携帯電話のチェック

2011.9.1

 複雑といわれる人間の感情。
 多くの場合、単純な事柄が、立場や状況、関わる人の性格によって複雑に組み合わさっているというのが、本当のところなのではないかと思っている。一つひとつは単純なものが、膨大な組み合わせによって複雑に見えるのではないのだろうか。
 しかし、そのパターンを一つひとつ把握するには経験がなくてはならない。ただ、経験を積めば積むほど、パターンは膨大に増えていく。すると、知ることが読み取ることへつながるのかどうかわからない螺旋階段を昇ることになる。
 人の心情を読みとれる人は、プロの将士のような直感力が養われている人なのだろうと思う。
 しかし、知れば知るほど、不安や妬みなどのマイナス感情を呼び寄せいることもある。子供が、未来のことなんて、不安に思わないのとは逆である。
 配偶者や恋人の携帯電話を見る人が思いの外多いというデータが出たことから、市民権を得たとでもいうように、堂々と、携帯を見ているという人が増えてきた。相手のことを探って当然という、自分の所有物的な発想が怖い。スマートフォンで同意無しでも相手の行動などがわかってしまうソフトが波紋を呼んでいる。
 たとえ、同意がいらないように思える年端のいかない子供や、あるいは高齢者の生命にかかわる危険を回避するためであっても、その行為がエスカレートすることはないのだろうか。相手に内緒でしか行なえないようなチェックはするべきではない、と思う。
 自分がされて嫌なことはしないほうが良いという言い方もあるが、たまに、自分の行動も相手に知られてもいい、という人もいる。お互いが、そうであれば問題はないのだろうが、そうでない場合も多い。
 相手のことが信じられないからチェックするのか、信じているからチェックするのか、それは、人それぞれの言い分があるだろうが、疑念から行なう場合、そこへ根拠のないうわさ話が加われば、すでに冷静な感情でいられるはずがない。
 しかし、相手の行動が不安で安心したいためのチェックなら、まだ理解はできるかもしれない。
 理解が難しいのは、相手が「黒」だという確信を持つためにチェックすることである。それも離婚するための証拠集めではなく、自分が正義になるための手法として。
 人の感情は、つくづく複雑なものである。

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