時計遺伝子(体内時計2)

2011.10.31

  体温・血圧・ホルモン分泌・尿の量などには、サーカディアンリズム(概日リズム・Circadian rhythm)と呼ばれる1日の基本的なリズムがあり、自律神経でコントロールされている。
 ドイツのマックス・プランク研究所で、光など外部の影響を受けない部屋で行なった実験により、多くの人が24〜26時間を1日とし、体内周期が平均25時間であることがわかった。この周期は加齢により短くなっていく。
 朝、体温や血圧は上がり始め、夕方から下がり始める。夜になると脳の松果体からメラトニンというホルモンが分泌されて睡眠を誘発する。「痛み」は、夜、活発になる成長ホルモンの分泌と関係があり、歯が痛くなったり、頭痛が起こりやすいのもそのため。
 睡眠時間は、ウルトラディアンリズムという90分リズムで、レムとノンレム睡眠が繰り返される。このため、眠りに就いてから90分を区切りにした時間に起きると、すっきりとした目覚めになるといわれている。
 他に、血圧、心拍、口腔温度は1週間周期、女性の性周期や、男性のひげの伸びる速度、体重、肺活量は月周期、季節による体の変化、体脂肪率などは年間周期なのだとか。
 体内時計を司る体内リズムを生み出す時間を感じる「時計遺伝子」が発見されて、そのしくみがわかったのは約25年前。体内時計は細胞の中に核を持つ動物、植物、菌類、原生動物などほとんどのものが持っている機能である。
 細胞の中に、たんぱく質を出し(放出)、それをまた、なくしていく(分解)ことで、砂時計のように1日の時間をはかっているとされている。
 1970年代には植物や昆虫に時計遺伝子があることがわかり、1980年代初頭、哺乳類の主時計遺伝子は脳内の視交叉上核
(しこうさじょうかく)にあることが発見された。
 体内時計の25時間周期は地球時間の1日24時間と1時間のズレがあるが、朝の光を浴びることで
視交又上核にある主要時計遺伝子が、そして朝食を食べることで、小腸や肝臓などにある末梢時計遺伝子が調整されて、24時間に修正されている。
 ちなみに、体内リズムが25時間になっているのは、季節によって変わる日の出の時刻に合わせられるようにするためで、
休日にいつもより寝坊していると、正常に戻すには3週間もかかってしまうらしい。
  1日のはじまりである朝食は、同じ食事の量でも、夜より発生する熱量が何倍も多くなるそうだ。エネルギー代謝率を良くするためには「たんぱく質」を摂ることで、脂肪を効率よく燃やしてくれることにもつながる。
 ダイエットに朝食抜きがよくないといわれるのは、朝食を抜くと、飢餓状態にあると脳が判断して、その後、食事で取り入れられたエネルギーを代謝に用いず、体内にストックしておこうとするため。
 ちなみに、たんぱく質以外に、朝食では脳の栄養分となる「糖」も摂ったほうが良いといわれている。
 体内時計を上手に活用すると、得することがたくさんあるようだ。
 骨を丈夫にするカルシウムの体内での吸収率がもっとも高まるのは20時〜24時まで。朝の8時頃も吸収率は高いが、そこから12時になるまでは吸収率が下がっていく。
 このデータは、「時間栄養学」の第1人者、女子栄養大学 香川靖雄 副学長の提供によるもので、「時計遺伝子ダイエット」として、3500人ものメタボや糖尿病患者の治療にあたっている。
 食事で「脂肪を取りこむ物質の値が低くなる時間」というのもあり、それが、おやつどきの14時〜15時頃。その時間から上昇を始めて、ピークは夜2時となる(日本大学薬学部  榛葉繁紀准教授 提供)。
 寝る2時間前、そして10時以降は食べ物を口にしないことが内臓を休めるには良いといわれているが、15時以降は、遅くなればなるほど、理屈では、同じ量を食べても吸収しやすいことになる。預金の利息だったら、これほどうれしいことはないが。
 脂肪を体にため込まないためには、せめて、夕方には食事を摂り、起きているとおなかがすくので、できるだけ早く寝る。早く寝たら早く眼が覚める。そして、朝の光を浴びて、朝食をガッツリ食べる。このパターンが良いようだ。
 副腎でつくられて分泌されるアルドステロンは、ナトリウムの吸収とカリウムの排出を促すホルモンで、成人女性の場合、16時〜18時が吸収率が低く、4〜8時は高い。(県立広島大学 加藤秀夫教授 提供)
 塩分を避けるには、カラオケの後に、始発電車を待ちながらのラーメンはやめた方がいいかもしれない。
 
参考:たけしの健康エンターテインメント! みんなの家庭の医学  2011年10月25日放送

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