私のFENリスニング具体的体験シリーズ(2)
<1. FENとの出合い>
「橋本龍太郎首相とフジモリ・ペルー大統領は
2月1日午前、トロント市内のホテルで
約1時間45分間会談し、
ペルーの日本大使館公邸人質事件
への対応策をめぐって協議した。・・・・」
このような内容のFEN定時ニュースが
2日の日曜日の朝6時、
まだベッドの中でまどろんでいた
私の耳にはっきりと聞こえてきた。
かつてあれほど難しく、
ほとんど聞き取り不可能と諦めかけたFEN
だったが、この9年、明けても暮れても、
毎日2,3時間、休むことなく聞き続けた結果、
ようやく少しは日本語に近い感覚で
聞くことができるようになった。
FENは元々、
日本に駐留する米軍関係者とその家族を
対象とした彼らの母国語(英語)による
彼らのためのラジオ放送だから
私のような外国人に分かる性質のものではない。
その意味で、同じ英語放送でも
例えばVOA(Voice of America)や
BBC(British Broadcasting Corporation)放送、
またはNHKの海外向け放送は、
内容的に諸外国に向けた自国宣伝であり、
話すスピードも比較的ゆっくりしていて、
そこには明らかな違いがある。
私はこれらの海外向け放送には
見向きもせず、徹底的にFEN一筋に
こだわってきた。
それはあくまで英米人の、
何も足さない、何も引かない純粋な
彼らの聴覚を知りたかったからである。
思い返せば、今から約9年前の
1987年12月24日、会社の帰途、
何気なく立ち寄った溜池の会社の近くにある
「チャンプ」というディスカウント・ショップで
FEN専用のカードラジオを見つけたのであった。
大きさが名刺よりやや小さく
厚みが2ミリとない極めてハンディーな
模様入りカード・ラジオで、
小さなレシーバーを取り付け、耳に差し
スイッチをちょっと押すと、いつでもどこでも
FENだけが聞こえてきた。
これは便利と早速、51歳になる自分への
クリスマス・プレゼントにした。
最近、このFEN専用のカード・ラジオは
見かけなくなったが、普通一般の
中波カード・ラジオでFENに合わせれば
聞くことができる。
それ以来、この小道具は私にとって
かけがいのない友となり、
レシーバーを片耳に朝な夕な聞き続けてきた。
当時、朝は6時55分から7時30分までの35分
夕は6時から7時30分までの1時間30分、
合計2時間5分、聞いていたわけである。
この間には音楽番組はなく、
純粋たるトーク番組だけだったので
まさに生の英語を聞いていたことになる。
しかし、この時間帯には残業や接待が多く
毎日とはいかなかった。ところが、
93年10月5日、JR新橋駅近くの「キムラヤ」で
便利なウォークマンを見つけてからは
この悩みもみごとに解消できた。
このウォークマンは文庫本ぐらいの大きさで、
単3形の電池を一本入れておくだけで
タイマー付きだから、背広の裏ポケットで
時間がくるとひとりでにFENが録音された。
私は同じ90分テープを毎日消しては、
そこにまた新しい番組を録音するので
録音しても繰り返して聞くのは
その日と翌日だけである。
テープ交換など面倒なことをすると
長続きしないので、同じテープで
毎日更新することにして手間のかからない
ようにしている。それ以後、残業も接待も
苦にならなくなった。もうこれで何時になろうが
会社の帰途、あるいは翌朝の通勤途中で聞けるので
日に3時間は優に聞くことができるようになった。
以下シリーズ(3)に続く
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