The unofficial web site provides the informations of Irish folk singer Cara Dillon
The Redcastle Sessions
(Live DVD)
9/June/2008
 |
01. Black is the Colour
02. Bold Jamie
03. Where Are You
04. False, False
05. I Wish You Well
06. If I Prove False
07. The Streets of Derry
08. High Tide
09. Garden Valley
10. I am a Youth that's Inclined to Ramble
11. Never in a Million Years
12. October Winds
13. The Maid of Culmore
14. There Were Roses
15. P Stands for Paddy *
* Live from MacReynolds Bar in Dungiven
|
Label : Proper Films, Number : PFDVD002
Director : Robin Bextor
Musical Director : Sam Lakeman
|
解説 |
ライブDVDを出してほしいという声が海外のファンの間で高まっていたが、
実現の可能性は低いと思われていた。カーラとサムはソロ・デビュー以来所属していた
レコード会社を離れ、2008年初頭にチャーコール・レコードという独自のレーベルを
立ち上げたが、DVDの制作となると資金面のみならず技術的な面においても、
レコード会社の支援なくしては質の良い作品の完成には至らないと予想されたからだ。
|
かねてよりDVD制作については何度も話を持ちかけられていたものの、カーラとサムは
その全てを拒否してきたという。「単にコンサートを丸ごと収録したものではなく、他とは
少し違った手法で作ったDVDを見てもらいたい。」という思いがあったからだ。
そんなある日のこと、プロパー・ミュージックというロンドンに本拠を置くレコード会社のエージェントが、
ひとりの映像作家を連れてサムに接触してきた。その映像作家はロビン・ベクスター (Robin Bextor) で、
過去にエリック・クラプトン、ミック・ジャガー、ポール・マッカートニーらと仕事をしており、受賞歴
も持つ。彼らが接触してきた目的は、やはりDVDにあった。「二人には最初に、僕らのプランを
話したんだ。DVDを作る際の条件としてね。費用も掛かり過ぎる絵空事みたいなプランだから、どうせ
唖然とされるだけだろうと思ってた。」と後にサムは語っているが、彼ら二人から返された言葉は、
「すごく面白そうだ、やってみようじゃないか!」という予期せぬものであった。
|
彼女らが暖めていたプランとは、様々なロケーションで、様々なゲスト・ミュージシャンと
共に行うセッション形式の演奏を収録していくというもの。
この手法は、彼女ら二人が2007年に出演したBBC制作の音楽ドキュメンタリー
番組 Transatlantic Sessions に
近いものがあるが、やはり資金面を考慮すると無謀なプランであることに間違いはなかった。
録画や証明スタッフの準備についてはベクスターの意見を参考にしつつ自力で
進めてこられたが、問題はロケ地の確保にあった。
「ひとりの友人の名前が頭に浮かんだので、ちょっと電話してみたんです。事情を話したら、
嬉しいことに彼の持ち家を開放すると言ってくれました。」と語るカーラ。
こうして撮影の地は、アイルランド最北端に近いドニゴール地方のレッドキャッスル村に決定を見た。
|
撮影が行われた海辺の一軒家は、診療所を民家として使えるよう改装したものらしく、
屋内には演奏に十分な広さの空間が見られる。窓の外に広がる海は、カーラが歌い
続けている様々な伝承歌の舞台となったラフ・フォイル湾。
18〜19世紀には、ここから多くの移民が故郷を捨て新天地へと旅立った。
本作にも収録されている伝承歌、"Black is the Colour" や "The Maid of Culmore" は、
愛する者との別れを余儀なくされた人々の心の喪失感が表現されている。
また、"I am a Youth that's Inclined to Ramble" も同じく移民を題材にした伝承歌で
あるが、ステージでは過去に一度も披露されていない。
|
レッドキャッスル村での撮影は、2008年1月初旬に4日間に渡って行われた。参加した
ミュージシャンは前年からツアーに同行していたメンバー3名に加え、古くからカーラの
スタジオ録音に協力しているベン・ニコルスというベーシスト、さらにゲストとして
数名の顔が見られる。ゲストに関してはフェステバル出演の際に知り合った面々と思われるが、
安定した演奏技術を有するベテランが揃っている。
ちなみに本作の収録曲は全て一発撮りで、修正や重ね録音といった事後処理は一切施さなかった
という。(録音は5.1chサラウンド)
|
「撮影を始めた頃は、位置や角度を変えていくカメラの動きに少し戸惑いました。でも、
演奏が進むにつれ曲の持つ世界観に引き込まれていったので、次第にカメラの存在を
意識せず歌えるようになりました。」とカーラが語るように、上下左右にゆっくりと
アングルが移動していくシーンが多く盛り込まれている。
画像右の女性フィドル奏者はゲスト参加のゾー・コンウェイ。本国アイルランドでは
フィドル部門の受賞歴を持つ美貌の注目株で、カーラのアルバム4作目にも参加。
|
本作には曲の演奏以外にも、短い時間ながら周囲の風景やカーラのインタビュー等が
曲間の随所に織り込まれている。ドニゴール地方は彼女が子供時代に学校の休業期間中に
よく滞在した土地で、今も特別な思い入れがあるという話や、故郷のダンギブン村では
有名なシンガーであった祖母の話などを語っている。
|
途中のインタビューで、カーラは自身の人生観についても少しふれている。
音楽活動を軸とする生活を続けていられる現在の状況に喜びを感じるが、それも
家族や友人といった良き理解者、そして音楽を通じて知り合った多くの人々の支えが
あってこそとだと言う。それは、このDVDが完成を見た背景にも言える事かと思う。
|
最後の曲 "P Stands for Paddy" のみ、舞台をダンギブン村のパブに移して収録されている。
カーラの地元ということで、彼女が学生時代に活動を共にしたオイガのメンバー、友人、そして
姉のメアリーも加えての熱い演奏が繰り広げられる。(総勢13人)
本来の構想では、このようにロケーション場所の幅を可能な限り広げたいと
考えていたように思える。ぜひ次の機会での実現に期待したい。
なお、このDVDはリージョン2、PAL 変換方式という欧州仕様となっています。
日本国内でのテレビ鑑賞には、専用の機種・機材が必要となりますので御注意下さい。
(DVDが再生可能な環境にあるパソコンでは鑑賞できます。)
映像特典として、下の画像ようなスナップ写真集が入っています。
|
Musicians : |
Cara Dillon vocals & whistle |
Sam Lakeman piano & acoustic guitar |
James O'Grady uillean pipes, low whistles & accordion |
John Smith acoustic guitar & vocals |
Zoë Conway fiddle |
Ed Boyd acoustic guitar |
Leo Abrahams electric, acoustic guitar & mandolin |
Ben Nicholls double bass, bass guitar & banjo |
Liam Bradley drums, percussion & backing vocals |
Russ Barenberg acoustic guitar & mandolin |
Ted Posonby dobro |
* MacReynolds Bar Musicians : |
Cara Dillon vocals |
Mary Dillon backing vocals |
Sam Lakeman acoustic guitar |
James O'Grady uillean pipes & fiddle |
Ruadhrai O'kane fiddle |
Murrough O'kane flute |
Seamus O'kane bodhran |
Paul McSherry fiddle |
Kate McSherry fiddle |
Ronan Moloney flute |
Odhran Mullan flute |
Russ Barenberg mandolin |
Eamon Murray bodhran |
↑このページ先頭に戻る
|