キノコキトサンってなに?

2006.6.28

キトサンとは

 1811年 、フランスの自然史学者ブラコノーがキノコに含まれている未知の物質を発見。1823年、フランスの科学者オジールにより、キチンと命名された。
 キチンとは、カニやエビの殻、昆虫の外皮、イカや貝、キノコの細胞などに含まれる食物繊維から、炭酸カルシウム、タンパク質、色素などを除去したもの。その、キチンからさらにアセチル基を除去し、精製、抽出したものをキトサンという。1859年、フランスの科学者ユーゲにより発見された。
 キトサンのアミノ基は、キチンのアセチル基に比べて、有害物質を吸着する働きが強いといわれている。しかし、すべてがキトサン化されるわけではなくキチン質が残ってしまうので、キチン・キトサンと呼ばれることも多い。
 日本では1982年、農林水産省の「未利用生物資源・バイオマス」開発10カ年計画の中で、キチン・キトサンの研究が大々的に始められた。
 現在、利用されているものには、水溶性キトサンでつくった人工皮膚がある。他にも手術用縫合糸など医療用として広く使われているのは、拒絶反応(体内に入った異物を除去する働き)がなく、皮膚が再生する間は保護膜となり、体内でリゾチームにより分解されて消滅するため。
 その他、食品工業用(健康食品、食品添加物など)、農業用、化学工業用(石鹸、歯磨き、衣類、家具など)など幅広く利用されており、可能性は無限にあるといわれている。
*バイオマス・・・2002年12月、政府は「バイオマス・ニッポン総合戦略(バイオマス・ニッポン)」を策定。2003年1月から農林水産省、内閣府、環境省、経済産業省、国土交通省、文部科学省、総務省などが共同で、「省エネルギー」「温暖化対策」「資源循環」「国土保全」「農林漁業の活性化」などを目的としたバイオマス事業が始められた。バイオ(bio・生命由来の資源)マス(mass・量)は、バイオマス・ニッポンでは、「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」と定義されており、枯渇の心配がなく、汚染源にもならないため、その活用に大きな期待が寄せられている。

高分子キトサンと低分子キトサン

 分子量が10,000以上のものを「高分子キトサン」、10,000以下のものを「低分子キトサン」と分けられている。
 高分子キトサンは、体内に吸収されないが、体内の不要物質などの吸着力が高く、水に溶けないことから「非水溶性キトサン」ともいわれる。水に溶ける物質を配合し水溶性と呼んでいるものもあるが、分子構造自体は変わっていないため性質は変わらない。体内に吸収されないのは高分子キトサンを分解する酵素がないためだが、一部は腸内細菌が出す酵素で分解吸収される。つまり、腸内細菌を活性化して酵素を多く分泌すると、高分子キトサンの吸収率も高めることができるといわれている。
 低分子キトサンは小さく分解されているため、体内に吸収しやすいが、吸着力は高分子キトサンより低いとされている。水に溶けるため「水溶性キトサン」とも呼ばれる。
 低分子キトサンの中でも、キトサンの最小単位のグルコサミンが結合した、分子量が数百〜2,000ぐらいのものを「キトサンオリゴ糖」という。キトサンオリゴ糖は、キトサンが腸内で分解されてエサとなって、ビフィズス菌を増殖させるため、便秘を解消し、免疫力を高める働きがあるといわれている。

キトサンのはたらき

 キトサンには以下のような働きがあるといわれている。
■肝臓で処理しきれない不要物質を解毒し、排出する。肝臓でつくられるコレステロールの低下作用。
■免疫力・自然治癒力の増強。
■細胞の活性化。
■抗菌・抗カビ作用
■生活習慣病予防。
■善玉菌を増やして腸内バランスを整える。
■腸内で脂肪を吸着し、排出する。
■便秘解消、美肌効果。
■ガン細胞の増殖を阻止する
■抗血栓、血管の老化・血圧上昇の抑制。
■血中コレステロール・中性脂肪の減少。
■腸内の腐敗菌を取り込み排出するため、ペットの糞尿の異臭を抑える。
■口臭予防
など

キトサンの注意点

 カニやエビなどにアレルギーのある方は、カニやエビを使った食品などには注意が必要。
 キトサンは、脂溶性ビタミン(ビタミンA.D.E.Kなど)も吸着するため、過剰に摂取すると、脂溶性ビタミンの不足を引き起こす可能性があるといわれている。

キノコキトサンとは

 シイタケ、エノキダケ、マイタケ、シメジなど食用キノコの中に少量含まれているキノコキトサンには、エビなどの甲殻類のキトサンにはないβ-グルカンが含まれている。そのため、別名を「キトグルカン」ともいう。β-グルカンには、脂質の凝集や、余分な体内脂肪を燃焼する働きがある。
 キノコキトサンは、胃酸にも水にも溶けないため、膨張して腸内をコーティングし、腸壁から油分が吸収されるのを阻み、食事で摂った油分を包み込んで排出する性質を持っているといわれている。

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