話を聞いてもらう方法

2011.8.31

「知りたい」欲求は誰にでもある。
 対象は、近所の人や旦那さんの行動かもしれないし、馬券や株の確率かもしれないし、細胞の働きや天体の動きかもしれない。
「知ったことを誰かに話したい」欲求もある。たとえば、テレビ番組の歴史や健康、料理などのうんちく話。
 なぜ、人に話したくなるのか。それは、自分が興味を持ったことを人と共有したいから。
 そして、人に話すのは、英単語を口に出して覚えるのと同じように、調べたことをより長く留めようとしているからなのかもしれない、ということに気がついた。
 話を聞いて、相手がリアクションしてくれれば、そのことが結びついて、記憶として残りやすくなるかもしれない。
 というのも、感情などが加わっているほうが、物事は、より記憶しやすくなると聞いたことがあるからだ。たとえば、名刺だけ渡されるより、なにか記憶に残るような状況、しぐさ、特徴のある風貌をもっていてくれるほうが、覚えやすい。
 そこで、最近は覚えたい内容の話を、あえて相手の興味を引くような内容にアレンジして話すことに挑戦している。しかし、簡単にはいかない。まず、相手のリアクションをある程度想像して、話を組み立てなければならない。
 なんといっても、相手にとっては、興味のない話である。なぜなら、そうまでして、覚えたいのだから、あまり現実的ではない、小難しい横文字の名前など出てくる話に決まっている。
 果たして、人を巻き込む必要があるかどうか、それで、覚えやすくなるのかどうかすら、はなはだ疑問でもある。しかし、話ができて、覚えられたら、一石二鳥ではないか。少し、目的がずれているような気がしないでもないが、そんなものなのだ。
 おそらく親しい相手なら、「そんなことはどっちでもいいじゃない。そんなことを知って何か変わるの?」といわれるだろう。きっと、早く、話を打ち切りたいのだ。
 しかし、世の中の会話は、ビジネスのは話以外、相手にとっては、ほとんどが、「どっちでもいい話」なのではないだろうか。なにしろ、一番、活き活きした会話は、自分に関連していることを話しているときがほとんどである。
 つまり、人は、自分の話ができる順番がくるまでの間に繰り出される話に、それほど興味があるわけではないと考えたほうが良い。つまり、カラオケボックスの光景である。
 帰って来るなり食卓で聞かされる奥さんの世間話も、仕事の自慢話も、愚痴も、趣味の話も、小さな子供の話を聞く母親のような熱心さをもって聞くほどの話は多くない。想像以上に、歌が上手だった場合以外、人の興味をひくことはない。それと同じである。
 講演には、その話を聞きたいと思って人は集まっている。そこには話を聞いてもらえる土台がすでにある。聞きたくもない話を無理矢理、聞いてもらいたい場合は、かなりのテクニックが必要なのである。
 セールスの人たちは、毎日、手を変え品を変え、果敢にチャレンジしているのである。
 相手の興味を引きそうな話と絡ませるという手があるが、そうすると、相手に話をそのまま、持っていかれることもあって、自分の話ができなくなる。
 難しいものである。

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