2010.2.11

 易は、中国王朝の始祖 伏犠(ふっき)という伝説の人物が、森羅万象を表す「先天八卦図」をつくり、周の文王が卦の大意(卦辞や爻辞など)をつけ、その後、孔子らが、中国の四書五経(「大学・中庸・論語・孟子」「易・詩・書・礼・春秋」)のひとつ「易経」に「伝(でん)」と呼ばれる解説「十翼(じゅうよく)」をつけて体系だてたもの。
 というのが、三聖人が、長い年数、英知を寄せ集めて磨きをかけてつくられた「易の成り立ち」の定説になっている。

 易は占いであると同時に哲学・思想という学問でもある。日本でも、権力者たちが好み、学問としても古くから取り入れられてきた。
 西欧では、二進法を開発したドイツの哲学者ライプニッツ、共時性の観点からユング(心理学者)や、トインビー(歴史学者)など多くの人が関心を持って研究している。

 おもしろい解釈としては、生物の体をつくるタンパク質の元、アミノ酸の遺伝暗号と呼ばれる構造に照らしあわせているもの。3つの塩基が組み合わさってつくられるアミノ酸の種類は64。易の基本である八卦は、陰陽の3つの組み合わせで、八卦と八卦の組み合わせの64卦が一致しているところに関連性を見いだしている。

 易を簡単に説明すると、筮竹やコインなどで出した、下3本の卦(内卦)、上3本の卦(外卦)の組み合わせ(卦辞)で全体を見て、6本それぞれの爻辞(こうじ)で、その経緯を見る。さらに、その先を暗示する変卦(互卦・錯卦・綜卦)がある。
 基本は陰と陽。
 中国古代には、宇宙の事物は内部に陰陽の対立を含み、陰陽どちらに属するかは相対的で、時間などで変化するものと考えられていた。
 陰は、たとえば大地、女、暗、下、小、外、裏、退、従、弱、柔、夜など、陽は天、男、明、上、大、内、表、進、主、硬、強、昼などを象徴する。
 陰陽は一見対立しているようにも見えるが、引き合う力も持ち、一方が欠けると他方は成り立たない。つまり共存し、また、一方から他方へ変化するものということもできるのである。
 万物の生ずる根源、宇宙の本体である「太極(たいきょく)」からは、陰と陽の気が派生し、陽気は上昇して「天」に、陰気は下降して「(大)地」になる。
 天地の陰陽を四象(ししょう)といい、陽が2つで老陽=「夏」、陽の上に陰で少陰=「秋」、陰が2つで老陰=「冬」、陰の上に陽で少陽=「春」を表す。
 その四象にそれぞれ陰陽を加えたものが「八卦」である。
 森羅万象は、この8つの要素(天、地、火、水、風、雷、沢、山)で成り立っているとされている。
 ちなみに、八卦の象意と性状(卦徳)は、
乾(けん)は天→健やか
兌(だ)は沢→説(よろこぶ)
離(り)は火→麗(つく)
*連なる、関わるという意味
震(しん)は雷→動
巽(そん)は風→入(にゅう)
坎(かん)は水→陥
艮(ごん)は山→止
坤(こん)は地→順う

 陰陽は定まったものではなく変化する。「易経」は英訳で「The Book of Changes(変化の書)」とされている。
 流動的に変化するものであるが、そこにはまた、不変の法則がある。
 

 易では宇宙の変動、リズムの中で、宇宙の一部である自分がどの機運にいるかを見ることができる。
 卦(答え)として現れるものは、自分がどれほどそのことに集中して考えているかが反映される。つまり、真剣に占うことで、自分でも気がつかない潜在意識(答え)が、言葉(卦辞)を借りて現れてくるのである。
 素直に耳を傾けさえすれば、難しい知識は必要なく、誰でも容易に答えを求めることができて、自分でも気がついていない核心が現れることもある。
 そのためにも占うテーマは漠然としたものでなく、絞り込んだものにすることが大切。
 出てきた答えは象徴であり、様々な要素を秘めている。

 問題の解決方法は、ひとつではない。
 易は、良いか悪いかではなく、イメージ、イマジネーションで捉えることが大切なのである。
 ひとつの答えも、受け取り方によって様々に変わる。なぜなら、人それぞれの受け止め方(姿勢)や力量、立場が違うからである。
 易の基本は、簡単にいうと、「運は自らつかむもの」、「災いと思えるような出来事も方法やタイミングで、切り抜けることができる」というものである。
 そのために、自分がいま、どこにいるかを導き出すものなのである。 

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