夜空のピスラズリ

2008.8.6

 石の名前には心惹かれるものがある。インカローズ、タイガーアイ、ムーンストーン、サンストーン、スモーキークォーツなど。
 なかでも、耳に心地よい不思議な響きがラピスラズリ[Lapis Lazuli]。
 ラズリは、ペルシャ語(アラビア語)のLazward[ラズワルド]を語源とするラテン語[Lazur]で、「天、空、青」という意味。ラピスはラテン語の「石」。
 主成分の青いラズライト(青金石)と、金色に見えるパイライト(黄鉄鉱)、そしてソーダライトなどでできた半貴石である。
 ちなみに半貴石とは、貴石(ダイヤモンド、エメラルド、サファイア、ルビーなど)以外のものを指す。
 和名は、青金石(せいきんせき)、あるいは瑠璃(るり)。
 弘法大師 空海の守護石でもある。
 仏教では、瑠璃は、極楽浄土を飾る七宝[金・銀・瑠璃・玻璃(はり)・しゃこ・珊瑚・ 瑪瑙(めのう)]のひとつ。玻璃はガラスのことで、17世紀頃に日本に伝わった「七宝焼き」の名はここからきたとされる。
 
 ラピスラズリは、パワーストーンとして、水晶と同じくらい強力な霊石、聖なる石、幸運の石とされており、知恵や知性を増し、直感力や判断力を研ぎ澄まし、精神のバランスを維持、視力低下防止や肌を美しくするなどのパワーがあるといわれている。
 天空と冥界の神オシリスの石とされ、ツタンカーメンの棺やマスクにもはめ込まれており、エジプトでは王族以外の人が持つことを禁じた時代もあった。
 モーゼの十戒を記したのはラピスラズリの石版だったともいわれている
 
 ラピスラズリといえば、フェルメールの「青いターバンの女」(「真珠の耳飾りの少女」)。
 なんともいいようのない表情と青い色は、一度見ると忘れられない。
「フェルメール・ブルー」とも呼ばれる、ウルトラマリンブルー(群青)の原材料はラピスラズリで、この青は、絵画には14世紀頃から使われていた。「金」で増量して使うくらい高価だったので、通常は絵の一部にしか使われなかったウルトラマリンブルーを、フェルメールは惜しみなく使っていたそうだ。
 高貴で美しいラピスラズリの青は、マドンナ・ブルーとして、聖母マリアを描くときにも使われた。
 ウルトラマリンという名は、もともとは、ラピスラズリが「海を越えて」様々な国に流通されたところから付けられたが、代用品のアズライト(藍銅鉱)もウルトラマリンと呼ばれることもある。


 ラピスラズリを見ていると、星の煌めく夜空が閉じこめられているように見える。
 同じ夜空でも、ミッドナイトブルー(midnight blue)は、漆黒の闇。
 晴れた日の淡い空の色は「スカイブルー(Sky blue)」。
 澄んだ水の色は「アクアブルー(Aqua blue)」。海の水の色は「アクアマリン(aquamarine)」。
 それにしても、青い色は口ずさむだけで、涼しく感じてくるから不思議だ。

前 頁

  次 頁

バックナンバー

サイトマップ

mail

法令に基づく場合などを除いて、個人情報をご本人の同意を得ることなく第三者に提供したり、開示したりすることは致しません。

copyright(c) SOMETHING ELSE Co.,Ltd. 2012 all right reserved  since2006