Last modified 10/30/98

カルミナ・ブラーナ


Carmina Burana


吹奏楽
この曲も一時期流行りました。コンクール全国大会では、連続してこの曲が自由曲として演奏されることもあり、その人気のほどが伺えます。 しかし、あまりにも多くの楽章を取り込もうとして無茶なカットを行うことで、この曲の本来の良さが無になってしまう演奏も存在します。
原曲には合唱が導入されていますが、吹奏楽ではそれが各楽器に割り振られていて、歌詞がわからずまた原曲とも相当に雰囲気が異なります。
編曲は2通り存在しますが、どちらも全曲をカバーするものではなく、両方を組み合わせても、全曲はカバーできません。

J.クランス編J.ムーレンホート編
おお、運命よ
運命は傷つける
"第1部"
美しき春
太陽はすべてをいたわる
春の訪れ
踊り
気高き森
店の人よ、私に紅を下さい
輪舞
世界が我が物となるとも
"第2部"
怒りに、心収まらず
焙られた白鳥の歌
予は大僧正様
われら、居酒屋にあっては
"第3部"
愛の神はいずこにも飛び去り
昼、夜そしてあらゆるものが
赤い胴着の乙女が立っていた
私の心はため息みつ
若者と乙女がいたら
おいで、おいで
ゆれ動く、わが心
楽しい季節
私のいとしい人
たたえよ美しきものよ
おお、運命よ

クランス編の楽譜は日本ショットから、ムーレンホート編はおそらくBelwin-Millsから入手できます。 どちらかというとクランス編のものがメジャーで、マスターピースシリーズ(東芝)の中に収められています。 ムーレンホート編は原調ではない楽章が見られ、やや人気はないようですが、自衛隊の演奏のもの(吹奏楽による交響曲、管弦楽曲シリーズ3,CRCI-35009)があります。

オーケストラ
この曲が仕上がったとき、オルフはこれまでの彼自身の曲の出版差し止めを行うという、大胆な行動をしています。 それだけ、彼がこの曲の中に彼の完成度を見たということでしょう。
カルミナ・ブラーナとは、ベネディクトボイエルンよりの古い歌集のことで、中世の唄が約200種集められています。
オルフは、これらの中から25の歌を選び、3つの部分(1部「春」、2部「酒場にて」、3部「求愛」)にまとめ、冒頭と最後に運命の力を歌っています。 副題が、「器楽の伴奏を伴った舞台上演用世俗的カンタータ」とつけられていて、彼自身は舞台効果を伴って上演されることを意図しています。 楽章に関しては上記の表のとおりです。
吹奏楽では味わうことのできない合唱を伴った重厚な演奏をぜひ一度聞いてください。 今よりももっとこの曲が好きになることと思います。

オススメ音源
カルミナ・ブラーナ TOCE-7129
指揮 アンドレ・プレヴィン
演奏 ロンドン交響楽団、合唱団
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