お奨めのヴァイオリン教則本 <練習曲編>

●ヴァイオリン音階教本 // 小野アンナ著/音楽之友社

 楽器の構え、運弓法などをマスター出来た初心者から使う。第1ポジションの音階から入るので、初心者から専門コースに進むまで幅広く使用できる。

● WOHLFAHRT:Sixty Etudes for Violin,Op.45 BOOK1&2 // CARL FISCHER
    (ウォルファールト:60のエチュード、作品45 1巻、2巻)
 BOOK1(No.1〜30)

 初心者のためのエチュードで、綺麗な曲になっているのでそれなりに楽しく弾ける。1巻はカイザーの1巻と同レベルで、ポジション移動に入る前の段階。カイザーよりも曲の長さが短く、半ページ程なので、譜読みに苦労する生徒にとって優れた教材である。カイザー1巻の変わりに使用する良い。

 BOOK2(No.31〜60)

ポジション移動が導入されているので、カイザー2巻と同レベル。この2巻は使わずに、カイザー2巻に入っても良い。

●SEVCIK:VIOLIN STUDIES // BOSWORRTH
 Op.1. -Parts1〜4 SCHOOL OF VIOLIN TECHNIQUE.
 Op.2. -Parts1〜6 SCHOOL OF BOWING TECHNIQUE.
 Op.3. 40 VARIATIONS
 Op.6.-Parts1〜7 VIOLIN METHOD FOR GEGINNERS.
 Op.7.-Parts1〜2 STUDIES PREPARATORY TO THE SHAKE&DEVELOPMENT
          IN DOUBLE-STOPPING.
 Op.8. CHANGES OF POSITION&PREPARATORY SCALE STUDIES.
 Op.9. PREPARATORY STUDIES IN DOUBLE-STOPPING.

上記のように、テクニック別に分かれているので、不得意な部分をピックアップして使用する事が出来るので、使いやすい。特に、Op.1は1〜4小節単位から成っているので、前例のWOHLFAHRTでさえ困難な生徒に使用すると良い。また、他の教材と平行して使用しても練習の負担にならないところが良い。(移弦がまだ出来ない初心者などにもお奨め)

●KAYSER:VIOLIN 36 ETUDES Band1〜3
(カイザー:バイオリン練習曲 第一巻〜三巻 // 全音楽譜出版)
 第1巻(1〜12番)

ウォルファールト第1巻とテクニック的には、同レベルで、第1ポジションのみが出て来るが、曲が長すぎるために小さい子供には、譜読みが困難。そして、調子記号は精々シャープ、フラットが1〜3個までだが、転調が激しいために、ポジション移動習得前の生徒にとっては、譜読みだけで精一杯で、肝心の技術が身に付かずに終わってしまいがちなので、私は使用していない。

 第2巻(13〜24番)

ポジション移動を始め、トリル、スピッカート、マルテーレなど様々な奏法が導入されている。1巻同様に曲は長めだが、これを始める頃には譜読みにも大分慣れて来る筈なので、十分使用する価値あり。

 第3巻(25 〜36番)

かなり難しい技術が増えてきて、中級レベルに達している生徒の為の練習曲。カイザーはクロイツェルに入る前の段階の教則本だが、この3巻になると、かえってクロイツェルより難しかったりするので、必ずしも全部やる必要はない。

●MAZAS:ETIDES SPECIALES Op.36,Book1&2(IVAN GALAMIAN)
               // INTERNATIONAL MUSIC COMPANY

中級者程度の教則本。クロイツェルが曲としては、あまり面白味が無いのに対し、曲がとても綺麗なので、歌心が身に付くという長所がある。紹介して頂いたばかりで、まだ実際にこの本を利用して指導していないがこれから研究していく予定。

●KREUTZER:42 STUDIES(GARAMIAN) // INTERNATIONAL MUSIC COMPANY


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