さくら

2008.4.10

 桜の木に、葉の緑が目立つようになってきた。
 毎年恒例の上野公園の宴会風景も終わり、桜色のお菓子や、街中のショーウインドウや雑誌のページを飾る桜の飾りも少なくなってきた。
 いつも通る道に、2、3本ある桜の木の中で、花が咲く前には、数十もの小鳥たちのたまり場になっていた木は、花が咲いている時期には小鳥たちも遠慮するかのように、別の木に止まっていた。
 今は、花も少なくなり、少しずつ小鳥たちが戻ってきている。
 他の花とは違い、ひとつの桜の花を眺めることは少ないので、目立たないが、見上げると、まだ咲いているものも、つぼみもいくつか残っている。
 ピークに出遅れてしまった桜の花たち。
 もう少し早く咲いていれば、多くの人に注目してもらえたはずなのに。それとも、たくさんの花がない今だからこそ、集中的に目を止めてもらえるだろうか。
 それは、人間が考えることで、桜の花は少しも、そんなこと考えていないだろうけど。
 いつ咲くかは関係なく、他の花と競うこともなく、ただ、自分の咲く時期が来たから、咲いているだけなのだから。

 お別れの長い時間を少しでも短くしてくれているかのような、わずかな桜の花は、「さようなら。また来年も、みんなで、きれいに咲くからね」と言っているようだ。



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