成人の8割が歯周病です

歯周組織の比較

歯の病気の代表的なものに、むし歯(う蝕)と歯周病があります。むし歯は、"歯そのもの"が破壊される病気ですが、歯周病は"歯を支えるまわりの組織(歯周組織)"に起こる病気です。
歯肉が腫れる歯肉炎に始まり、炎症が進むと、歯と歯肉の間の溝がしだいに深くなり(歯周ポケット)、やがて歯を抜かなければならない段階まで進行します。
自分で気づかない軽い歯周病を含めると、30歳前後で国民の79%、40歳前後で84%(5人に4人以上)、50歳前後では実に88%が歯周病にかかっているといわれ、 歯周病は歯を失う最も大きな原因となっています。

歯周病の進行と有病率

歯周病の進行と有病率(%は平成11年歯科疾患実態調査による)

歯肉炎歯垢のたまった歯肉が炎症を起こし、赤く腫れます。
歯磨きなどのわずかな刺激で出血し、口臭の原因にもなります。歯垢を放っておくと歯石となり、歯磨きではとれないため、歯科医院でとってもらう必要があります。

歯周炎歯肉の炎症が進み、歯周ポケットが深くなります。
歯肉の色は赤黒く、腫れて痛むこともあります。

重度の歯周炎歯周ポケットがさらに深くなり、歯の土台となっている歯槽骨が溶け、歯がグラグラします。歯肉はぶよぶよして膿みを伴います。

歯周病はどうして起こるの?

歯周組織は歯肉(歯ぐき)と歯槽骨(歯を支える骨組織)、歯根(歯の根元)とおおうセメント質、歯根と歯槽骨をつなぐ歯根膜からなり、歯を正しい位置にしっかり付着・固定するための強固な構造をそなえています。しかし、歯磨きが不十分で、歯と歯肉の間に細菌が住み着いて歯垢(プラーク)がたまると、そこに炎症が引き起こされます。これが歯周病の始まりです。

歯周病が進行すると?

はじめは自覚症状がなく、鏡で見ても気がつきませんが、そのうち歯肉が赤くなったり腫れたりします。プラークが石灰化し歯石になると、自分では取り除きにくくなって歯周病が悪化し、歯と歯肉が付着している部分に隙間(歯周ポケット)ができます。
さらに炎症が歯肉の内部に進行すると、歯根膜や歯槽骨が破壊されて、歯を固定する力がだんだん弱くなります。この状態のまま放っておくと、ついには歯を失うことになります。

 

レーザーとデンタルレントゲン