the point of a story(=オチ)

2007.1.17

 年齢を問わず、多くの女性は、「話を真剣に聞いてくれない」「聞いていても上の空」と恋人や夫についての不満を言い、逆に男性は「なんで、どうでもいい話を、あれほど延々としていられるのか」と不思議がる。時々、ノロケている場合もある。
 しかし、疎まれても、女性は話し続け、生返事をされると「聞いてる?」などと話の途中で相手に確認し、男性は、何回も繰り返された経験から相手の機嫌を損ねないように、聞いているフリや相づちの打ち方を会得していく。こう書くと、男性の方が状況に適応しているようにも聞こえるが、結局は、その場しのぎである。
 女性からすると、つきあい始めの頃は一生懸命話を聞いてくれていたのにと、そのギャップに納得がいかない。しかし、考えてみると、つきあい始めの頃も、話の内容にそれほど興味があったわけではなく、相手に興味があっただけなのだ。手料理でもてなしてくれた恋人が、結婚して、子供ができて何年も経つと、そんな記憶はどこへやら、と嘆いている男性もいるので、お互い様である。
 男同士で盛り上がっている会話を聞いていると、実にくだらない話を延々としていることもあるので、簡単にいえば、自分への興味が失せた、と怒るほどのことでもなく、興味を持つ話が違う、というだけなのかもしれない。
 子供の教育の話で、夫が「君にまかせるよ」とか「疲れているから今度にして」と、真剣に考えてくれないということからの夫婦ゲンカも多い。しかし、自分の子供がかわいくないわけはなく、男性からすると、「人生、そんなに細々と考えても計画通りにはいかない」という自分の経験を踏まえての言葉か、そのことに関して知識が豊富な方が決める方が良いという「まかせた(敬意)」であることも多いようだ。仕事では、「まかせたよ」というひと言で、責任もなにもかも背負い込むことになるのだからと思えば、そう不思議なことでもない。近頃は、男性も、家庭のころをいろいろする人も増えているようで、女性は、嬉しそうに話し、うらやましがったりしているが、意地悪く考えれば、それだけ「信頼されていない」と取れなくもない。
「オチがないんですよね」
 先日、なぜ、男の人は、女の人の話を聞こうとしないのかと尋ねた時、20代後半の男性が、奥さんについて、そう答えた。落語ではないので、「オチ(落ち)」といっても、この場合は、話の「結末」という意味の方が強い。
 そういえば、以前、奇妙でなおもしろい体験をしたことを話していた時、話し終えると、「それで?」と次を促されたことがある。「終わりだけど」と言うと、途端に「な〜んだ」とテンションが下がった。おもしろそうな話なので、それに見合った、すごい「オチ(結末)」がくると思った、と言うのである。そうそうドラマのようなオチがつくはずもないではないか、と思いながら、どんな結末だったら「オチ」になるんだろう? と不思議に思った。
 その時のことを思い出して、気がついた。女性同士でプライベートな話をしている時は、事実だけの、結論(オチ)がない「話」で盛り上がることが多い。それは、結論を出すことが「会話」ではないと思っているからだ。
 二言三言話すと、男性が、女性の話の腰を折って「それで、どうなったの?」と結論を急かすことがある。「だから、それを今話しているんじゃない」と思う。いきさつがわからないと、結論だけでは話がわからないと思うのだが、とりあえず、結論がおもしろいかどうかが、男性にとってはまず、大切なことらしい。おもしろければ、いきさつも問い返してくる。おもしろくなさそうだと思ったら、その話はそれでおしまいである。
 話の内容というより、男性の場合は、その時の体調や気分に左右されることも多いようだが、その点、女性は、気分が落ち込んでいても、話をしているうちに、気分が変わってくることも多いように思う。
 相手が恋人だろうが、友達だろうが、話の内容というより、話をしているその過程を、女性は楽しんでいるのである。相手がどんな反応を示すかにも興味がある。そうでなくては、たぶん、赤ちゃんを育てることはできないのだろう。赤ちゃんは、お母さんの語りかける声や、反応を見ながら、いろいろなことを覚えていくのだから。
 だとしたら、男性が子供を産めるようにならなければ、このテーマは、永遠に解決できない。そして、長々書いたが、たぶん、この話にも「落ち」がない。

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