成功体験

2008.9.7

 どう考えても無理だと思う。
 現実的に、物理的に考えても無理ではないか、と思う。しかし、一方では、できないはずがない、とも思う。
 もう何度同じ事をやっているのかわからない。何度やっても、失敗する。
 自分には、これが限界かもしれないと思う。このあたりで、あきらめようかとも思う。
 それでもあきらめきれないのは、ここまで積み重ねてきたことを途中で放り投げてしまうことになるからだ。
 ふと、おもしろいことに気がついた。
 車の運転を初めてしたときのように、次第に緊張感が取れてくることによって、一つひとつのことが少しずつ簡単になってくる。何度も同じ事をしているうちに、感覚が慣れてくることもあり、適度に大胆に動けるようにもなる。
 その逆に、慣れてしまったことで集中力がなくなり、自分では気がつかないうちに、甘く見過ぎて、なんでもないところでミスをすることも。
 慣れるということは、諸刃の剣なのだ。

 どうすればできるのか。難しい数学でも解いているような気分になる。
 最後の、頼みの綱は、「できないはずはない」という"気持ち"だけだ。
 上手くいかないときには、時間を置き、気分を切り替えて、また挑戦する。
 そして、必ず、その瞬間は訪れる。あれほど苦労していたことが嘘のように、難なく、スルッとクリアしてしまう。あっけなく。
 普段、あまり使わない部分の脳を使っているかもしれないと思いながら、また、次のステージへ進む。次の難問が待っているからだ。
 こうして、このパソコンゲームを考えた人との根比べは続くのである。
 な〜んだ、やっぱりゲームの話か、と思った人もいるだろう。大げさだな、と。
 しかし、思ったのである。案外、これが、真理なのかもしれないと。人生のあらゆる困難に立ち向かうときの、心構えとしての。
 これまでの経験にもあてはまるし、マニュアルの本にも似たようなことが書いてある。
 そして、学者の研究に対する姿勢も、ゲームに興じるのと似たようなところがあるのではないだろうか。(一緒にしては失礼だが)。他の人から見ると、案外、どうでもいいと思われるかもしれないことを、追究したいという気持ちと根気が、偶然のラッキーをも呼び寄せて成功へと導くのである。

 あまりにも課題が大きすぎて、不可能かもしれないと怖じ気づきながらも、それでもやりとげたいという執着心と、途中ではあきらめないという決意。
 1つひとつの積み重ね。
 偶然のひらめきは、無視しないこと。同じ事ばかり考えていると、自分でも感心するほどに次から次へと新しい方法が湧いてくる。
 苦労したものほど、到達したときのうれしさがあり、その感情が自信となって、次の困難へと視線を向けさせてくれる。
 
 ゲームと違って、世の中は、必ずクリアできることばかりではない。しかし、クリアできなければ次のステージへ進めないゲームと違って、現実はクリアできなくても、掛けた時間も行為も、自分にとっては無駄にはならないところが良いところである。
 しかし、逆に、こんなことにも気づいた。
 関心があること、やや強引にでも関心を持てること、あるいは、必ずしなければいけないことーーそれ以外は、苦労を乗り越えてまで続けていくことは無理かもしれないと。なんといっても、そこに情熱が持てないから。
 困難に、不必要に立ち向かっていくのは、意味がない場合もある。

 ドラマの中で、「可能か不可能かを考えるよりも、やりたいか、やりたくないかを考えるのが先だ」というようなセリフがあった。
 確かに、物事に取り組む前に、できるかどうかを考えてしまっていることが多い。やった人間だけが、チャンスを物にできるとわかっていても、こう思うってしまうのだ。
 自分にできるだろうか、失敗するかもしれない、条件を考えると無理ではないか、など。
 しかし、そこに、本当に、自分がやりたいという思いがあるのなら、「不可能かもしれない」という現実は無視すればいいのだ。
 不可能かどうかは、「やろうと思えばできる」というセリフと同じで、やってみなければ、できるかどうかわからないのだから。
 どうしても無理なときは他の道を選ぶのも、選択肢。人生は、ゲームと違って、自分が真剣に考え抜いて選択した道が、自分にとっての正しい答えだから。
 小さな成功体験を積み重ねることでモチベーションアップになるというが、人生は、どんなことだって成功体験。パソコンゲームからだって(失礼!!)、学べることはある。

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