昭和30年・40年代の練馬区

2009.6.17

昭和30年・40年代の練馬区
なつかしい青春の記憶
2009年6月10日発行
昭和30年・40年代の練馬区
監修/桑島新一
協力/練馬区書店組合
発行所/三冬社
プロデュース/久保雅督
編集/(株)サムシングエルス

78ページ
定価1,995円(本体価格1,900円)
*お近くの書店、インターネット、三冬社(TEL03-3231-7739)にてご注文いただけます。

 自分の住んでいる街について知りたい-----散歩ブームとともに、そんなムーブメントが起きている。
 文化財や名所がどこにあるのかは知っていても、街の変化などの身近な歴史にはなかなか触れる機会がない。そこに子供の頃から住んでいても風景は忘却の彼方へと追いやられていて、普段思い出すこともない。
 昭和30〜40年代は、いわゆる日本のエポックで、景色も、経済も産業も住宅もライフスタイルも、ガラリと変わった時代。
 その時代を知ってもらおう、あるいは思い出してもらおうということから企画されたのが、昭和30年代、40年代の東京の区の表情を再現したシリーズ。すでに、中野区・杉並区、足立区、大田区が、(株)
三冬社から発刊されているが、23区揃うと、これは「写真で見る"区"の事典」になる。 
 6月に発行された「なつかしい青春の記憶 昭和30年・40年代の練馬区」は、練馬区の各書店が積極的に幟を立ててPRしてくれて、かなりの評判になっているらしい。
 ネットで検索すると、オリオン書房では「最新のベストセラー」で1位にランク(6月17日)され、産経ニュース(6月2日)では「街の活性化につながるもの」と写真入りで紹介されていた。
 在庫がなくなったので再注文する書店が相次いでいるという話などを聞くと、「なつかしい青春の記憶 昭和30年・40年代の練馬区」のプロデュースは、ほぼ思惑通りになったと自負している。  
 練馬区は、東映東京撮影所があり、漫画家たちが多く住んでいたことから、現在もアニメ関連の会社が多く、区ではアニメをテーマに国際交流も図っている。本は、約300枚ほどの写真と、ウノ・カマキリ氏などのエッセイや、インタビューが織り交ぜられているところも大きな特徴。板橋区から独立して、東京が23区となった歴史や、千川の歴史もおもしろい。
 今、とりかかっているのは、板橋区と江戸川区で、板橋区には日本のカメラのメーカーが多く、日本の写真文化をつくりだした町という特徴があり、個人的にも興味がある。江戸川区は、川沿いに発達した独特の文化を探求するのが楽しみだ。
 歴史を知り、エピソードが浮き彫りにされて、さらにルポで新しい発見や出会いがあり、好奇心を満たしてくれる。
 貴重な写真や情報を提供していただいた方、時間をさいていただいた方々。それ以外にも様々な人の協力があって、この本はできあがっている。50年近く前の出来事は、便利なインターネットで得られる情報だけでなく、多くの人に出会うことでつくられる。そこも、また魅力なのである。

 私も含めて、昭和30・40年代を小学生で過ごした団塊の世代。まさに青春時代を過ごした70代、そして80代の人。本を見たすべての人が、住んだことのない練馬区の写真に見入っているうちに、シンクロした自分の思い出を話し出す。
「ラムネ色の時代」は、特別のものなのである。その頃、生まれていない世代には新鮮だと思うのだが、なぜか懐かしさも感じるらしい。
 日本の昭和30年・40年代には、そうした特別なところがあるようだ。
 
文/久保雅督

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