯蔵、分泌される神経ホルモン。ペプチド。
 乳管平滑筋を収縮して、乳汁を排出。子宮平滑筋の収縮して分娩の促進をする。

メラニン凝集ホルモン(MCH)
 視床下部で分泌される神経ホルモン。ペプチド系。
 魚類では皮膚やウロコのメラニン(色素)を凝集させて体色を明るくする。ほ乳類では、主に摂食調節。

メラニン細胞刺激ホルモン放出因子(MRH)
 視床下部から分泌される。
 メラノサイト刺激ホルモンインテルメジンの分泌を促す。

メラニン細胞刺激ホルモン放出抑制因子(MIH)
 視床下部から分泌される。
 メラノサイト刺激ホルモンインテルメジンの分泌を抑制する。

メラノサイト刺激ホルモン(MSH)
 脳下垂体中葉から分泌されるホルモン。ペプチド。
 メラニン細胞刺激ホルモン放出因子メラニン細胞刺激ホルモン放出抑制因子で調節されている。
 メラニン(色素)を合成促進する。ストレスに左右される。

インテルメジン
 脳下垂体中葉から分泌。
 変色動物の体色を変化させる。ほ乳類ではメラニン(色素)の合成。


表皮細胞成長因子(EGF)
 細胞分裂を促進し、コラーゲンを蓄積、血管形成を助ける。

グレリン
 視床下部、消化管(胃、膵臓、腸)で産出される。
 成長ホルモンの分泌を促進する。摂食と胃酸分泌の亢進作用もある。レプチンの作用に拮抗する。
 1999年に寒川賢治博士に特定される。

レプチン
 脂肪組織から分泌される。ギリシア語の「leptos(痩せ)」に因む。
 脂肪組織が多くなると分泌を促進し、食欲を低下させる。
 摂食抑制、エネルギー消費の亢進、血圧上昇、糖代謝調節など。脂肪が蓄積するとガラニンの分泌を抑制する。

ガラニン(GAL)
 ペプチド系。アセチルコリン、ドーパミン、ノルアドレナリンインスリン成長ホルモンプロラクチンなどの放出促進。
 消化管の運動や胃酸分泌抑制、腸液分泌亢進、摂食促進、脂肪蓄積促進、筋の代謝に関与する。
 脂肪が蓄積されるとレプチンが分泌されて抑制される。エンテロスタチンと相互に調節しながら恒常性維持に作用する。

エンテロスタチン
 ペプチド系。摂食や脂肪蓄積の抑制。ガラニンと相互に調節しながら恒常性維持に作用する。

エリスロポイエチン
 腎臓の糸球体から分泌。
 骨髄で赤血球を産出。
 男性ホルモンは分泌を促進し、女性ホルモンは分泌を抑制する。

心房性ナトリウム利尿ホルモン(ANP)
 心臓(心房)から分泌される。
 体液量の増大、血圧上昇で分泌が促進される。尿の育成を促進。アルドステロンの分泌を低下させる。

グアニリン
 利尿ホルモン。

エンドセリン(ET)
 心臓や血管から分泌。ペプチド。
 一過性の血管拡張作用と、持続的な血管収縮作用を持つ。1988年、当時、筑波大学の大学院生だった柳沢正史氏により発見される。
 紫外線で、色素細胞を活性化させ、メラニン生成を促進する。

パロチン(唾液腺ホルモン)
 あごの耳下腺から分泌。筋肉、内臓、骨、歯の成育や細胞の代謝促進。噛むことで分泌が促進される。昭和19年に緒方章氏、伊藤四十二氏らが確認し、命名。

ガストリン
 胃の幽門洞、十二指腸のG細胞から主に分泌される。ペプチド。
 胃の主細胞からのペプシノーゲン(胃で産出されるタンパク質分解酵素の前駆体)の分泌促進、胃壁細胞から胃酸の分泌促進、胃粘膜の成長促進がある。セクレチン、酸によって抑制される。

セクレチン
 十二指腸のS細胞から分泌。肝臓、膵臓、十二指腸から重炭酸塩の外分泌を亢進させる消化管ホルモン。ペプチド。
 酸で分泌が促進される。胃酸を抑えて、十二指腸のpHを調整し、膵臓にある消化酵素の働きを活性化する。
 ガストリンの放出を抑制。コレシストキニンの効果を強める。

コレシストキニン(CCK)=パンクレオザイミン(PZ)
 小腸のI細胞でつくられ、空腸のL細胞から分泌される消化管ホルモン。 ペプチド系。
 コレ(胆汁)シスト(袋)キニン(袋)で、胆嚢を収縮させる物という意味。
 十二指腸のアミノ酸、脂肪酸などによって分泌される。
 膵臓の酵素を活性化させる。
 記憶にも関与する。
 セクレチンの作用を増強する。ソマトスタチンの分泌を促進する。

胃抑制ペプチド(GIP)
 空腸のK細胞から分泌される消化管ホルモン。ペプチド。
 胃液の分泌や胃の収縮を抑制、インスリン分泌を促進。

モチリン
 十二指腸、小腸上部から分泌される消化管ホルモン。ペプチド系。
 食事を摂ってから6時間以上経つと、モチリンが分泌され、胃が強く収縮し、食べかすを小腸、そして大腸へと送る(蠕動運動を活発にする)ことで腸の掃除を行なう。胃に食物が入ると、分泌されない。

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