細胞

2008.6.7

生物は細胞でできている

 人間の体は、約60兆個、二百数十種類の細胞でできている。ちなみに赤ちゃんのころは3兆個くらい。
 1種類に分類される細胞でも、大きさには違いがあり、異なる働きを持つものもある。また、違う種類の細胞に変化するものもある。
 細胞の集まりを組織(動物では、上皮組織、筋組織、神経組織、結合組織)、組織がまとまったものを器官(口、胃、腸など)、器官でつくられるものを器官系(動物では、消化系、循環系、呼吸系)という。植物の器官には、栄養器官(葉、茎、根)と、生殖器官(花)がある。
 動物、植物、細菌、菌類などのように、細胞でできている物を生物という(細胞説)。このため、ウイルスは生物に含まれない場合もある。

単細胞生物と多細胞生物

 生物は、細胞の数により、単細胞生物と多細胞生物に分けられる。
 単細胞生物は、1つの細胞でできている生物のことで、1つの細胞の中に複雑な機能を持っている。アメーバ、ミドリムシ、ゾウリムシ、ツリガネムシ、太陽虫、ラッパムシ、納豆やヨーグルトなどの菌類などがあり、小さくて、肉眼では見えない。
 キイロタマホコリカビは、胞子から粘菌アメーバになって増殖していく間は単細胞生物だが、その後、周りにエサ(細菌)がなくなると、物質を出して、他のキイロタマホコリカビと集合体になり多細胞生物となる。そして、その後、胞子をつくり単細胞生物となる、という循環を繰り返すそうだ。この循環は、胞子をつくることで、遠くへ移動することができる可能性を広げるためなのだとか。

原核生物と真核生物

 細胞の内部構造により、原核細胞(古細菌や真正細菌)の生物と、真核細胞の生物に分けることもできる。
 生物の起源は、原核細胞である。原核細胞からなる原核生物には、人間の皮膚や腸の中にいる細菌(常在菌)、そして、光合成をするシアノバクテリアなども含まれる。
 
原核細胞は、細胞内に核がないため染色体がむき出しになっており、真核細胞は、核があり、ミトコンドリアなどの細胞小器官を持っている。
 真核生物には、多細胞生物である高等動物、高等植物、一部の菌類などが含まれる。
 
真核細胞の起源は、核を持つ細胞内に好気性細菌という違う種類の生物が取り込まれたものと考える説がある。また、植物は、好気性細菌の他に、光合成をする藻類(シアノバクテリア)が取り込まれて葉緑体に変化したとされている。
 このように、違う種類の生物が細胞内で共生することを細胞内共生という。もともと違う生物だったという証は、それぞれが遺伝子情報を持っていることと、たとえば、ミトコンドリアなどは独自でタンパク質を合成できる機能があることから。

動物細胞と植物細胞

 動物と植物の細胞の違いは、動物細胞は細胞膜で覆われ、植物細胞は細胞壁で覆われている。
 また、植物細胞の中には葉緑体がある。
 動物は、細胞が増え続けることはないが、植物の細胞は増え続ける。また、動物は器官を失うと生きていくのが難しいが、植物は器官(葉、茎、根)の一部を失っても、生き続けることができる。

エネルギーをつくる細胞小器官 

 真核細胞の、細胞内の核の周りを細胞質といい、そこにある構造物を細胞小器官という。
 細胞小器官には、エネルギーをつくりだす物質がある。動物細胞ではミトコンドリア、そして、植物細胞では葉緑体である。
 動物は、消化した食物を血液によって、細胞に運ぶ。同時に酸素も運ばれる。細胞内に取り入れられた
グルコースは、細胞質でピルビン酸に分解され、ミトコンドリアの中に入り、酸素を使って、エネルギーをつくりだす。
 葉緑体は、光エネルギー、二酸化炭素、水により、グルコース、酸素、水をつくる。そして、
グルコースからデンプンがつくられる

