五輪書

2011.3.1

兵法の道理を学んだら
道理を離れよ
無意識に、自然に、有効なひと打ちが
出るのがの道だ
修行を日々怠らず
心と意識を磨き、見る目を養い
迷いの雲が晴れた境地こそ
と知るべきなり


 これは、剣豪 宮本武蔵の五輪書「空(くう)」の巻に書かれたもの。

 宮本武蔵の生誕地には様々あり、一説に美作(現 岡山県)に、幼い頃、養子に出されたとある。養父 新免無二(しんめんむに)は、室町幕府から「日下無双兵法術者(ひのしたむそうのへいほうじゅつしゃ)」という称号をもらうほどの剣豪だった。
 関ヶ原の戦い以降、大量に増えた浪人は武者修行をしながら、仕える場所を探し求めたが、藩に仕えると武者修行や勝手な実戦は許されないため、武蔵は乞われても職に就かなかったという。
 29歳のとき、有名な巌流島の戦いで佐々木小次郎に勝って世に名を轟かせながらも、さらに兵法の道を極めなければならないという思いを強く持つ。
 大阪夏の陣では徳川方の武将に護衛として参戦し、後には、兵庫や熊本などの藩に大名の「客人」として身を寄せた。客人であれば、武者修行も構わないからである。

 最晩年は、熊本市の金峰山にある霊巌洞で過ごしたが、62歳から1年半かけて、今までに会得してきた水墨画、庭造り、城下町の設計、能、茶の湯、禅の要素を取り入れ、そして、実戦
から学んだ兵法の極意を記したのが「五輪書」である。
 五輪書は五巻からなる。
「地」の巻は、基礎となる心構え、「水」の巻は1人で戦う技術、「火」の巻は軍勢を動かして戦う技術、「風」の巻は他の流派との比較、「空」の巻は、めざすべき極意の境地を著したもの。
 1980年代には、「The Book of Five Rings」として、6カ国語に翻訳されて、ビジネスあるいは人生の成功の書として、10万部以上が販売された。
 宮本武蔵が生涯をかけて求め続けた
刀を使って敵に勝つこと、それが人生を極める道に通じるものとして、世界の多くの人に読まれたのである。

みるには全体を観ると細かく見るのふたつがある
の目を強くして
敵の心や場の様子、戦いの状況をとらえよ

小さくれば
大いなることを忘れ、迷う心が生まれ、
勝ちを逃すことになる
(『五輪書』 水・風の巻より)

 宮本武蔵は五輪書を完成させた七日後に没する。

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