活性酸素と人間

2006.6.7

「人間は酸素のようなもの」かもしれない。
 酸素分子は、8つ持っている電子のうち、2つペアになっていないものがあり、対(つい)にして安定させたいという性質から、他の酸素分子の電子を奪ったり奪われたりしている。
 電子をもらった酸素分子は、安定するので悪さはせず、愛情いっぱいで幸せである。
 問題なのは、電子を取りあげられた酸素分子の方である。ますます不安定になり、そこに環境汚染や紫外線、生活習慣、喫煙、ストレスなどの様々な要因で「活性酸素」に変化して、人間にイタズラをしかける。たとえば老化を促進し、疾病を引き起こし、眠っているガン細胞をも活性化させてしまうのである。
 不安定ではあるが、もともと「良い子」だったはずの酸素は、ちょっとしたきっかけで、「悪い子」になり、そして悪感情が感染しやすい人間と同じように、「悪い子(活性酸素)」が増えやすくなっていく。
 地球に最初の微生物が生まれた頃、大気中に酸素は少なかったが、紫外線と反応して活性酸素に変わるため、微生物にとっては「猛毒」だった。酸素は、人間でいう「性悪説」なのである。
 しかし、その後、新たな微生物が光合成を始めると、副産物として生まれた酸素が大気を占めるようになり、ついには「毒」だった酸素を取り込んでエネルギー源にするという循環をつくり出してしまう。生命の力とはすごいものである。
「悪い子」だと思われている活性酸素には「良い子」の一面もあり、他の悪者(雑菌、カビ、ダニなど)を強力な殺菌力でやっつけてくれる。それを利用したのが「消毒薬」である。
 所詮、「良い」と「悪い」は主観によるもので、何をもって「良い」というかは、自分にとって都合が良かったり、楽だったりすることを言っていることも多い。つまり、どんな状況でもまったくの「良い子」も存在しないと同様に、救いようのない「悪い子」もほとんどいないのだ。
 活性酸素は、ずっと「悪い子」のままでいるわけではなく、自然に消滅したり、正義の味方(抗酸化物質など)に退治される。しかし、不安定な状態でいると、「悪い子」は増えてしまうこともある。
 酸素と同じように、すべてのものに「良い」「悪い」の両面がある。できることは、「悪い子」を起こさないように、愛情不足やモラルの低下などによる「環境の悪化」を避けること、だと思うのである。

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