細胞は生きている 

 細胞は、遺伝子情報を伝え、また、物質を得てエネルギーをつくりだすなどの代謝機能を持っている。
 外側を脂質が二重になった細胞膜(水分子を通すことができる半透膜)が覆い、内側は水溶液で満たされており、染色体(DNA)、リボソーム(タンパク質をつくる)、グルコースなどがあるのが基本の形である。
 ちなみに、人間では、23対46本の染色体があり、その情報をヒトゲノムという。2003年にゲノム情報がすべて明らかになり、2004年には染色体に含まれている遺伝子が22,000あることもわかった。
 植物は、細胞の外側に、「細胞壁」と呼ばれる丈夫な全透膜を持つ。また、
真核細胞では、細胞内に核膜で覆われた核がある。1つの細胞は分裂(体細胞分裂)して増えていくが、核膜は、細胞分裂の際には消える。

細胞膜の出入り 

 細胞膜は、リン脂質でできた二重の膜(脂質二重層)になっている。
 膜といっても平面ではなく、マッチ棒の頭のようなものが横に並んでいる。二重になった外側の膜は、外側が親水性で、マッチ棒の軸にあたる方は疎水性の性質を持っている。また、内側の膜は、向きが逆で、マッチ棒の頭のような形が、細胞の内部へ向いていて親水性となっている。
 細胞の外側も中側にも水溶液があり、細胞膜は、それを仕切る役割をしている。同時に、
水分子は小さいため、細胞膜を通ることもできる
 細胞の内側には、いろいろな物質があり、外側より濃度が高くなっているが、濃度は一定のバランスを保っていて、必要なときには、濃度が高い方(浸透圧の高い方)へ水が動いて、バランスを調整する。
 細胞膜は細胞壁より弱いので、細胞内部に大量の水分が取り込まれると破裂してしまう。水中に住む単細胞生物の細胞が破裂しないのは、体に入ってきた水を外へ出す機能があるためである。
 エネルギー源として細胞内に必要な
グルコースは、分子が大きいため、膜を通ることはできない。しかし、細胞膜には膜タンパク質(グルコーストランスポーター)という通路があり、そこを通ってグルコースが出入りする。(=受動輸送)
 イオンは小さいので、そのままであれば通ることができるが、電気を帯びているため、水分子を集めて大きくなってしまうことで、膜を通れなくなるが、やはり、グルコースとは違う種類の膜タンパク質を通ることで出入りする。
 細胞内のナトリウムイオンが3つ、膜タンパク質に結合すると、
ATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーによって、細胞外にナトリウムイオンを放出し、その代わり、細胞の外のカリウムイオンが2つ結合して、細胞内に放出される。エネルギーを使う輸送のため、受動輸送と区別して、能動輸送といわれる。イオンが膜を通って細胞内外に生じる電位差で電気信号が脳へ送られる。

神経細胞 

 器官系の1つ、神経系を構成する細胞に、神経細胞(ニューロン、neuron)がある。刺激によって電気を発生させることで、他の細胞に情報の伝達が行なわれる。ニューロンは子供の頃に、神経幹細胞が一番活発に分裂して、役割を分担し増殖(分化)して、神経回路を形成していく。
 1つの神経細胞には、細胞核があり、タンパク質を合成する「細胞体」、そして「軸索」、その軸索から、樹の枝のような形状に分かれた何本かの「樹状突起」がある。樹状突起には、信号を受け取る役割があり、軸索とは違って小胞体やリボソームがある。
 細胞体から伸びた軸索は、電気信号を伝える。軸索の突起の中には
グリア細胞(神経系に関わる、神経細胞以外のもの)が巻き付いてできるミエリン(髄鞘)がある。ミエリンは脂質二重層で構成された細胞膜が何重にも巻き付いており、電流の漏洩を防いでいる。
 軸索の先には、他の細胞と接続するシナプスと呼ばれる部位がある。シナプスでは神経伝達物質を放出したり、回収してシナプス小胞に充填する。
 樹状突起でも、たくさんある小さな突起(
スパイン、spine)がシナプスを形成しているが、グリア細胞が巻き付いた部分は成長し、それ以外の部分は消滅するなど、グリア細胞が重要な役割をしている。


参考:http://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/seibutsu/

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