赤を見分ける能力

2008.12.20

 クリスマスイブまであと数日。
 ところで、男性の中には、女性に花束を贈る時に必ず赤いバラを選ぶ人がいる。それがクリスマスであろうと、誕生日であろうと、入院見舞いであろうと。
 1つには、花の名前はバラかチューリップくらいしか知らないということもある
ようで、バラというと「赤」なのだそうである。これは、中年の男性何人かが話しているのを実際に聞いた話。
 色によって花言葉も違うので、相手を悩ませない為に、赤いバラなら、まず無難。逆に無難なところがおもしろみに欠けると思えば、花屋でイメージを伝えれば素敵な花束をつくってくれるが、相手の好きな花を知らない時には、バラという選択も良いかもしれない。なかにはバラが嫌いな女性もいることにはいるが。

「解体新ショー」(NHK総合テレビ 12月19日放映)という番組で「なぜ愛する女性に赤いバラを贈るのか?」というテーマを解明していた。
 2005年に、「色識別能力と個人差 性差と色の好悪の関係」(北海道大学大学院文学研究科 西川林太郎氏、川端康弘氏)で、女性のほうが色に敏感という研究リポートが発表された。それによると、女性はいずれも80%台を識別しているが、青系の色では男女差が12%、赤系の色では29%もあることがわかった。
 東京慈恵会医科大学(眼科)の林孝彰博士の話では、人間の目には赤、緑、青に対応する3種類の細胞があるが、女性の約半分に、「濃い赤」「薄い赤」の2つの細胞を持つ人がいるのだとか。
 この違いは遺伝子にあることを、アメリカの分子遺伝学のジェレミー・ネーサンズ教授(ジョンズ・ホプキンス大学)が発見し、人の遺伝子の46個の染色体のうち、X染色体に「濃い赤」と「薄い赤」に対応するものがあることをつきとめた。
 男性にはX染色体が1つしかないため「濃い赤」と「薄い赤」の2種類、つまり、理論的には「赤」としか識別できない。
 X染色体を2つ持つ女性は、組み合わせは4種類となる。つまり、男性と同じように、1「濃い赤」「濃い赤」、2
「薄い赤」「薄い赤」というタイプと、3「濃い赤」と「薄い赤」、4「薄い赤」と「濃い赤」という2つを持つ組み合わせができる。つまり、半数が2種類の赤の細胞を持っているのである。
 ただし、女性は後天的に、色に対して敏感になることが多いため、たとえ男性と同じように3種類の細胞しかなくても男性より識別率は高いそうだ。
 赤色に敏感な理由については、赤ちゃんの微妙な顔色の変化を察知するためという「妊娠説」、かつて特別な儀式の時に男性が施していた化粧に赤が使われることが多かったことによる「化粧説」などもある。



 なぜ、男性が赤いバラを選ぶのかは、これだけでははっきりしない。
 赤いバラといっても、厳密にいえば、いろいろな赤があるのだが、残念ながら、その違いは男性にはわからないのかもしれない。きっと花束を贈るという行為自体が大切で、そこには「花束=女性は皆喜ぶだろう」という方程式も関係しているように思う。
 口紅の色や髪型を変える、あるいは新しい洋服を着た女性が「何か変わったところはない?」と恋人や夫に質問して、わからなかったことがきっかけで、2人の関係が微妙な状態の時にはケンカに発展してしまうことも少なくない。
 男性でも、職業によって、あるいは関心の持ち方によっては見分けることがまったく不可能とはいえないが、赤やオレンジ、ピンクなど、女性にははっきりと差がわかる口紅の違いを、多くの男性が見過ごしてしまうのは仕方ないのかもしれない。
 しかし、「その通り!」と男性は安心してはいられない。たとえば、ワイシャツについた口紅の色から、女性は、その相手が誰かを特定することも有り得るからだ。 

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